
■事実
RTX 5070 Ti SUPERはNVIDIA未発表のリーク案件であり、公式アナウンスは一切出ていません。
リークの初出は2025年4月(kopite7kimi)、以降Moore's Law is Dead・BenchLife・Uniko's Hardware等が続報しています。
GPUダイはGB203-350-A1と噂され、CUDAコア数は現行RTX 5070 Ti(GB203-300)と同じ8,960基です。
メモリはGDDR7が16GBから24GBへ50%増加、3GB/24Gbitモジュールを新たに採用する設計です。
メモリ帯域幅は896GB/sのまま変化はありません。(256bitバス・28Gbps速度とも現行機と同一)
TBP(総基板消費電力)は300Wから350Wへ、17%(50W)の増加が噂されています。
クロック速度の詳細は未確定。電力枠拡大により若干の上昇余地はあるとされています。
現行RTX 5070 TiのMSRPは749ドル(2025年2月発売)です。
SUPER版の価格リークは749〜799ドルのレンジで複数ソース間の見解が一致しています。
発売時期は繰り返し後ろ倒しされてきた:2025年Q4想定→2026年前半→2026年後半(Q3)→2026年内は絶望的→2027年CESが有力です。
遅延の主因として繰り返し挙げられるのが3GB GDDR7モジュールの供給不足です。
NVIDIAはGDDR7供給をRTX PRO・Rubin CPXなどAI/データセンター向け高マージン製品に優先配分していると報じられています。
2026年1月時点でRTX 50シリーズのAIC(基板パートナー)向け供給が15〜20%削減されたと報道しています。
2026年前半にはASUSがRTX 5070 Ti・RTX 5060 Ti 16GBをEOL(生産終了)ステータスと説明しています。
2026年7月7日、SeasonicのPSU計算機にRTX 5080 SUPER(415W)・RTX 5070 Ti SUPER(350W)の記載が再浮上しています。
AMDの次世代RDNA5も2027年後半〜2028年初頭へ後退との観測があり、競合圧力は低下しています。
NVIDIA次世代Rubinはデータセンター向けのみ公表済みで、コンシューマー版の投入時期は未定です。
スペック比較表
| 項目 | RTX 5070 Ti(現行) | RTX 5070 Ti SUPER(リーク) | RTX 5080 SUPER(リーク・参考) |
|---|---|---|---|
| GPUダイ | GB203-300 | GB203-350-A1 | GB203系フル |
| CUDAコア数 | 8,960 | 8,960(同一) | 10,752 |
| メモリ容量 | 16GB GDDR7 | 24GB GDDR7 | 24GB GDDR7 |
| メモリ速度 | 28Gbps | 28Gbps(同一) | 32Gbps(高速化) |
| メモリ帯域幅 | 896GB/s | 896GB/s(同一) | 未確定(高速化分は増加見込み) |
| バス幅 | 256bit | 256bit | 256bit |
| TBP | 300W | 350W | 415W |
| MSRP | $749(確定) | $749〜799(未確定・リーク) | $999〜1199(未確定・リーク) |
| 発売時期 | 2025年2月(確定) | CES2027説が有力(未確定) | CES2027説が有力(未確定) |
解説
まず前提として、これは「発表された新製品」ではなく「1年以上燻り続けているリーク案件」であることを強調すべきだ。
スペック変化点はメモリ容量のみで、CUDAコア数・帯域幅は現行RTX 5070 Tiと完全に同一。実質「VRAM増量版」という位置づけだ。
帯域幅が896GB/sのまま据え置きという点は重要な論点。ゲーミング用途では近年のL2キャッシュ拡大により帯域そのものの問題は相対的に軽くなっている一方、容量の問題は依然残っている、という構図をそのまま体現した製品と言える。今回のリークが「容量だけを増やす」設計に終始している事実は、この見立てを裏付けるものと言える。(※この帯域縮小に関する分析はゲーミング用途限定であり、AI推論用途ではキャッシュヒット率が崩れるため当てはまらない点は明記が必要)
遅延理由が単なる開発スケジュールの問題ではなく、構造的なメモリ供給制約である点を掘り下げたい。ゲーミング向けGPUがAI/データセンター向け製品に対して供給の優先順位で劣後する構図は、コンシューマー向けハードウェア全体に共通する問題だ。
HBMの再配分がDRAM全体を逼迫させている構造が、GDDR7というゲーミング特化メモリにも波及している形。正常化は2027〜2028年より前には見込みにくいという読み方と整合する。
価格面では749〜799ドルという比較的楽観的なリークが並ぶ。過去にはRTX 4070 Ti→4070 Ti SUPERで価格据え置きのままVRAM増量という前例があり、実現性がゼロとは言えない。ただし現在のメモリコスト高騰を踏まえると、据え置きには懐疑的な見方もあってよい。
AMDのRDNA5も後退しているため、NVIDIA側に急いで投入する競争上の動機が薄いという構造的事情も指摘したい。
1年以上前から「もうすぐ出る」と言われ続け、いまや都市伝説と化しつつあるSUPERシリーズ、というくらいの軽い自虐は入れてよさそう。
「SUPERが出るまで待つ」戦略を取っている間に、次のSUPERの噂が先に生まれていそうな勢い、というオチ。