
■事実
AMD次世代モバイル向けAPU「Medusa Point」(Zen6アーキテクチャ、開発コード名)のエンジニアリングサンプルが、Geekbenchデータベースに再出現しました。
識別子は「100-000001713-33_N」、プラットフォーム名「AMD Plum-MDS1」。7月8日にリークされたのと同一個体の再登場しました。
シングルコア3,329点、マルチコア16,555点を記録。7月8日の前回スコア(シングルコア3,174点、マルチコア15,092点)からそれぞれ4.9%、9.7%上昇しました。
10コア20スレッド、4+6のクラスタ構成(フルコア4基+高効率コア6基とみられる)です。
現行世代の最上位モバイルAPU「Ryzen AI 9 HX 370」(Strix Point、Zen5/Zen5c、12コア24スレッド、L3キャッシュ24MB、ブースト最大5.1GHz)の平均スコアと比較し、シングルコアで28%、マルチコアで24%上回ります。
Medusa Pointサンプルのベースクロックは2.40GHz表記だが、実測動作は2.0〜2.1GHz程度にとどまります。(AMD公式発表前の初期サンプルであり、最終製品のクロック・消費電力は未確定)
過去のリーク(3月時点)ではL3キャッシュ32MBという情報もあり、HX 370の24MBを上回る可能性があります。
製品名は現行の「Ryzen AI 300」シリーズから、新たに「Ryzen 500」シリーズへ変更されるとの観測です。(AMD未公式発表、リーク・型番の連番から類推された名称)
統合GPUは新設計の「RDNA 4m」(RDNA4ベースのモバイル向け派生とみられる)を採用、FSR 4対応が見込まれるとの情報も出ています。
ソケットはFP10(BGA)、TDPは28W帯の省電力モバイル向けと目されています。
出典:快科技 2026年7月20日 https://news.mydrivers.com/1/1137/1137507.htm(同内容をVideoCardzも同日報道)
比較表(現行世代 vs リーク情報ベースのMedusa Point)
| 項目 | Ryzen AI 9 HX 370(現行・Strix Point) | Medusa Point サンプル(Zen6・リーク) |
|---|---|---|
| コード名 | Strix Point | Medusa Point |
| アーキテクチャ | Zen5 / Zen5c | Zen6(推定) |
| コア/スレッド数 | 12コア24スレッド(Zen5×4 + Zen5c×8) | 10コア20スレッド(4+6クラスタ) |
| L3キャッシュ | 24MB | 32MB(過去リーク情報、未確定) |
| ベース/ブーストクロック | 2.0GHz / 最大5.1GHz | 2.4GHz表記・実測2.0〜2.1GHz(初期サンプル) |
| Geekbenchシングルコア | 基準 | 28%上回る |
| Geekbenchマルチコア | 基準 | 24%上回る |
| ソケット/TDP | FP8 / 28W | FP10(BGA)/ 28W帯とみられる |
| 想定ブランド名 | Ryzen AI 300シリーズ | Ryzen 500シリーズ(観測、未公式) |
| 統合GPU | Radeon 890M(RDNA3+) | RDNA 4m(新設計、FSR 4対応観測) |
| 発売時期 | 2024年7月発売済み | 未発表(CES 2027前後との観測) |
解説
最大のポイントは「低クロックでの高スコア」という点:現行HX 370が最大5.1GHzまでブーストするのに対し、今回のMedusa Pointサンプルは2.0〜2.1GHz程度の動作でこれを上回っている。
これはIPC(クロックあたりの処理性能)がZen5から大きく引き上げられていることを示唆する材料と見るのが妥当だ。
ただし今回のサンプルはあくまでAMD社内評価用の初期エンジニアリングサンプルであり、最終製品のクロック・TDP・価格・発売時期はすべて未確定だ。
リーク値は「伸びしろがある初期サンプルでこの数字」なのか「歩留まり・検証段階でまだ本気を出していない個体」なのか外部からは判別できない点に注意が必要だ。
過去のリーク履歴を見ると、3月から7月にかけて複数回にわたりスコアが右肩上がりで更新されており、AMD社内での検証・チューニングが着々と進んでいる様子がうかがえる。
「Ryzen AI 300」から「Ryzen 500」への改称観測が事実なら、単なる型番の連番変更にとどまらず、ブランド戦略上の区切りとして意味を持たせてくる可能性がある。
正式発表は例年のパターンを踏まえるとCES 2027前後になる可能性が高く、今回のリークだけで一喜一憂するのはまだ早い段階だ。
クロックだけ見れば型落ちスマホ並みの数字なのに、ベンチではむしろ現行フラッグシップを追い越しているのが面白いところた。
本命はここからの正式スペック公開。伸びしろのある初期サンプルがどこまで“化ける”かは、AMDの得意技でもある。