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Intel、AMD並みのデスクトップ向けソケットの長期サポートを実現、複数世代のCPUに対応へ

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Intel デスクトップCPUソケットの世代変遷を示す図

■事実

IntelがLGA1954ソケットの複数世代対応を示唆

IntelのVP兼エンスージアストチャンネルGMであるロバート・ハロック氏が、Club386とのインタビューの中で、将来のIntelデスクトップソケットが複数世代のCPUをサポートする可能性を肯定した。

「そうなると思う。それだけだ——そう思っている」とハロック氏はシンプルに答えた。

ハロック氏はさらに「私たちのチームは全員、自分でPCを組み、そのPCでゲームをするPCビルダーであり、エンスージアストだ。以前のIntelでは必ずしもそうではなかった」と述べ、ゲーミングCPU部門において新しいプロダクトマネジメント、ビジネス、マーケティング、エンジニアリングの各チームが組成されたことを強調した。

「私たちはユーザーからのフィードバックを無視していない。それを6ヶ月、1年、3年というスパンで製品に反映させている」ともコメントした。

ハロック氏は具体的なソケット名や対応世代数については言及しなかった。

Intelは今後登場するNova Lake(ノバレイク)デスクトップCPUを2026年内に発売することをすでに公式確認している。

リーク情報によれば、Nova LakeデスクトップCPUには新たにLGA1954ソケットが採用される見込みで、チップセットはZ990・Z970・B960などの900シリーズとなる。

LGA1954は現行のLGA1851(Arrow Lake向け)の後継として2026年後半に登場する予定だ。

ソケットのピン数はLGA1851の1,851ピンから1,954ピンへと増加するが、物理的な寸法(45mm×37.5mm)はLGA1700・LGA1851と同一のため、既存のCPUクーラーが流用できる可能性が高い。

ただし、マザーボード本体の互換性はなく、Nova Lakeへの移行には新しいマザーボードの購入が必要となる。

噂では、LGA1954はNova Lakeに続いてRazer Lake・Titan Lake・Hammer Lakeの最大4世代をサポートする可能性があるとされており、Noctuaをはじめとした一部クーラーメーカーはすでに将来のIntelソケットへの対応を前提にした製品展開を進めている。

AMDとの比較:ソケット長寿命化の差

AMDは2017年にAM4ソケットを導入して以来、Zen・Zen+・Zen 2・Zen 3と複数世代の完全に異なるアーキテクチャをサポートし続けた。

3D V-CacheをもつRyzen 5000X3Dシリーズまで含めると、AM4は実に9年間・8CPUファミリーにわたって維持されたことになる。

AMD AM5も2022年の導入以来Zen 4・Zen 5に加えてZen 6(2026〜2027年予定)まで対応する見通しで、AMD自身が2027年以降のAM5継続を公式に示している。

一方Intelは同じ期間に、LGA1151(2世代)・LGA1200・LGA1700(3世代)・LGA1851と4つのソケットを経てきた。

LGA1851はArrow Lake(Core Ultra 200シリーズ)および限定的なArrow Lake Refreshのみをサポートして終了する見込みで、実質1アーキテクチャで廃止となる。

今年後半に登場するLGA1954はIntelにとって5代目のデスクトップソケットとなる。

なお、ロバート・ハロック氏はIntel移籍以前はAMD在籍時にAM4の長寿命化戦略を推進した当事者であり、AM5についてもその方針の継続を訴えてきた人物だ。

Nova LakeのCPUスペック概要

Nova LakeはIntelが「Coyote Cove(コヨーテコーブ)」と呼ぶPコアと「Arctic Wolf(アークティックウルフ)」と呼ぶEコア、さらに超低消費電力のLPEコアを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用する。

フラッグシップモデルではPコア16基・Eコア32基・LPEコア4基の合計52コアに達するとされている。

キャッシュ構成においてはAMDの3D V-Cacheに対するIntelからの回答となるbLLC(big Last Level Cache)技術を採用し、最上位構成では最大288MBのキャッシュを搭載する見込みだ。

bLLCはAMDのX3Dとは異なり積層方式ではなくベースダイ上にキャッシュを搭載する方式で、熱特性やクロック維持の面で異なるトレードオフを持つとされている。

メモリはDDR5をネイティブサポートし、PCIe Gen 5.0に対応する。

CPU世代プロセスPコア / Eコア最大コア数ソケットメモリ発売
Alder Lake(第12世代)Intel 7Golden Cove / Gracemont16コアLGA1700DDR5/DDR42021年
Raptor Lake(第13世代)Intel 7Raptor Cove / Gracemont24コアLGA1700DDR5/DDR42022年
Raptor Lake Refresh(第14世代)Intel 7Raptor Cove / Gracemont24コアLGA1700DDR5/DDR42023年
Arrow Lake(Core Ultra 200)TSMC N3BLion Cove / Skymont24コアLGA1851DDR52024年
Arrow Lake Refresh(Core Ultra 200)TSMC N3BLion Cove / Skymont24コアLGA1851DDR52025年
Nova Lake(Core Ultra 400?)未定Coyote Cove / Arctic Wolf52コア?LGA1954DDR52026年
Razer Lake(Core Ultra 500?)未定未定未定LGA1954?未定2027年?
Titan Lake(Core Ultra 600?)未定未定未定LGA1954?未定2028年?
Hammer Lake(Core Ultra 700?)未定未定未定LGA1954?未定2029年?

※「?」付き項目はリーク・噂情報であり未確認

■解説

「今のIntelは以前とは違う」とロバート・ハロック氏は言っています。

このロバート・ハロック氏、元々はAMDでAM4ソケットの長寿命化を推進してきた当事者なんですよね。

AMDのAM4長寿命化の文化を育てた人物が、今度はIntelに移籍してソケット長寿命化を訴えているというのは皮肉というか、なかなか面白い構図です。

ただ今回の発言はあくまで「個人的にそうなると思う」という見解の表明であり、Intelとしての公式コミットメントではない点は注意が必要です。

IntelはLGA1851を実質1アーキテクチャで終了させるという、ソケット短命化の悪例を直前にやらかしています。

LGA1700は3世代対応でしたが、実態は同一アーキテクチャのリフレッシュを繰り返しただけで、AMDのように完全に異なるアーキテクチャを同一ソケットで継続してサポートしたわけではありません。

AMDのAM4が9年間・8CPUファミリーをサポートし、しかも途中で3D V-CacheというゲームチェンジャーをAM4上で投入してきたのとは根本的に意味合いが違います。

Nova Lakeのスペックは本物であればかなり強力で、52コア・最大288MBのbLLCキャッシュはAMDの3D V-Cacheに対するIntelなりの回答として、数値の上では見応えのある内容です。

問題はそれが現実になるかどうかです。

IntelはRaptor Lake不具合問題、Arrow Lakeの期待外れのゲーミング性能と、デスクトップCPU部門での失態が続いています。

さらにArc B770のキャンセルに象徴されるように、GPU部門も含めて会社全体の業績悪化が続いており、Nova Lakeの開発リソースが十分に確保できるかという懸念もあります。

「ソケットを長持ちさせます」という約束は言葉にするのは簡単ですが、実行するには技術的・組織的な継続性が必要です。

しかし個人的には、ハロック氏の言葉には一定の重みがあると思っています。

AMD時代に彼が推進したAM4の長寿命化は、単なる約束ではなく実際に9年間という結果を残した。

それを知ったうえで彼が「I do」と言っているのであれば、Intelの内部で何かが変わろうとしているというシグナルとして受け取ることもできます。

ただし、言葉が結果になるかどうかは最終的には2027年以降のRazer Lake対応可否を見て判断するしかありません。

AMDのAM5は依然として2027年以降のZen 6対応が確認されており、プラットフォームへの信頼感という意味でAMDが優位なのは変わりません。

IntelがLGA1954で有言実行を果たせるかどうか、注目していきたいと思います。

 

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