インテルMeteor Lake Xe-LPGグラフィックスは現在2.2GHzまでブースト可能
統合型グラフィックスの競争が激化している。
インテルは、今年後半の発売に向けてMeteor Lakeチップの準備の最終段階にある。
次期モバイルCore Ultraシリーズは、Redwood Cove(Core)とCrestmont(Atom)のハイブリッド設計を取り入れた、インテル4プロセス技術に基づく全く新しいアーキテクチャを導入する。
Golden Pig Upgradeのレポートによると、Meteor LakeのQS(Qualification Sample)は現在、20〜65Wの電力範囲で動作し、最大4.8GHzのブーストクロックを達成できる。
これは、Core i7-1370P(Raptor Lake)の5.0GHzブーストや現在提供されている製品には及ばないが、情報源は、新しいCore Ultra 9シリーズで5.0GHzを目指すことを示唆している。
完全なコンピュート・ダイは、6つのパフォーマンス・コア、8つのエフィシェント・コア、2つのローパワー・エフィシェント・コアで構成される。GPUサブシステムは、128個の実行ユニットまたは1024個のシェーディング・ユニット(FP32コア)を備えた8個のXeコアを搭載する。
これに2.2GHzのブーストクロックを組み合わせると、単精度演算能力は4.5TFLOPSとなり、Phoenix APUに採用されているRadeon 780M RDNA3 iGPUと比較してわずか5%の向上となる。
AMD Phoenix APUは、小型の携帯ゲーム機への搭載には成功しているが、ノートパソコンへの搭載は期待されたほど強力ではない。
とはいえ、このプラットフォームはAMDにとって新たな市場を可能にしており、理論的にはインテルが同じことをするのを妨げるものは何もない。
インテルがドライバをきちんとサポート出来れば、専用グラフィックスを必要としない選択肢が増えるかもしれない。
インテル&AMDモバイルCPU
Intel Meteor Lake | AMD Phoenix | |
製造プロセス | Intel 4 | TSMC N4 |
CPU アーキテクチャー | Redwood Cove + Crestmont | Zen4 |
GPU アーキテクチャー | Xe-LPG | RDNA3 |
最大 CPU クロック | 4.8 GHz (QS) | 5.2 GHz (7940HS) |
最大 GPU クロック | 2.2 GHz (QS) | 2.8 GHz (7940HS) |
最大 CPU コア数 | 6P + 8E + 2 LPE | 8C / 16T |
最大 GPU コア数 | 8 Xe Cores (128EU / 1024 FP32) | 12CU (768 SP) |
最大GPU 演算性能 | 4.5 TFLOPS | 4.3 TFLOPS |
発売時期 | 2023Q4 | 2023Q2 |
解説:
遂にIntelの内蔵GPUがAMDのAPUを超えた・・・が・・・。
私はMeteorLakeが携帯ゲーミングPCに多く採用されるとは思いません。
理由はいくつかありますが、
1.コストが安く出来るのかどうか不明
2.ドライバの安定性が担保されているのかどうか不明
3.PS5やXbox SXなど高性能内蔵GPUの豊富な採用実績
1.Intelはファミリ内でGPUを強化したモデルにかなり高い評価をしており、価格が高止まりするのが通常です。
また、ゲーム機のSoCはほぼすべてがAMDになっていますが、これはx86が搭載されるようになった初代XboxこそIntel製でしたが、後はほぼAMDに製になっているのはコストの引き下げに応じることができたのがAMDのみだったからと言われています。
つまり、IntleがOEMに対して安売りしてまでMeteorLakeを供給するのかどうかは不明です。
2.ARC A700シリーズを持っている方は痛感していると思いますが、ドライバの安定性と言うものは一朝一夕でどうにかなるものではありません。
単体GPUに求められるものと内蔵GPUに求められるものは違いますが、内蔵GPUが単体GPUの性能に近づいていけば、求められるものもまた変わってくるということです。
この辺で採用に二の足を踏むメーカーも出てくると思います。
3.PS5やXbox SXはコンソール市場での強力なライバル同士ですが、どちらもAMD製のSoCを採用しています。
こちらは技術的なものと言うよりはコスト的なものですが、それでも採用実績を誇るということは安定して動くという実績があるということです。
単に動くことと安定して動くということにどのような違いがあるかはARC A700シリーズの最初の頃を比べるとわかるのではないでしょうか。
以上の理由により、Meteorlakeが携帯ゲーミングPCでの採用と言うのはあまり広がらないと思いますし、採用した機種があっても高価になるのではないかと思います。
Eコア8コアに高性能GPUと言うのは面白いと思いますが、わざわざダイを設計してまでオーダーに応じるとは私は思わないです。
AMDも次世代のAPUは40CU2560SPのミドルレンジGPUを搭載するStrix Haloの噂が聞こえてきています。
Intelが次世代でこのStrix Halo相当のモデルを用意するならば、ミドルレンジ以下のGPUは昔のローエンドGPUのようにその居場所を徐々に奪われていくかもしれません。
数世代先は「ゲームは高性能な内蔵GPUを搭載したCPUでプレイするのが当たり前」「単体GPUは一部のエンスーユーザーのみの世界」となっているかもしれませんね。
Core Ultra 200Sシリーズ
ソケットLGA1851
Intel 第14世代Coreシリーズ
ソケットLGA1700
※ 末尾にFがついているモデルはGPUがありませんのでご注意ください。