TSMCは2nm製造プロセスに取り組むOne Teamを結成した模様。
CNAとTorrentBusiness(via@DanNystedt)の報道によると、TSMCはN2(2nmクラス)プロセス技術のタイムリーな開発、試作、量産に特化した社内の「One Team」タスクフォースを結成した。
「One Team」アプローチは、2nmプロセスの開発と実装を効率化するために専門知識とリソースを結集し、統一された協調的な取り組みを示唆するものである。
TSMCは通常、最新の製造技術を1つのFabで試験的に立ち上げ、その後量産を開始するため、特別なタスクフォースを結成することは、やや常軌を逸している。
報道によると、今回は事情が異なる。
TSMCは、新竹にある2つのファブ(Baochanと高雄)で同時にN2プロセスのパイロット生産を開始する計画だ。
同社は、2024年に両拠点でパイロット生産を開始し、2025年に量産を開始する予定である。
TSMCは新竹近郊の特別研究開発センターでN2製造技術を開発している。
そのため、Fabは研究開発施設に近く、Fabのエンジニアが製造プロセスを開発したチームとコミュニケーションを取りやすくなっている。
一方、TSMCは「2nmプロジェクトをサポートする」ために、台中近郊のFab 15Aから300人、Fab 15Bから400人の従業員をFabに異動させると報じられている。
TorrentBusinessによると、TSMCは'N2 One Team'タスクフォースの設立を確認したが、その構造や具体的なプロジェクトに関する詳細情報の開示は控えたという。
ここで興味深いのは、同サイトがTSMCのN2について語る際、プロジェクトではなくプロジェクトに言及していることである。
世界No.1のファウンドリーは、2026年初頭にゲート全周囲ナノシートトランジスタを導入するN2、2027年初頭にバックサイドパワーデリバリーを追加するN2P、そしてこの10年後半に予定されている性能拡張のN2Xなど、複数の2nm級プロジェクトに取り組んでいる。
一方、報告書によると、N2は新竹サイトの2つの工場に導入される。
最先端のプロセス技術分野での競争が激化していることが、同社が戦略とリソースの顕著な転換を図っている重要な理由のひとつだろう。
一方、インテル・ファウンドリー・サービスは、TSMCより約2年早く、2nmおよび1.8nmクラスのプロセス技術を顧客に提供する予定だ。
これとは対照的に、サムスン・ファウンドリーは全般的に競争力を高めており、実績のあるノードでの生産契約を獲得する可能性がある。
TSMCが2nmへの取り組みを加速させるために特別なタスクフォースを編成するもう1つの潜在的な理由は、最新ノードの複雑性の高まりである。
新しいノードを導入するペースは、N7やN5に見られる2年から、N3では約3年へと拡大している。
TSMCのN2ノードの量産開始は2025年後半から2026年前半と予想されており、N3の量産開始から約3年が経過したことになる。
TSMCがN2の開発と実装をできる限り合理化したいと考えていることは明らかであり、特別なタスクフォースを結成することは理にかなっている。
しかし、パイロット生産とHVMを(隣接しているとはいえ)2つの工場で立ち上げることも重要な課題である。
ソース:Tom's Hardware - TSMC Forms Task Force to Accelerate 2nm Chip Production
解説:
TSMCが2nmの為のタスクチームを結成
今のところ、Intelに先を越され、サムスンは3nmの完成度を急速に高めているということも関係しているようです。
TSMCは急速に競争力を失っているように私は見えますが、それを解決するためと言うことですね。
今のところ日本のラピダスは名前すらも出てきていませんので、アウトオブ眼中と言ったところなのでしょう。
ぜひとも最先端Fab争いに名前が出てきてほしいところです。
TSMC2nmは2024年(来年)パイロット生産を開始し、2025年に量産開始するようです。