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AMDもNVIDIAに続き値上げへ。GPUメモリキットを少なくとも10%値上げするとパートナーに通知

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GPUカードのシルエットとメモリチップのアイコン、右肩上がりの価格矢印を組み合わせたコンセプトアート。ロゴやブランド名は表示しない抽象的な技術系イラスト

■事実

AMDがGPU+メモリキットの供給価格を8月から少なくとも10%引き上げる方針を確定したと、AMDのサプライチェーン筋の情報として報じられました。

AMDは当初7月からの値上げを検討していたが、NVIDIAが先に値上げへ動くのを待つ形で実施を1か月延期したとされています。

対象はRDNA4世代のRadeon RX9000シリーズ(RX9070/RX9070 XT等)を含むGPUダイとメモリのセット価格で、AIB(Add-in-Board)パートナー各社に通知されました。

VRAM搭載量が多いSKUほど値上げ幅が10%を上回る可能性が高いとされています。

NVIDIAも2026年に入り複数回にわたりAIBパートナー向けのGPU+メモリキット価格を引き上げており、5月にはRTX5090/RTX5090D V2向けに約300ドルの値上げを実施しました。

2026年7月時点では、GDDR7搭載のRTX5000シリーズ全体と、GDDR6搭載の旧世代GeForce製品(復刻版RTX3060 12GB等)にも値上げ対象が拡大されたと報じられています。

台湾Economic Daily Newsの報道では、NVIDIAのキット価格引き上げ幅は約20〜30%との情報もあります。

値上げの主因はGDDR6/GDDR7メモリおよびDRAM価格の高騰。TrendForceは2026年第3四半期の標準DRAM契約価格が前四半期比13〜18%上昇すると予測しています。

AIサーバー向けの旺盛な需要がメモリ生産能力を圧迫しており、GDDR7の3GBモジュール価格はここ数ヶ月で高騰したと報じられています。

2024年末〜2025年末に締結されていた固定価格でのメモリ供給契約が順次終了し、GPUメーカーがスポット市場での価格変動の影響を直接受けるようになったことも背景にあります。

2026年2月、Radeon RX9000シリーズ(RX9070/RX9070 XT)の実売価格が15〜20%値下がりした局面がありました。

この値下がりは、AMDが生産量を意図的に絞って需給調整した結果ではなく、$800超まで吊り上がっていた実売価格にゲーマーが反応せず、売れ残った小売在庫を消化するための値引きだったとされています。

当時のSteamハードウェア調査ではRX9070の普及率は0.16%程度にとどまり、ドライバの不安定さやレイトレーシング性能の弱さも購入見送りの一因として指摘されていました。

なお2026年1月には、AMDがRX9070(無印)からRX9070 XTへ生産比率をシフトさせているとの報道があったが、これは無印モデルの供給を完全に絞るものではなく、両モデルのVRAM原価がほぼ同じ中で採算の良いXTへ生産配分を寄せる措置だったとされています。

その後、一部地域(ドイツ等)では2026年6月にRX9070がMSRPを割り込むところまで実売価格が落ち着いていたが、今回の8月値上げでその流れが再び逆行する可能性があります。

比較表

時期AMDNVIDIA
2026年1月Radeon価格を約10%引き上げ(GPU+メモリキット)
2026年2月AIB向けキット価格引き上げ開始
2026年5月RTX5090/RTX5090D V2のキット価格を約300ドル引き上げ
2026年7月値上げを検討も実施は見送り(NVIDIAの動き待ち)GDDR7搭載RTX5000シリーズ全体とGDDR6搭載旧世代製品にもキット値上げを拡大
2026年8月(予定)GPU+メモリキット価格を少なくとも10%値上げへ追随観測あり(時期未確定)

 

解説

AMDが値上げをNVIDIAより後出しにしたのは、典型的な「相手の出方を見てから動く」戦略。GPU2強の駆け引きらしいところが出ている。

結局この業界、どちらが先に値上げしても、もう一方も遅かれ早かれ追随するのがお約束になりつつある。

値上げの根本原因はAI需要によるメモリ逼迫であり、ゲーマー向けGPUはあくまで「巻き添え」を食っている構図。GPUの値札が上がっているのに、上がっている理由がGPU自体の性能とは無関係という歪さだ。

VRAM搭載量が多いSKUほど値上げ幅が大きくなる点は象徴的。以前から指摘している通り、帯域の問題は縮小した一方でVRAM容量の問題は依然として残っており、今回はその容量そのものがコスト増の火種になっている。

固定価格契約が順次切れてスポット市場に晒されるようになった結果、GPUメーカー自身も消費者と同じ「メモリ高騰の当事者」になっている点は見落とされがちだ。

GPU価格が上がるたびに「メモリのせい」と説明されるが、正直もうそのフレーズを聞くだけでお腹いっぱいという読者も多いのでは。

「待てば下がる」というPC自作の常識は今回もほぼ通用しない。むしろ次世代GPU登場までまだ1〜2年あるとされる中で、買い時を先延ばしにするほど損をする局面になっている。

値上げ発表のたびに「今回はどこまで上がるか」というスリルを味わわされるのは、正直もう勘弁してほしいところだ。

Radeonはこの半年、実は「安すぎて棚に残る」局面と「原価が上がって値上げせざるを得ない」局面を両方経験している。

RX9070/9070 XTは今年2月、$800超まで吊り上がった実売価格にゲーマーがそっぽを向き、売れ残った小売在庫を捌くために15〜20%の値引きが起きた。つまり「メモリ高騰→高値→需要離れ→値引き」という一度目の苦い経験がすでにある。

そこからようやく一部地域でMSRP割れするところまで実売価格が落ち着いてきた矢先に、今度はメモリの原価そのものが再び上がり、AMDはキット価格を10%引き上げざるを得なくなった。

つまり「一度は高すぎて売れなかった反省から値段がこなれてきたのに、原価高騰でまた値上げに逆戻り」という、Radeonにとっては二重に苦しい構図になっている。

これは需要を見ながら供給量をコントロールした結果ではなく、AMD側の意思とは関係なくメモリという原材料費が構造的に上がり続けているだけの話。AMDに打つ手があまりない点が、ある意味さらに苦しい。

値上がりの理由を説明するたびに「今回もメモリのせいです」としか言えない状況、Radeonの広報担当も相当お疲れなのでは。

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