中国の国産GPUメーカーであるLoongsonは、NVIDIAのRTX 2080に匹敵すると言われる9A2000グラフィックカードを準備している。
Loongsonは、将来的にNVIDIA RTX 2080相当の9A2000グラフィックスカードと、より高速な9A3000でGPUラインアップを拡大する予定だ。
ゲームやさまざまなワークロード向けの強力なGPUソリューションの開発に全力を尽くしているGPUの弱小企業がいくつかある。
中国のGPUメーカーであるLoongsonは、最近9A1000 GPUを発表し、RX 550と同等の性能を提供した。
同社は現在、9A1000より数倍高速な9A2000と呼ばれる全く新しいGPUをリリースしようとしている。
ITHomeによると、同社のボスであるHu Weiwu氏は、9A2000グラフィックカードはNVIDIAのGeForce RTX 2080グラフィックカードと同等のゲーム性能になると主張している。
RTX 2080は、ほぼすべての最新タイトルを1080pのウルトラ設定でかなり簡単にプレイできるため、これは9A1000の堅実なアップグレードのように見える。
9A2000は、9A1000の約8～10倍高速で、設計の最適化により電力効率も向上しているという。
同社は9A2000グラフィックカードの発売を計画しているだけでなく、9A3000のような、ラインナップの2番目のGPUよりも高速なGPUを発売する予定である。
開発の進捗状況はまだ分からないが、9A2000はより良いLoongson GPUへの道を開くことになるだろう。
次世代9A3000は、全く新しいプロセスノードを採用し、9A2000の基礎の上に構築されると予想され、シリコン面積を縮小し、既存のプロセスでの設計最適化を通じて消費電力を低減する。
また、9A2000は、中国のデベロッパーGame Scienceが制作したシングルプレイヤー・ゲームの中で最も人気のあるゲームの1つである『Black Myth: Wukong』をプレイできるようになるとも伝えられている。
現在のところ、同社はメインストリーム市場とサーバー市場の両方にプロセッサを提供している。
Loongsonは昨年、国内市場向けにLS3A6000 CPUの出荷を開始したが、これは第4世代シリーズの最初のCPUである。
同社はまた、8コア設計で第12世代インテルCPUに匹敵する性能を備えた次世代CPUを準備している。
インテルのAlderおよびRaptor Lakeチップに対抗するLoongson 3B6600オクタコアCPUが登場する。
これは、CPUとGPUの両部門において、Loongsonによる堅実な性能アップであるが、現時点では、ドライバのサポートがまだ不足している。
9A1000に関しては、DX12のサポートはないが、同社は近々このシリーズにDX12サポートを提供することを検討している。
ソース：wccftech - Loongson’s Upcoming 9A2000 Graphics Card Will Be On Par With NVIDIA’s RTX 2080
解説：
中国LongsoonのGPU 9A2000がRTX2080並みの性能に
旧製品に当たる9A1000はDX9時代のGPU並みの性能でニュースを見た時「どうしようもないものを作っているな」と思いましたが、あれから数年でRTX2080並の製品を出してくるのはちょっと驚きです。
次の製品で一線級の性能になってもおかしくはないと思います。
他社の後追いは非常に楽でこれだけ伸びていてもトップに迫るのは非常に難しいとおもいますが、驚きの進化です。
ただ、Longsoonを見るとIntelのARCがいかに優秀なのかは理解できると思います。
なにせDX12にもまだ対応していないドライバの完成度ということですから、先は長そうです。
中国国内向けの製品ですから、グローバル市場での評価というのはほとんどないと思いますが、一般に流通したとしたら、「GPUの形をした何か」「特急呪物」などと呼ばれるのではないでしょうか。
記事によるとLongsoonはAlderLake並みのCPU製品も準備しているようでこちらは期待が持てそうです。
それにしてもx86のみの世界だったマイクロソフトWindowsがARMを志向し、ARMに傾倒していた中国がx86の開発を続けているというのは何か皮肉な話です。