
AMDの次世代CPUアーキテクチャ「Zen 6」の命令セットアーキテクチャ(ISA)が、GCCコンパイラに追加された最新のサポート情報とともに明らかになりました。
最新のGCCコンパイラのサポートアップデートによると、AMD Zen 6 CPUコアはAVX512、VNNI INT8などをサポートする予定です。
GCCコンパイラには、「AMD znver6プロセッサのサポートを追加」と題された新しいパッチが適用され、これによりAMDの次世代Zen 6コアアーキテクチャのサポートが追加されました。
#AMD #Zen6 znver6 ISA:
- #AVX512_BMM (CPUID.80000021.EAX[23], VBMACOR16x16x16, VBMACXOR16x16x16, VBITREV)
- #AVX512_FP16
- #AVX_NE_CONVERT
- #AVX_IFMA
- #AVX_VNNI_INT8
Source:https://t.co/hmQSDXlHpD https://t.co/dsT9tpF9h1— InstLatX64 (@InstLatX64) November 8, 2025
このパッチには、Zen 6コアの初期ISA(命令セットアーキテクチャ)に関する情報も含まれており、具体的には以下の命令セットが含まれています。
- AVX512_FP16
- AVX_NE_CONVERT
- AVX_IFMA
- AVX_VNNI_INT8

AMDは既存のZenアーキテクチャで既にAVX512をサポートしていますが、AVX-512 FP16は将来のZenアーキテクチャの性能をさらに向上させるでしょう。
このアーキテクチャは、新しいISAの一部としてVNNI INT8もサポートします。
別の投稿で、@InstLatX64は新しいZen 6 CPU IDであるB80F00を発見しました。これは、複数のZen 6ファミリーのうちの1つを示していると考えられます。
現在、Zen 6はサーバー向けVeniceシリーズとして、ClassicとDenseの2つのモデルが予定されています。
Venice ClassicチップはSP7「B50F00」SKUとSP8「B90F00」SKU、Venice DenseチップはSP7「BC0F00」SKUとSP8「BA0F00」SKUを搭載しています。
ClassicラインはCCXあたり最大12コア、DenseラインはCCXあたり32コアを搭載します。
Veniceシリーズは最大256コアとなることが分かっているので、これは8つのCCXで構成され、Denseラインでは各CCXに128MBのL3キャッシュが搭載されるため、最大1024MBのL3キャッシュが利用可能になります。

さらに、Zen 6コアアーキテクチャを採用するクライアント向け製品ファミリーは少なくとも4種類存在します。
これには、最大24コア48スレッド(1CCXあたり12コア、48MB L3キャッシュ)を搭載するハイエンドのAM5「Olympic Ridge」に加え、Gator Range、Medusa Point、そしてMedusa Haloが含まれます。
MCM設計を採用するすべてのファミリーはTSMCのN2Pプロセスノードを利用する予定ですが、Medusa PointおよびGator Range APUラインのモノリシック設計の製品は、TSMCのN3P/N3Cノードを採用すると予想されています。
AMDの金融アナリスト向け説明会は数日後に開催されます。
Zen 6に関するいくつかの情報が発表される可能性はありますが、Zen 6 CPUの正式発表は2026年のCESから始まる来年になると予想されていますので、続報にご期待ください。
AMD Zen CPU/APU ロードマップ:
| Zen アーキテクチャー | Zen 7 | Zen 6C | Zen 6 | Zen 5 (C) | Zen 4 (C) | Zen 3+ | Zen 3 | Zen 2 | Zen+ | Zen 1 |
| Core コードネーム | 未公表 | Monarch | Morpheus | Nirvana (Zen 5) Prometheus (Zen 5C) | Persphone (Zen 4) Dionysus (Zen 4C) | Warhol | Cerebrus | Valhalla | Zen+ | Zen |
| CCD コードネーム | 未公表 | 未公表 | 未公表 | Eldora | Durango | 未確定 | Brekenridge | Aspen Highlands | N/A | N/A |
| 製造プロセス | 未公表 | 3nm/2nm? | 2nm/3nm | 3nm | 4nm | 6nm | 7nm | 7nm | 12nm | 14nm |
| サーバー | 未公表 | EPYC Venice (第6世代) | EPYC Venice (第6世代) | EPYC Turin (第5世代) | EPYC Genoa (第4世代) EPYC Siena (第4世代) EPYC Bergamo (第4世代) | N/A | EPYC Milan (第3世代) | EPYC Rome (第2世代) | N/A | EPYC Naples (第1世代) |
| ハイエンド デスクトップ | 未公表 | 未公表 | 未公表 | Ryzen Threadripper 9000 (Shamida Peak) | Ryzen Threadripper 7000 (Storm Peak) | N/A | Ryzen Threadripper 5000 (Chagal) | Ryzen Threadripper 3000 (Castle Peak) | Ryzen Threadripper 2000 (Coflax) | Ryzen Threadripper 1000 (White Haven) |
| メインストリーム デスクトップCPU | 未公表 | 未公表 | Ryzen **** (Olympic Ridge) | Ryzen 9000 (Granite Ridge) | Ryzen 7000 (Raphael) | Ryzen 6000 (Warhol / Cancelled) | Ryzen 5000 (Vermeer) | Ryzen 3000 (Matisse) | Ryzen 2000 (Pinnacle Ridge) | Ryzen 1000 (Summit Ridge) |
| エンスージアスト モバイルCPU | 未公表 | 未公表 | Ryzen **** (Gator Range) | Ryzen 9000HX (Fire Range) | Ryzen 7000HX (Dragon Range) | N/A | N/A | N/A | N/A | N/A |
| メインストリーム デスクトップ ・ノートPC APU | Ryzen AI 500 (Sound Wave)? | Ryzen AI 500 (未公表) | Ryzen AI 400 (Medusa Point / BB) | Ryzen AI 300 (Strix Point) Ryzen *** (Krackan Point) | Ryzen 7000 (Phoenix) | Ryzen 6000 (Rembrandt) | Ryzen 5000 (Cezanne) Ryzen 6000 (Barcelo) | Ryzen 4000 (Renoir) Ryzen 5000 (Lucienne) | Ryzen 3000 (Picasso) | Ryzen 2000 (Raven Ridge) |
| 省電力 モバイル | 未公表 | 未公表 | 未公表 | Ryzen *** (Escher) | Ryzen 7000 (Mendocino) | 未公表 | 未公表 | Ryzen 5000 (Van Gogh) Ryzen 6000 (Dragon Crest) | N/A | N/A |
ソース:wccftech - AMD Zen 6 CPU Core ISA Revealed: AVX512 FP16, VNNI INT8 & More
解説:
GCCコンパイラのパッチ内容からZen6の追加命令セットが明らかになったようです。
- AVX512_FP16
- AVX_NE_CONVERT
- AVX_IFMA
- AVX_VNNI_INT8
上の通り。
当サイトを読まれる方はほとんどがすでに知っておられると思いますが、AVX512(Advanced Vector Extensions 512)は512bitのレジスタを使って処理する命令群で並列計算の効率を大幅に向上させます。
AVX512_FP16はSapphire Rapidsなどの最近のプロセッサでサポートされるようになった命令です。
AVX512自体がAIやHPC演算を高速化するためのものですから、より現代的になったと解釈してもよいでしょう。
AVX_VNNI_INT8もAIに強い命令ですから、総じてAI時代にマッチした命令追加と考えてよさそうです。
また、同じリーカーの投稿からの表を見ると
- Olympic Ridge(AM5)
- Medusa Point(FP10)
- Medusa Point2(FP10)
- Medusa Point3(FP10)
- Medusa Halo(FP12)
- Gator Range(FL1)
と自作向けとモバイル向けにこれだけのダイがあることが示唆されています。
驚きなのはMedusa Haloという明らかにStrix Haloの後継が載っているところです。
やはりというか当然というか、ミドルクラスの内臓GPUを搭載して市場にインパクトを与えたStrix Haloの後継は準備されているようです。
Strix HaloのiGPUはIODに入っているだけにMedusa Haloがどのような仕様になるのかは興味深いところです。