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AMD次世代Ryzen「Olympic Ridge」、内蔵GPUを切ってNPUを得る——Zen 6デスクトップの大転換

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青とアンバーの光で浮かび上がる、ニューラルネットワークを思わせる配線パターンが刻まれた半導体ダイのマクロ撮影。

■事実

リーカーのGotou_kai3氏(X)が、AMD次期Zen 6世代デスクトップ向けプロセッサ「Olympic Ridge」の新情報を投稿しました。

Olympic RidgeはIOダイにNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を統合する一方、AM5プラットフォーム発売以来標準搭載されてきたRadeon内蔵GPU(2CU構成、Radeon 710M相当)を廃止すると報じられています。

標準(非APU)デスクトップRyzenへのNPU搭載は今回が初めてです。これまでAMDのNPUはRyzen AIシリーズ(モバイル)やRyzen Gシリーズ(APU)など、APU系製品のみに採用されてきました。

Olympic Ridgeは2027年投入予定。Zen 6アーキテクチャとTSMCの2nmクラスプロセス「N2P」を採用するとされています。

ソケットはAM5を継続するとの情報がありました。

CCD(コンピュートダイ)は新設計となり、最大12コア・L3キャッシュ48MBへ拡大する見込み(現行Zen5世代CCDは8コア・L3 32MB)です。

デュアルCCD構成により最大24コアSKUが登場する可能性があり、6・8・10・12・16・20・24コアという構成案が報じられています、

メモリ周りではCUDIMM(クロックドライバ内蔵DIMM)対応が追加される。DIMM基板上にクロックドライバを統合し、信号品質を高めて高クロックのDDR5動作を可能にする規格です。

USB4ネイティブコントローラーは今回も統合されない見込みで、現行AM5マザーボードと同様に外部コントローラーチップが必要になるとされています。

Olympic RidgeのNPU性能(TOPS値)について、現時点で具体的な数値は公表されていません。

競合のIntelは次世代デスクトップ向け「Nova Lake-S」(Core Ultra 400シリーズ)において、第6世代NPU「NPU6」により約74TOPSのAI性能を実現すると報じられています。内蔵GPU(Xe3アーキテクチャ、2コア構成)は維持される見込みです。

MicrosoftはCopilot+ PC認定基準としてNPU性能40TOPS以上を要件としています。

AMDのNPU性能は世代ごとに、Phoenix(2023年・モバイル)で約10TOPS、Hawk Point(2024年・モバイル)で約16TOPS、Strix Point/Ryzen AI 300シリーズ(2024年・モバイル、XDNA2アーキテクチャ)で約50〜55TOPSへと引き上げられてきました。

現行のAM5標準デスクトップRyzen(Ryzen 7000〜9000シリーズ)の内蔵GPUは、ゲーミング用途を想定したものではなく、ディスプレイ出力やオフィス用途、ディスクリートGPU故障時のトラブルシューティング用として位置づけられています。

AMDの旧AM4世代の標準デスクトップRyzenには、そもそも内蔵GPUが搭載されていませんでした。

今回の情報はリーカーMoore's Law Is Deadが過去に言及していた内容と一致する部分があり、Zen 6世代では最大6.5GHz動作という情報も合わせて報じられています。

AMD公式からの発表はまだなく、現時点では未確定のリーク情報です。

表:AMD・IntelのNPU性能と内蔵GPU有無——世代比較 (注:複数の英語記事・リーク情報を統合)

メーカーコードネーム(シリーズ)区分投入時期NPU性能(TOPS, INT8)内蔵GPU
AMDPhoenixモバイル2023年約10あり
AMDHawk Pointモバイル2024年約16あり
AMDStrix Point(Ryzen AI 300)モバイル2024年約50〜55あり(RDNA3.5)
AMDGranite Ridge(Ryzen 9000)デスクトップ(非APU)2024年NPUなしあり(2CU)
AMDOlympic Ridge(Zen6、噂)デスクトップ(非APU)2027年予定未公表なし(噂)
IntelArrow Lake-Sデスクトップ2024年約13あり(Xe2、4コア)
IntelLunar Lakeモバイル2024年約48あり
IntelNova Lake-S(噂)デスクトップ2026年後半予定約74(噂)あり(Xe3、2コア)

解説

今回の変更は「内蔵GPUを切ってNPUを積む」という、AMDとしてはかなり思い切った資源配分の判断だ。

対照的にIntelはNova Lake-Sで内蔵GPU(Xe3)を維持したままNPU性能を約74TOPSへ一気に引き上げる方向。「デスクトップにNPUを積む」という同じ流れでも、両社のシリコン資源の使い方は対照的だ。

AMDの非APU系デスクトップRyzenはAM4時代、そもそも内蔵GPUを搭載していなかった経緯がある。今回の内蔵GPU廃止は、ある意味で原点回帰とも言える。

ただAM4時代は単に「内蔵GPUが無い」だけだったのに対し、今回は同じ"無い"の代わりにNPUが入るあたり、AI時代らしい体裁の整え方だなと感じる。

実用面で気になるのは、ディスクリートGPUが故障・認識しない時の「保険」が失われる点。これまでの2CU内蔵GPUは性能的にゲームには使えなかったが、トラブルシュートやオフィス用途の最後の砦として機能していた。これがなくなると、グラボに何かあった瞬間に画面表示すら出ない状態に陥るリスクが増す。

NPU自体の使いどころは正直まだ限定的。現状のWindowsでのNPU活用は、ライブ字幕や背景ブラー、Recallといった軽量・低電力タスクが中心で、本格的な画像生成やLLM推論はディスクリートGPU側(CUDAやROCm)で処理されることが多い。つまり「AM5の自作勢」にとってNPUの恩恵は限定的になりがちで、Copilot+ PC認証という看板を得るための投資という側面が強い。

それでもAMDが非APU系にもNPUを広げる狙いは理解できる。Microsoftが定めるCopilot+ PCの認定ラインはNPU性能40TOPS以上で、これを満たさないと「AI PC」としての訴求ができない。標準デスクトップ向けにもNPUを積むことで、OEM各社がビジネスPCやAI PCのラインアップ全体をCopilot+対応に揃えやすくなる。

逆に言えば、内蔵GPUなしの非APU系Ryzenを安価なオフィスPCに使っていたOEMにとっては、表示出力の確保という新たな課題が生じる。安価な単体GPUを追加するか、APU系(Gシリーズ)に切り替えるか判断を迫られそうだ。

内蔵GPUがいなくなった分、グラボが壊れた時の"緊急救命室"は自分のジサクの腕にかかってくる時代になりそうだ。

まだあくまで未確定のリーク段階。とはいえCUDIMM対応や最大24コア構成といった情報と合わせて見ると、Zen 6世代でAMDがデスクトップRyzenの設計思想をかなり大胆に見直していることは伝わってくる。

 

現状のNPUの位置づけは非常に微妙だが、これからOSの側で利用が進むのだろうか?どうにもそういう未来があまり見えてこない。

私は以前、チャットでAIに指示する前の前処理に小型のLLMを動かすために有用と書いたが、そういう話もあまり出てきていない。

それもPCのOSの側での利用状況が不評だからという点が大きいだろう。

スマホだと内臓カメラがあり、画像のリアルタイムの加工においてAIの恩恵はそれなりにある。しかし、すべての機種にカメラか搭載されているとは限らないPCにおいて、NPUが活用されるシーンというのは限られる。

せっかくAI機能に対応してもWindowsのRacallの様にユーザーからの不評を買う機能もある。この辺りをどのように解決していくかでNPUの搭載が望まれるかどうかが決まる。

このGPUをオミットしてNPUを搭載するというリークを見ているとこのような疑問が頭をよぎる。

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