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MLD Nvidia DLSS 5 AIの不具合により、PCゲームから締め出される可能性があります。

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同一のゲームキャラクターを左右で対比した劇的なスプリットスクリーン

■事実

DLSS 5とニューラルレンダリング

NVIDIAはGTC 2026においてDLSS 5(Deep Learning Super Sampling 5)を発表した。

従来のDLSSがフレームレートや解像度の向上を目的とした「パフォーマンスツール」であったのに対し、DLSS 5は「ニューラルレンダリング(Neural Rendering)」と呼ばれる全く異なる技術に基づいている。

DLSS 5はゲームのカラーデータ・モーションベクター・ジオメトリ情報をAIモデルに入力し、照明・マテリアル・肌・髪などのビジュアルをリアルタイムでAIが生成・改変する仕組みだ。

発表時のデモはRTX 5090を2台使用した環境で行われており、1台がゲーム本体のレンダリング、もう1台がDLSS 5のニューラルレンダリングパスを担当するという構成だった。

使用されたゲームタイトルはResident Evil Requiem(バイオハザード レクイエム)・Starfield・アサシン クリード シャドウズなど複数にわたる。

デモ映像には事前にCapcomへの告知がなかったことがInsider Gamingの取材で判明しており、CapcomのデベロッパーたちはNVIDIAの発表と同時に初めてこの事実を知ったとされている。

NVIDIAのジェンスン・ファン CEOはGTC 2026のプレスQ&Aで批判者に対し「完全に間違っている」と反論し、「ゲーム開発者がジオメトリとテクスチャの制御を完全に持っている」と述べた。

「これはポストプロセスではない。フレームレベルのポストプロセスでもない。ジオメトリレベルでの生成的なコントロールだ。だからニューラルレンダリングと呼ぶ」ともコメントした。

DLSS 5は2026年秋のリリースが予定されている。

ゲーマーとデベロッパーの反応

DLSS 5の発表動画はYouTubeで170万回超の視聴を記録する一方、高評価は16,000件に対し批判的なコメントが23,000件以上という異例の比率となっている。

Respawnのレンダリングエンジニアであるスティーブ・カロルウィクス氏は「DLSSはコントラスト・シャープネス・エアブラシが過剰な一種のフィルター。本来のアーティスティックな意図を維持したい」と批判した。

コンセプトアーティストのジェフ・タルボット氏は「ゲームが向かうべき方向ではない。どのショットも元の作品より劣化してキャラクター性が失われている。これはゴミのようなAIフィルターだ」と強く非難した。

インディーデベロッパーのラミ・イスマイル氏は「以前のDLSSバージョンは少なくとも誰かが求めていたニーズを満たしていたが、DLSS 5は誰も求めていなかった技術だ」とコメントした。

Hardware Unboxedは「NVIDIAはDLSS 5がゲームの独自スタイルを維持するための開発者コントロールを提供すると言っているが、デモのサンプルを見ればゲームのアーティスティックスタイルが完全に変わっている」と指摘した。

PhysXとの歴史的類似点

2008年、NVIDIAは物理演算エンジン開発会社AgeiaをPhysXとともに買収し、次世代の物理演算技術をゲームにもたらすと約束した。

しかしPhysXはAMD製GPUを搭載したシステムでは動作しない設計となっており、NVIDIAはAMDカードが主要GPUとして検出された場合にPhysX用のセカンダリNVIDIAカードの使用すら意図的にブロックしていたことが後に判明している。

当時はPhysX専用カードを別途搭載するという運用形態が一般的であり、これはDLSS 5のデモ環境(RTX 5090×2台構成)と構造的に類似している。

PhysXは2010年代後半に急速に衰退し、HavokなどのオープンなエンジンにAMD・NVIDIA問わず対応した競合物理エンジンに取って代わられた。

NVIDIAは2018年にPhysXをオープンソース化し、実質的に開発の主導権を手放した。

RTX5000シリーズでは32ビットCUDAアプリケーションのサポートが廃止されたことにより32ビット版PhysXがGPUで動作しなくなり、ゲームコミュニティから批判を受けた。NVIDIAはその後、一部対応を復活させている。

過去にはGeForce Partner Program(ジーフォースパートナープログラム)と呼ばれる、AIB(ボードベンダー)にNVIDIA製品の優遇販売を強制するとして批判を受けた施策も存在し、ユーザーコミュニティの強い反発を受けて廃止された。

DLSS 5がDLSSの名を冠し、リアルタイム処理を採用する理由

Moore's Law is Dead(MLID)のホスト・マット氏はYouTube動画(https://www.youtube.com/watch?v=HiDxiLgnJ-Y)内で次の2点を問いかけている。

第一の問い:なぜNVIDIAはこの技術を「DLSS」と呼ぶのか。「RTX Remix 2」のような別名ではなぜ駄目なのか。

第二の問い:なぜこの技術はリアルタイムで動作する必要があるのか。ゲーム出荷前のアセット処理ツールとして提供すれば、デベロッパーが結果を精査・採否決定でき、ゲームプレイ時にNVIDIAカードも不要になるはずではないか。

マット氏はこれら両方の問いに対し、同一の答えが存在すると指摘する。

「NVIDIAカードを必要とするために、DLSS(という名前)が必要で、リアルタイム処理が必要なのだ」——これがマット氏の結論だ。

1台がゲームレンダリング用、もう1台がAIニューラルレンダリングパス用として接続された2枚の高性能GPUを示す概念図

NVIDIAの戦略的背景とAMDへの提言

マット氏はNVIDIAがAIビジネスへシフトしている現状も指摘する。

RTX5090がコンシューマー向け3,000〜4,000ドルで販売される一方、プロ市場では同様のシリコンが1万ドルで売れるため、次世代RTX6000シリーズではAI向けシリコン比率が更に増加し、ラスタライゼーション・レイトレーシング向けのトランジスタ割り当てが減少する可能性があるとしている。

さらにマット氏は、Microsoftが公式に確認したとするAMDのRDNA5フラッグシップに関する情報として、複数チップレット構成・大量のコンピュートユニットによる大幅な性能向上と、レイトレーシング性能の約4〜6倍向上の可能性を挙げた。

またRTX6000シリーズが2028年まで遅延するという噂に言及し、その場合NVIDIAはラスタおよびレイトレーシング性能でAMDに追い詰められる可能性があると分析した。

AMDへの提言として、マット氏はFSR(FidelityFX Super Resolution)5の「パフォーマンスモード」において画質を若干犠牲にしてフレームレートを大幅に向上させる方向性を推奨している。

「NVIDIAがRTX 5090×2台でニューラルレンダリングを訴求する一方で、AMDは『AIスロップなし・本物のフレームを倍増させる』という対比軸で差別化できる」というのがマット氏の主張だ。

■解説

この動画でマット氏が言っていることは要するに「DLSS 5はPhysXと同じトロイの木馬だ」ということですね。

PhysXの歴史を知っている人間には刺さる分析です。

PhysXは物理演算という「本来ゲームプレイに関わる技術」にNVIDIAのロックインをかけようとしたが、AMDユーザーを排除したことで開発者コミュニティが採用を避け、HavokやBulletに逃げられた。

DLSS 5は今度は「ビジュアルそのもの」にロックインをかけようとしている。

より本質的で、より広範囲に影響する分、成功すれば効果はPhysXの比ではありません。

個人的に注目しているのは「RTX 5090×2台でリアルタイム処理」という要件の意味です。

2台で8,000ドル超の環境でしか現在動かないわけですが、PhysX専用カード時代も最初は「別途カードが必要」という形から始まって、最終的にNVIDIA GPUに統合された。

DLSS 5も最初は2台構成、将来の世代では1台で完結するという道筋を辿る可能性があります。

ジェンスン氏が「開発者はアーティスティックコントロールを持っている」と言い続けている点については正直懐疑的です。

CapcomはNVIDIAから事前に何の連絡もなく、発表と同時に自社のゲームがDLSS 5のデモに使われていることを知ったとされています。

「コントロールはデベロッパーにある」と言いながら、発表時に当事者への事前告知すらなかったというのは矛盾していますよね。

AMDへの提言として「FSR 5パフォーマンスモードで本物のフレームを倍増させる」という方向性は面白いと思います。

NVIDIAが「フレームレートを下げながらフェイクフレームで補完する」方向に進む中で、AMDが「本物のフレームをとにかく増やす」という軸で戦えれば明確な差別化になる。

もっとも、AMDには現状でFSR 4をRDNA3に提供していないという問題が先にあります。

新しいモードを追加する前に、既存ユーザーへの対応を先に済ませてほしいというのが正直なところです。

NVIDIAがPhysXで失敗した最大の理由は「AMDユーザーを締め出したことで開発者が採用を敬遠した」ことでした。

DLSS 5が同じ轍を踏むかどうかは、ゲーマーとデベロッパーの抵抗がどこまで続くかにかかっています。

今回の批判の波がGeForce Partner Program廃止のときのように圧力として機能するかどうか、注目していきたいところです。

 

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