以前の記事でもお伝えしましたが、ついにTSMCが7nmの商用プロセス生産を開始しました。
実際、intelも10nmのCPUをすでに製造しているわけですが、こちらはあまりに性能が低すぎてとてもパフォーマンスを追及するというカテゴリーの製品は出せない状態です。
そうしている間についに台湾のTSMCが7nmの商用プロセス生産を開始してしまいました。
これで史上初、intelが他社に製造プロセスで抜かれたことになります。
正確に言うと上で挙げたような事情で違いますが、実質的にはそうだと言っても間違いではないでしょう。
台湾のTSMCはAMDの他、nVidiaやApple(iPhoneのCPU)などから生産を委託されています。
来年に予定されているRyzen3000シリーズはintelより優れた製造プロセスで生産されるのが確定的となりました。
また、機械学習向けのRadeon RX Vegaも7nmで予定されています。
こちらはTitan Vが購入できるようなリッチメンならば購入するチャンスはあるかもしれません。
但しnVidiaの機械学習向け製品であるVoltaを使ったTesla Vも当初単体では発売されず、一般発売は無いと言われていました。
その後、同じアーキテクチャの製品を使ったTitan Vが一般向け(?)に出ましたが、この流れを見ると発売当初は仮に入手が出来ても単体での製品ではない可能性もありますし、値段も一般人が簡単に手に入れられる価格とはならないでしょう。
TitanVの様に後から一般向け(?)に販売される可能性は0ではありませんが、今のところ7nm版Radeon RX VegaはAMDから一般向けの発売予定はないと言われています。
※ 性能的に言っても、2019年はGeforceGTX1100シリーズが発売されている可能性が高く、敢えて7nm版のRadeon RX Vegaを市場に出す意味はないです。この辺を考えてAMDも一般向けには発売しないのでしょう。
GPUではゲーム機のPS5に搭載される予定のNaviが生産予定です。
PS5に搭載されるのとは別にPCの向けのNaviも7nmで生産される予定となっています。
こちらもやや詳細な情報がすでに出ておりますので、着々と進んでいる物と思います。
対してintelのほうはTSMCの7nmと同程度の性能と言われている10nmの立ち上げにあと12-18か月はかかると言われています。
以前の記事でも書きましたが、10nmの製品であるCannonLakeは本来は2016年に予定されていた製品で、3年ほど予定より遅れることになります。
CannonLakeは「Core i3 8121U」としてすでに発売されていますが、デスクトップ向けの製品はスキップされてIceLakeが出るということになりそうです。
この話を聞くと90nmで爆熱と揶揄されたPentium4のPrescottを思い出しますが、それよりもずっと難産となっていますね。
ソース元の記事では配線材料に新しい素材を用いたために製造が難航しているとされています。
あまりに難航してているために製造プロセスを一から見直すことになったそうです。
そのため、しばらくは現行の14nm++で製品を作って凌ぐことになります。
すでに何度もお伝えしている通り、今のところデスクトップ向けとして予定されているのは8コア版CoffeeLake-Sのみということになります。
AMDのRyzen3000シリーズは大幅に改良されると言われており、12-16コアになりのでは?とも言われています。
シングルスレッド性能も向上するでしょうし、2019年はAMDのフラッグシップ製品が性能No1になるかもしれません。
まとめ - 現時点の情報で判断できること
8コア版CoffeeLake-SとZ390チップセット 2018年 9-11月頃
Ryzen3000シリーズ(7nm) 2019年
※ Ryzen2000シリーズ発売月である2019年4月の可能性が高い?
機械学習向けTSMC7nm版Radeon RX Vega(一般発売の予定なし) 2019年
Navi(7nm) AMDの次期GPU。PS5にも搭載予定。PC版はGTX1080程度の性能となり、2019年予定
Ryzen1000シリーズが発売されてからCPUは急速にマルチコア化が進んでいますが、今後もこの流れは進んでいくものと思います。
2018年後半からのハイエンドデスクトップは8コアが常識になるでしょう。
但し、8コア版CoffeeLake-Sはクロックが上げにくいことが予想されるので、動作クロックによっては6コア版の方がゲームに向いているとされる可能性もあります。
ソース:
ascii.jp - あと1年は10nm製品を投入しないと明言 インテル CPUロードマップ
digitimes - TSMC ramping up 7nm chip production
※ AMDのCPU・GPUの委託先に関してはソースによってGlobal Foundriesとtsmcと両方ありはっきりした表記がありませんでしたので、どちらで生産するかはっきりしませんでしたが含めてあります。