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日本の小売店、GPU価格の上昇はまだ終わっていないと警告

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日本の家電量販店・PCショップの店内、グラフィックボードの陳列棚と値札を貼り替える店員の手を写した写真風カット

■事実

日本のPCショップ「アプライド」が、一部のグラフィックボードについて追加の値上げが予定されていると顧客に警告しました。

対象機種・値上げ幅の具体的な数字はアプライド側から明示されていません。

アプライド和歌山店のSNS投稿でも同様の警告が繰り返されました。

「アップグレードを検討している人は、後回しにせず早めの購入を」という趣旨のメッセージです。

この警告は、8月中に日本国内の複数の小売店が相次いでGPU価格を改定していた流れを受けたものでする

秋葉原の店舗はそれ以前、複数の価格帯にわたってグラフィックボードが約20〜30%値上がりすると警告していました。

9月5日時点の最新情報では、その値上げの大半はすでに店頭価格に反映済みとされます。

旧価格のまま残っている機種はごく一部で、その中にはメーカーが値上げ対象から除外したとみられるモデルも含まれています。

ソース:

  • https://videocardz.com/newz/japanese-retailer-warns-gpu-prices-have-not-finished-rising

解説

「値上げ予告→実際に反映される」というサイクルが2026年を通じて繰り返されており、今回のアプライドの警告もその延長線上にある一エピソードに過ぎない。

遡ると、8月にはCFD Sales(GIGABYTE正規代理店)がGIGABYTE製グラボの20〜40%値上げを発表し、未出荷の卸注文がキャンセルされる可能性にも言及していた。

ソフマップも同時期、RTX5070Tiやその他のRTX5000シリーズの入荷不安定化を理由に「買うなら急いで」と顧客に呼びかけていた。

秋葉原では2〜3割値上げという「噂」が先行し、実際にどこまで反映されるか不透明な期間が長く続いていた。「来月必ず3割上がる」と断定できる状況ではなかった点は筆者としても強調したい。

今回の「9月5日時点でおおむね反映済み」という情報は、あの噂ベースの警戒感が結果的にほぼ現実化したことを裏付ける材料と言える、

この一連の値上げの根本原因はGPU単体の話ではなく、DRAM・GDDRメモリの供給構造そのものにある。TrendForceの推計ではDRAM価格は2026年Q1に前四半期比90〜95%、Q2にも58〜63%という異例の連続高騰を記録している。

HBMとDDR5・GDDR7は同じDRAMウェハから製造されるため、メーカーはウェハをどちらに振り向けるか選ばなければならない。HBM1スタックの単価はDDR5モジュールの5〜10倍以上とされ、メーカーにとってHBMに回した方が利益が大きい。

結果として汎用メモリ(GDDR/DDR)の生産余力が構造的に細り、GPU基板パートナー(GIGABYTE、ASUSなど)のコストが押し上げられ、それが代理店経由で小売価格に転嫁される、という「AIデータセンター向け需要が一般消費者の財布を直撃する」構図がここでも繰り返されている。

高VRAM機種(16GB以上)ほど今後入荷が絞られやすいという過去の観測(2025年末の記事群)とも整合的で、今回の警告も「型落ち品から先に消える」パターンの一例とみられる。

「早めに買え」という警告自体は毎回のように出ているので、正直そろそろ“オオカミ少年”感が出てきてもおかしくないのだが、今回に限っては9月5日時点の実績が伴っているのが厄介なところ。

「待てば下がる」どころか「待った分だけ選択肢が消える」時代が、もう当分続きそうだ。

 

「そろそろ下がるのでは」という期待に対しては、残念ながら現時点の業界予測は厳しめ。TrendForceが2026年7月30日に公表した2027年見通しでは、DRAMは供給逼迫が継続する一方、NANDは供給緩和に向かうという真逆の動きになると予測されている。

2027年に稼働予定の新工場(Micronのアイダホ州ID1など)はあるものの、TrendForceは「半導体製造サイクルを考慮すると、実質的な生産量への寄与は2028年まで実現しないだろう」と明言している。

その理由は単純な増産の遅れだけではなく、HBMが通常のDRAMよりも多くのウエハー投入を必要とする構造そのものにある。ウエハー投入量を増やしても、HBM向けの比率が高い限りビット生産量は比例して伸びない。

業界関係者の声はさらに厳しい。Team GroupのGM、Gerry Chen氏は2025年12月時点で「コモディティメモリの供給は2026年初頭にさらに悪化する見込みで、新たな生産能力が出現する2027〜2028年まで正常化は見込めない」とコメントしている。

別の市場分析でも「DDR5の本格的な価格安定化は2027年以降」との見立てが示されており、複数の情報源が期せずして同じ「2027〜2028年」という時間軸に収束している点は、単なる楽観論・悲観論を超えて構造的な裏付けがあると見てよさそうだ。

DRAM業界は寡占(上位3社で約95%)かつ新規参入がほぼ不可能な市場構造であるため、通常の「価格が上がれば供給が増えて落ち着く」というメカニズムが働きにくいことも、今回の高止まりの長期化を後押ししている。

メモリ業界が過去(2023年のDRAM暴落による大赤字)から学んだ教訓は「増産して自分の首を絞めるな」であって、「消費者のために早く増産しろ」ではない、というのが今回の構図の身も蓋もないところ。

「待てば下がる」どころか、業界の言い分をそのまま信じるなら「あと1〜2年は待っても下がらない」というのが今のところの結論だ。

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