Intelは、AppleのMac用SOC「M1」の開発に携わったエンジニアを新たに獲得し、ブルーチームとして画期的なSOCを生み出す構えだ。
M1 SOCを設計したAppleのエンジニアが「画期的なSOCを作る」ためにIntelに雇われる
元AppleエンジニアでMacシステムアーキテクチャ担当ディレクターのジェフ・ウィルソン氏が、LinkedInのプロフィールで、Intelに入社し、Intelのエンジニアリングチームと協力して次世代SOCを開発すると発表しています。
SOCとは、別名システムオンチップと呼ばれ、CPU、GPU、IO、その他のIPを同一チップ上に搭載した完全なソリューションです。
インテルがよりハイブリッドなアーキテクチャアプローチを採用する中、SOC設計は、次世代プロセスやFORVEROS、EMIBなどの新技術を活用してクライアントやサーバ向けの次のコンピューティングソリューションを開発するチームブルーにとって完璧な選択と言えます。
M1、M1 Pro、M1 MaxのSOCとシステムによるApple SIliconへの移行を頂点として、私が在職中に達成したすべてのことは、信じられないほど素晴らしいことでした。
この度、インテル コーポレーションでインテル フェロー、デザイン・エンジニアリング・グループCTO、クライアントSoCアーキテクチャーとして新たなスタートを切りましたことをご報告いたします。インテルの素晴らしいチームと一緒に画期的なSOCの開発に携われることは、私にとってこれ以上ない喜びです。素晴らしいことが待っていますよ
ジェフ・ウィルソン、インテル デザイン・エンジニアリング・グループ CTO、クライアントSOCアーキテクチャー
Apple以前には、IntelでプリンシパルエンジニアおよびクライアントPCチップセットのリードアーキテクチャとして2010年から2013年まで、NVIDIAでプリンシパルアーキテクトとして2007年から2008年まで勤務した経験があります。
ジェフがIntelの次のプロジェクトとして何を手がけるかはわからないが、少し前に、有名で伝説的なチップアーキテクトであるジム・ケラーも、2018年から2020年の間にシリコンエンジニアリングのシニアVPとしてIntelに参加していたことは注目すべきことである。
ジムはAppleにも在籍し、AMDに移ってZenコアアーキテクチャを担当したこともある。
一流のエンジニアが何人もいるのだから、Intelは間違いなく今後数年間、コンシューマー向けのグッズをたくさん計画しているのだろう。
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先日、アリゾナのFab 42からIntelのMeteor Lake SOCのテストチップを見ることができましたが、その後にArrow Lake、Lunar Lake、Nova Lakeが来ることも分かっています。
これらはすべて、Appleの将来のMxやAMDのZenソリューションに対抗するための、ブルーチームのハイブリッドSOC設計の大きな一歩となりそうだ。
ソース:wccftech - Ex-Apple Engineer Who Designed The M1 SOC Lands at Intel To ‘Create Groundbreaking SOCs’
解説:
企業間競争が織りなす「仁義なき戦い」
AMDからGPUを作るために人を引き抜き、nVidiaからDLSSと同様の技術を作るために人を引き抜き、アップルからSoCを強化するために人を引き抜く。
金があったらどんなことでもやって良いのか?と思わせる一幕です。
しかし、残念ながら、守秘義務を課しても現行の法だと一度別の業界に就職すれば、また戻ってこれるということのようです。
何かを為すのはしょせん人です。
優秀な人材と言うのは限られていますから、一部のキーマンを引っ張ってくればそっくり同じようなものを作り上げることができます。
そう言うことなのですが、やはりIntelの行動を見ていると「えげつないなあ」と思わざるを得ません。
Intelファンの方にとってはこれは聖なる行いで、他社がやると悪逆非道、卑劣な行いなんですかね(苦笑。
「自社で出来なかったら出来る奴を連れてくればいい」プライドもへったくれもありませんし、身も蓋も無いですが、都合のいいときに都合よくプライドを捨て去ることが出来るスキルがこの世界で生き残るための最も重要なスキルなのかもしれません。
Core Ultra 200Sシリーズ
ソケットLGA1851
Intel 第14世代Coreシリーズ
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※ 末尾にFがついているモデルはGPUがありませんのでご注意ください。