TSMCの次世代5ナノメートルN5Pシリコン製造ノードのWikiChip分析では、同社の最初の商用7 nmクラスのノードであるN7(7 nm DUV)と比較して、提供されるトランジスタ密度が84〜87%と大幅に増加していると推定しています。
TSMC自身の数値はわずかに控えめですが、レポートではトランジスタ密度が87%増加すると84%と推定されています。
TSMC N5Pノードは、今年後半に生産を開始する予定です。
その先駆者であるTSMC N5は今年初めにリスク生産を開始し、COVID-19パンデミックによって脱線しない限り、ノードでの生産は4月または5月に始まります。
N5Pノードは、N7の91.2 mTr /mm²と比較して、mm²ダイ面積あたり約1億7,130万トランジスタのトランジスタ密度を提供します。
Appleは、2020年にノードの最大の顧客になると予想されており、同社はその上にA14シリーズSoCを構築しています。
ソース:techpowerup - TSMC N5P 5nm Node Offers 84-87% Transistor Density Gain Over Current 7nm Node
解説:
N5の後継プロセスN5Pが今年後半に生産開始予定
初期の顧客はもちろんAppleのA14です。
N7とN5Pとの間には随分空いているように見えますが、こちらにはN7、N7P、N7+(EUV)、N6、N5、N5Pがありますので、それほど差があるわけではありません。
N7を基準とするとどのくらい性能が向上しているかは以下のようになります。
N7P・・・N7とIP互換性あり
※ N7との比較・・・同パワーで7%の性能向上及び、同速度で10%の省電力性
N7+(EUV)
※ N7との比較・・・同パワーで10%の性能向上及び、同速度で15%の省電力性
N6・・・N7とIP互換性あり
※ N7との比較・・・18%の密度向上、性能と省電力性の向上率は不明
N5
※ N7との比較・・・同パワーで15%の性能向上及び、同速度で30%の省電力性
N5P・・・N5とIP互換性あり
※ N5との比較・・・同パワーで7%の性能向上及び、同速度で15%の省電力性
N3・・・現在構築中
最後のN5PだけがN5との比較になっていることに注意してください。
上に挙げたプロセスのうち、現時点で立ち上げられていないのはN5Pと(おそらく)N6だけであり、そのN5Pも今年の末には立ち上がる予定になります。
もちろんですが、最初に使われるのはスマホのSoCですので、PCのパーツには立ち上がったのを確認してから使われるということになります。
これはイコール、その時になって「やっぱり駄目でした」ということは絶対に無いということになります。
Intelはすでに、これだけの大量生産が確定しているプロセスと戦っていかなくてはならないということになります。
現在N7相当のIntel10nmの立ち上げに苦労している状態です。
また、5nm相当のにIntel7nmを立ち上げ中(大量生産に入っていません)です。
さらにそれより上のTSMC3nmを構築中であり、早ければ2022年には立ち上がるといわれています。
これだけ見るとIntelのFab事業は本当に絶望的に見えます。