インテルのArc Alchemist A770デスクトップ・グラフィックス・カードが、再びGeek Bench OpenCLベンチマーク内にサプライズ登場しました。
Intel ARC A770 デスクトップ・ゲーミング・グラフィックス・カード、OpenCLベンチマーク内で発見され、512EU、2.4GHzで動作
IntelのフラッグシップGPUであるARC Alchemistの構成がGeekbench OpenCLベンチマークに掲載されるのは今回が初めてではありませんが、正式名称で掲載されるのは初めてであることは間違いありません。
Intel ARC A770グラフィックスカードは、2つのARC Alchemist GPUのうちフラッグシップとなるACM-G10 GPUをフル搭載したハイエンドゲーミンググラフィックスカードとなる予定である。
Intel ARC 7のラインナップには、フラッグシップGPUであるACM-G10が採用され、Arc A770MとArc A730Mといったモバイルバリエーションが既に判明しています。同様に、ARC A770は、デスクトップPC向けの最上位機種の1つで、ACM-G10のフル構成を備え、32 Xe-Core、4096 ALU、32 Ray Tracingユニットを利用する。
現在、Geekbenchでは正確なVRAM構成が記載されておらず、12.7GBと記載されているが、これは誤った情報なので、16GBのGDDR6である可能性が高い。
また、以前、フラッグシップグラフィックスカードはARC A780であると説明したが、ARC Aシリーズのローンチイベントで予告された限定モデルとしてA780を発売し、クロックに最適化したGPUモデルである可能性があります。
Intel ARC ACM-G10 vs NVIDIA GA104 & AMD Navi 22 GPU
グラフィック カード名 | Intel ARC A770? | NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti | AMD Radeon RX 6700 XT |
GPU名 | ACM-G10 | NVIDIA GA104 | AMD Navi 22 |
アーキテクチャー | Xe-HPG | Ampere | RDNA 2 |
製造プロセス | TSMC 6nm | Samsung 8nm | TSMC 7nm |
ダイサイズ | 406mm2 | 392mm2 | 335mm2 |
トランジスタ数 | 217億 | 174億 | 172億 |
トランジスタ 密度 | 5,340万 Transistors/ mm2 | 4,440万 Transistors/ mm2 | 5,120万 Transistors/ mm2 |
FP32演算 コア数 | 32 Xe Cores | 48 SM Units | 40 Compute Units |
FP32演算 ユニット数 | 4096 | 6144 | 2560 |
最大クロック | ~2400 MHz | 1770 MHz | 2581 MHz |
FP32演算性能 | ~20 TFLOPs | 21.75 TFLOPs | 13.21 TFLOPs |
メモリバス幅 | 256-bit | 256-bit | 192-bit |
メモリ容量 ・種類 | 16 GB GDDR6 | 8 GB GDDR6X | 12 GB GDDR6 |
発売時期 | 2022Q2 | 2021Q1 | 2021Q1 |
クロックに関しては、GPUは2.4GHzのピークブーストで動作し、宣伝されているエンジンのクロック速度よりも常に高くなるように設定されています。
2400MHzの場合、GPUは20TFLOPs近いFP32演算性能を提供できるはずです。
性能面では、インテル ARC Alchemist A770はOpenCLグラフィックスベンチマークで85585点と、ハイエンドグラフィックスカードとしては非常に低いスコアでしたが、これはグラフィックスドライバーがまだハイエンドパーツに最適化されていないために予想されることです。
エントリーレベルのACM-G11 GPUでさえ、まだドライバによって適切に最適化されていないので、今後数カ月で性能が改善されることが期待されます。
現状ではNVIDIA GeForce RTX 2070と同等であり、2022年の第2四半期末に発売される頃にはRTX 3070や6700 XTに迫る結果になると予想されます。
解説:
ARC A770のGeekbenchでの結果がリークして、GPUのクロックやOpenCLでの性能などが明らかになっています。
クロックは2.4GHzで思ったより速いですが、RX6700XTよりは遅いのでもう少し頑張って欲しかったところです。
FP32演算性能は20TFLOPSとなかなか良い数字をだしていますが、最近のGPUはAmpereとRDNA2で両極端でFP32演算性能がリニアにゲーム性能に反映されなくなってきているので、その点は注意してみていかないといけません。
ただし、FP32演算性能が速い方がゲーム以外のエンコードやレンダリングなどでも万能に強いGPUとは言えると思います。
A770と見られるGPUはどちらかと言うとAmpereよりの結果が出ています。
エンコードやレンダリングでもそれなりに高速であることが期待できる結果だと思います。
反面OpenCLの結果はあまり奮いません。
一世代前のTuringと同程度の結果になっています。
こちらはドライバがまだ成熟してないからという可能性も確かにありますが、それにしても低すぎるのではないかと思います。
久しぶりに出る新規のGPU製品ですので、ぜひともAlchemistには頑張って欲しいと思っています。
とにかく早く製品を出さないと次世代のGPUが出てしまいますよ、Intelさん。
次時代のTSMC5nmGPUが出るとゲームチェンジャーになってしまいますので、それだけで商品性の大半が失われてしまいます。
出てすぐに失速することはほぼ確定していますので、今は予定通りにキチンと発売することが肝心ではないかと思います。