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Claude Fable 5、PCB設計能力は限定的ながら、AIだけで作られたカスタム基板の実例が話題に

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作業机の上のカスタムPCB。はんだ付けされた部品と小型E Inkディスプレイモジュール、暖色系のデスクライト照明、AI設計を示唆する淡い青色のホログラム状回路パターンの重ね合わせ

■事実

Redditユーザー「a6m--zero」氏が、Claude Fable 5のみを使い回路図設計からソフトウェア実装まで一貫してPCB(プリント基板)を完成させたと報告しました。

本人が課したルールは「人間による手動編集・検証は一切行わない」「製造前に発生する全ての問題はFable 5自身に解決させる」の2点です。

先に試みたClaude Opus 4.5では、同様の完成には至りませんでした。

対象ボードはRaspberry Pi Pico 2350を中心に、物理ボタン4個、1.54インチE Inkディスプレイ、I2C接続、追加GPIOアクセスを備えるコンパクト設計です。

Fable 5は回路図作成・部品配置・配線(ルーティング)の各工程を担当したが、部品選定を誤る場面が複数回発生し、その都度修正のやり取りが必要でした。

完成したハードウェアはE Inkディスプレイに接続され、Album・E-Reader・Notes・Stopwatchの各機能が正常動作することを確認しています。

開始から完成までのAPI利用コストは450ドルです。

実際に組み立てたボード5枚の製造費用は合計約130ユーロ(約150ドル)です。

Anthropicは2025年12月12日付の公式ブログで、電子設計自動化(EDA)企業Diode Computersとの協業を発表済みでする

Diode Computersは、PCB回路図をコードとして記述するStarlarkベースの独自言語「Zener」と、KiCad連携ツール「pcb」を開発している企業でする

両社は約2週間で約250件のリファレンスデザインを自動生成し、単純な部品有無だけでなく「電源・グラウンド間に最低22μFの容量を確保」といった高度な要件までテストベンチで採点する検証を実施しました。

盲検比較評価では、Claude Sonnet 4.5がOpus 4.1に対し8/10の確率で選好され、Opus 4比60%対40%、Sonnet 4比82%対18%で優位という結果が出ています。

Claude Fable 5は2026年6月にAnthropicが公開したMythos級モデルで、2026年9月1日にはキャッシュ読み込みコストを75%削減した後継のFable 5.1が発表されています。

表・グラフについて

比較対象Sonnet 4.5の選好率
vs Opus 4.1約80%(8/10)
vs Opus 460%
vs Sonnet 482%

ソース:

解説

a6m--zero氏が課した「一切の手動修正なし」というルールは、実用性の検証というより「今のAIがどこまで一人でやり切れるか」を試す極端な耐久テストに近い。

最終的に動くボードは完成したものの、部品選定ミスの修正で何度もやり取りが発生している点から、まだ「一発で正解を出す」段階には程遠いことが分かる。

450ドルのAPI費用に対して、完成したボード自体は5枚で約150ドルという逆転現象は象徴的で、現時点でのAI設計はコスト面では明らかに割に合っていない。

 

興味深いのは、この個人の実験がほぼ同じ大きな流れの中で、Anthropicが公式に進めているEE(電気設計)領域への投資と地続きになっている点だ。

2025年12月時点でAnthropicは既にDiode Computersと組み、Zenerという専用言語や、自動生成したリファレンスデザインをテストベンチで定量評価する仕組みを整えていた。

つまり今回のRedditの「一人で完結させた」という話題性のある実験は、Anthropicが地道に積み上げてきた検証の延長線上で起きた、いわば非公式の実地テストのようなもの。

 

ただし今回作られたのはRaspberry Pi Pico周りの低電圧・低リスクな趣味用ボードであり、高電圧のクリアランス、RF(高周波)レイアウト、熱設計、量産時の部品調達代替、規制対応といった、経験に基づく工学的判断が必須な領域は一切含まれていない。

「低リスクな範囲でAIが一人称で完結できた」という成果を、そのまま実務の基板設計に外挿するのは早計。DFM(製造性設計)チェックの分野では、ルールチェックを通過したPCBが実際の組み立てやフィールド信頼性で問題を起こすケースは珍しくないと指摘されている。

 

2025年12月のAnthropic公式ベンチマーク(Sonnet 4.5がOpus系より高い確率で選好されたという「数字で語られた進歩」)が、2026年9月には「実際に手に取れる基板」という具体的な成果物に変わった、という意味で進捗が分かりやすく可視化された格好だ。

Fable 5.1(2026年9月1日発表)ではキャッシュコストが75%削減されているため、同じ実験を今やり直せば450ドルよりかなり安く済む可能性が高く、この手の「AIに一人称で設計させる」試みのハードルは今後さらに下がっていくと見られる。

 

人間のエンジニアが裏で手取り足取り部品を直してあげているのに「AIだけで作った」と胸を張るのは、子供の自由研究を手伝いすぎた親のような構図にも見える。

「AIだけで基板を作れる」という見出しの裏には、まだ人間が根気強く付き合わないと完成しないという現実がある。とはいえ、その根気の量が確実に減ってきているのも事実だろう。

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