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ドイツGPU市場、メモリ危機の価格ピークから後退——2月の120%から5月は112%へ

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価格グラフが下降していくデジタルアート。

■事実

3DCenter価格指数の概要

ドイツのPC専門メディア3DCenterが毎月、ドイツ・オーストリア市場の現行世代GPU実売価格を追跡しています。

基準値は2025年9月(=100%)。価格変動はこの水準との相対比で表されます。

2025年10月頃から始まった「RAMpocalypse(メモリ価格危機)」が引き金となり、GPUを含むPC部品全体で急騰が発生しました。

メモリ危機(RAMpocalypse)の背景

AI向けデータセンター需要の急増により、Samsung・SK hynix・MicronがDRAM生産ラインをHBM(High Bandwidth Memory)優先に再編、コンシューマー向けDDR5/GDDR供給が逼迫しています。

GDDR6およびGDDR7は同じ製造エコシステムを共有しており、DRAM不足の余波をそのまま受けました。

2025年末まで有効だった長期調達契約が切れた2026年初頭から、AIBはGDDR6/7を市場価格で購入せざるを得なくなり、GPU製品価格への転嫁が本格化しました。

2026年5月時点でも、ドイツ市場でのDDR5メモリ価格は2025年9月比で約4倍、SSD価格は約2倍の水準が続いています。

2026年の価格推移

2026年2月は現行世代GPU全体の平均価格が2025年9月比120%に到達——2026年内のピークでする

個別では最大53%の上昇を記録したモデルも存在し、一方で10〜30%台の上昇にとどまったモデルも多くなっています。

2026年3月から下落に転じたが、当初は一時的な価格調整とも見られていました。

4月にさらに下落、5月も続落し、2026年内最低水準を更新しています。

2026年5月現在は全GPU平均で112%(2025年9月比)。これは2026年内で最も低い水準であり、次いでで4月、1月の順です。

RTX5090を除外した場合は平均109%です。

個別GPUの動向(2025年9月比)

RTX5090:ピーク時+53%の騰落幅。現在も上昇を継続しており、€4,000の大台に接近中。競合不在のフラッグシップとして価格下落が起きにくい構造です。

RTX5060 Ti 16GB:最大+27%まで上昇。現在も+27%を維持しており、高VRAMモデルへの需要から下落が遅れています。

RTX5060 Ti 8GB:一時+15%程度まで上昇したが、現在は基準値を7%下回る水準まで下落しています。(-7%)

RTX5060 Ti 8GBと16GBの価格差:2025年9月時点では€75の差だったが、現在は€211にまで拡大——メモリ危機のVRAM容量への影響が数字で鮮明になっています。

RTX5060 8GB:ピーク時+13〜16%の上昇があったが、現在は2025年9月の水準に回帰しています。

RX9070 XT:ピーク時+33%まで上昇したが、現在は2025年9月の水準まで下落しています。

RX9070:現在は基準値を2%下回る(-2%)水準です。

RX9060 XT 16GB:ピーク時+33%から改善したが、現在もまだ+18%の水準で推移中。バジェット帯での需要の強さを反映されています。

RTX5070・RTX5070 Ti・RTX5080:5月にいずれも値下がりを記録しています。

市場構造の変化

価格下落の主因はメモリコストの改善ではなく、消費者の購買意欲低下(Kaufzurückhaltung)による在庫積み上がっています。

RTX4060(Ada Lovelace世代)がドイツ市場から事実上撤退。NVIDIAのAda Lovelace世代でドイツ市場に残る最後のモデルでした。

RX7800 XTも実質的に在庫のみとなり、RDNA3世代のドイツ市場からの退場が本格化しています。

元来OEM向けだった「Radeon RX9060」(non-XT)が、一部AIBによってリテール市場に投入されはじめました。

RTX3050(GA107コア)が突如大幅値下がりし、€240〜300から€190〜220へなっています。(理由は不明確)

解説

「値下がり」の実態

今回の価格下落は、消費者にとって朗報というより、AIBと小売業者にとっての損益悪化を意味し、仕入れ価格が高止まりしたまま在庫を持て余し、マージンを削りながら値下げを迫られている構造だ。

3DCenter(ドイツ語)は「二重の不況(doppelte Rezension)」と表現している——販売台数が落ちているうえに、価格まで下げなければ売れない。仕入れコストが上がったにもかかわらずだ。

この状況で価格指数が「112%まで下がった」という見出しは確かに事実だが、基準となる2025年9月自体がすでにメモリ危機の初動局面であり、その前年と比べれば価格水準はまだ高い。

VRAMプレミアムの可視化

RTX5060 Ti 8GBと16GBの価格差がわずか半年余りで€75から€211に拡大した事実は、「VRAMの容量差がどれほど市場価格に転嫁されているか」を如実に示す。

これはメモリ危機のGPU市場における最も直接的な影響。VRAM容量が多いほど、危機の影響をストレートに受けている。

RTX5090の例外性

RTX5090だけが価格上昇を続けているのは、競合がいないからに尽きる。フラッグシップ帯のユーザーは代替を持たないため、価格弾力性が低い。

€4,000という価格水準は普通の消費者の判断軸から外れており、「GPUの価格が下がった」という文脈でほぼ別次元の話として扱うのが適切だ。

需要崩壊の本質

ドイツ市場でGPU価格が下がっている真の理由は、PC全体の購買が止まっているから。DDR5が4倍、SSDが2倍の環境では、「GPUを買い替えよう」という動機が発生しにくくなっている。

GPU単体だけでなく、PCを構成するすべての部品が値上がりしている状況では、GPUだけ値下がりしても買い手が戻るわけではない、という3DCenterの見立ては説得力がある。

地域指標としてのドイツ市場の意味

ドイツはGeizhalsをはじめとした価格比較インフラが整備されており、欧州でも特に価格感度の高い市場。この市場での下落傾向は、欧州全体での先行指標として読むことができる。

ただし、この値下がり傾向が他地域に波及するかどうかは不確かであり、米国・日本などでは依然として異なる動きが見られる可能性がある。

 

「GPUが112%まで下がって良かった」というニュースの隣で、メモリは400%・SSDは200%の見出しが並んでいる——PC自作er的には、どこを喜べばいいのか少し悩むところだ。

「メモリ価格が下がらない限り、GPUの値下がりが消費者の財布に届く保証はない」——今回の動向はその構造問題を改めて浮き彫りにした。

メモリがあまりに高くなりすぎて、売れなくなったという構造は他のニュースでも耳にするようになった。今後もこの手の話は出てくるだろう。

GPU_Price_Germany_2026_4

個別GPU価格動向比較表(2025年9月比)

GPUメモリ容量2026年5月時点の対9月比備考
RTX509032GB GDDR7+53%以上(上昇継続)€4,000に接近、競合不在
RTX5060 Ti 16GB16GB GDDR7+27%高VRAM需要で下落遅れ
RX9060 XT 16GB16GB GDDR6+18%バジェット帯で需要強い
RTX508016GB GDDR7数%以内(改善中)5月に下落
RTX5070 Ti16GB GDDR7数%以内(改善中)5月に下落
RTX507012GB GDDR7数%以内(改善中)5月に下落
RX9070 XT16GB GDDR6±0%(基準値に回帰)ピーク時+33%
RTX5060 8GB8GB GDDR7±0%(基準値に回帰)ピーク時+13〜16%
RX907016GB GDDR6−2%(基準値を下回る)需要弱め
RTX5060 Ti 8GB8GB GDDR7−7%(基準値を下回る)8GB版の需要が低下

ソース:https://www.3dcenter.org/news/news-des-910-mai-2026

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