
AM5プラットフォーム向けRDNA 3.5ベースAPUに関する新たな情報がオンライン上に次々と登場しており、今回の情報からは、AMDが最大12コアのZen 5 APUをAM5向けにリリースする可能性があることが示唆されています。
AGESA BIOS 1.2.7.0ファームウェアにより、AMDがAM5向けにStrix Point APUをリリースし、デスクトップ向けに12コア/24スレッドのAPUを提供する可能性があることが判明
つい先日、AGESA BIOS 1.2.7.0がAM5プラットフォーム上のAMD Krackan Point APUをサポートする準備を進めているという記事を掲載しましたが、多くのユーザーはAMDがより高性能なStrix Point APUファミリーをデスクトップ向けに投入することを期待していました。
Krackan PointはCPU性能もグラフィック性能もStrix Pointチップには及ばず、ゲーミング向けとしてはエントリーレベルのRDNA 3.5ベースiGPUしか搭載していないため、ゲーミングニーズを満たすには不十分です。

Strix Pointに搭載されているフラッグシップモデルのRadeon 890Mでさえ、最新ゲームで良好なパフォーマンスを維持するのは困難であり、デスクトップ向けでも同等の性能が得られないのであれば、Phoenix Pointファミリー(Ryzen 8000Gシリーズ)からの大幅な性能向上は期待できないでしょう。
幸いなことに、@9550proのような信頼できるリーカーの情報によると、AMDはStrix PointをAM5プラットフォーム向けにリリースする可能性が高いようです。

リーカーは自身の発見をX(旧Twitter)に投稿し、AMDが「STRIX」を準備していることを明らかにしました。
これは、AMDのBIOS/UEFIバイナリファイルの詳細を示すHexエディタのスクリーンショットからも確認できます。
別のユーザーである@xgfancz氏も、UEFIToolを使用してAGESA 1.2.0.3g/1.2.7.0ファームウェアの構造を示すスクリーンショットを投稿し、同様の内容を確認しました。
スクリーンショットには、Raphael(RPL)とPhoenix(PHX)に加え、「STX」という記述も見られます。
これは、AMD Strix PointがAM5プラットフォームに間もなく登場する可能性が高いことを強く示唆しています。
このような情報は今回が初めてではありません。今年の3月にも同様のレポートを掲載しており、Ryzen 9000G、すなわちZen 5アーキテクチャを採用したAPUが2025年第4四半期にリリースされると予測していました。
すでに第4四半期に入っており、Zen 5ベースのAPUは複数のバリエーションが登場する可能性が高く、最小で6コア/12スレッド、最大で12コア/24スレッドのSKUが含まれると予想されます。
AMD Ryzen 9000G APUのスペックに関する予測(暫定版)
| SKU | ファミリ | コア数/ スレッド数 | iGPU (RDNA 3.5) | TDP |
| Ryzen 5 9X00G | Krackan Point | 6/12 | Radeon 840M | 未定 |
| Ryzen 7 9X00G | Krackan Point | 8/16 | Radeon 860M | 未定 |
| Ryzen 9 9X00G | Strix Point | 10/20 | Radeon 880M | 未定 |
| Ryzen 9 9X00G | Strix Point | 12/24 | Radeon 890M | 未定 |
ソース:wccftech - AMD Strix Point Is Reportedly Coming To AM5, Reveals AGESA 1.2.7.0 Firmware
解説:
ついにStrix Pointのリテール版が発売か?
AMDが作成しているBIOSの元であるAGESA 1.2.0.3g/1.2.7.0ファームウェアに記述が見つかったようです。
まあ、大体ノートPC向けのAPUが発売されてから1-2年後に発売されるというのかこれまでのパターンでしたが、おおむねその法則の通りになるようです。
Strix Pointは高性能路線を突っ走ってダイサイズが大きくなり、ラインナップ中の扱いが難しくなってしまったモデルですので出るだけでも僥倖だと思います。
元記事最後の表を見ると、下位のモデルはKrackan Pointで上位のモデルのみStrix Pointということになっています。
カットダウンとは言え、下位のモデルにStrix Pointを出すのは難しいのでしょうね。
今後、ノートPC向けのMedusa Pointが出たとしてもデスクトップに降りてくるのは1-2年後なので、しばらくはStrix Pointで戦えるということになります。
※ ただし、自作市場に限る。
APUはNPUを内蔵するようになってから、微妙な可能性のある立ち位置になってきていると私は感じています。
もしローカルAIの実行において必要であるならばデスクトップにも内臓されてくる可能性はありますが、独立した単体のボードとしてNPUが出るならば、デスクトップよりノートPCのほうが相性が良くなるのではないかと個人的には考えています。
GPUにおけるAI利用に関してはもうNVIDIAにはかなわないと思いますので、グラフィック処理と切り離したNPUにより高効率のAI処理に力を入れていくのは正解の一つだと思います。
Intelもそちらの方に力を入れていますし、NPUやASICを使ったAI処理はどのメーカーが最初に覇を唱えることになるのでしょうか。
近年のNPUを搭載したAPUを見ていると、その可能性を感じることができるのではないかと思います。
デスクトップのAPUはNPUも搭載していますし、単体GPUを増設することもできます。
ローカルAIの処理において、多様な可能性を感じることができるプロセッサになるのではないでしょうか。
※ あくまでも現段階では感じるだけです。
尻切れトンボで終わるのか、巨大な市場を生み出すのかは未知数ですが、この辺り、AMDとIntelには頑張ってほしいところです。
理想で言えばROCmで現行の単体GPU/内臓GPUのほか、APU内臓のNPU、(出るとしたら)単体NPUのAI演算性能をすべて統一的に扱うことができるようになることを期待したいところです。
最近はROCmも加速度的に機能や完成度が上がっていますので、期待できるのではないかと思います。
私だったらThreadripperに巨大なNPUダイをぶち込んで、ワークステーション向けのAIプロセッサーとして発売しますかね(苦笑。