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AMDはヨーロッパ、カナダのRX 5700 XTの記念版を結局提供する

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AMDは、a)Naviを搭載したRX 5700 XTの導入と同時に、より多くの国や市場でオンラインストアを立ち上げる計画を明らかにし、またはb)その他の国々用の限定版グラフィックスカードをコレクターが利用可能になったときの考え方の変化を示した。

 もともとは米国と中国でのみ発売されると報告されていたが、AMDの担当者(Redditでdprairie_AMDのハンドル名乗っている)は、同社が以前よりも多くの市場にリミテッドエディションのグラフィックスカードを投入することを明らかにした。

しかし、それはグローバルリリースではありません。

Redditからの声明を紹介します。

こんにちは、皆さん。

誰かがそういったからといって、それが真実であるとは限らないことは心にとめておいてください

そうしたこともあって、私たちは50周年記念版も以下の国々で利用できるようになると期待しています:

オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、およびイギリス。

申し訳ございませんが、現時点ではグローバルな提供は行っておりません。 私たちはあなたの欲望を聞いています。

チームは、より多くの地域/国への拡大に注力しながら、お客様を完全にサポートできるようにします。

ソース:techpowerup - AMD To Offer RX 5700 XT Anniversary Edition in Europe, Canada After All

解説:

当初は北米と中国のみでしか販売されないと噂されていたRadeon RX5700XT 50th anniversary editionですが、EUとカナダでも発売されるとのことです。

しかし、依然としてグローバル展開はしないとしており、日本はやはりここでもリストに上がっていません。

商売としてはあまりおいしくない市場ということなのでしょうが、少し寂しい感じがします。

こうした地域間競争でスケールメリットを出すためにEUは連合を組んだのでしょうから、面目躍如といったところです。

 

この話はこれ以上は特にありませんので、ここでnVidiaがなぜシャカリキになってRadeon RX5700シリーズに対抗するためラインナップを一新するのか少し考察してみます。

こうした記念エディションを発売するプロモーションを行っていますが、ラインナップ全体としてみると、Naviは記念盤を除くと2種類しかありません。

一つはカットダウンモデルですから、実質1種類のチップしかないといっても過言ではないでしょう。

Naviのスペックを考えると、GCNの特性を一部引きずっていることもあって、性能的にはかなり競争力があがりましたが、消費電力はかなり厳しいといわざるを得ないでしょう。

しかもRTXシリーズと違って、レイトレーシングやTensorコアにシリコンを割いているわけではありません。

ではなぜnVidiaはSUPERシリーズを出してまでラインナップを一新するのかです。

まず一つは価格政策上のミスがあったこと、マイニングブーム終了の打撃が予想より大きかったことなどが上げられると思います。

こちらは、nVidiaが決算見込みで過小に見積もっていたのではないかという憶測も出ているほどかなり影響が大きかったといわれています。

そして、2019年第一四半期の業績が芳しくなかったことですね。

他社も同様ならよかったのですが、AMDの単体GPUは微増となりました。

これは実際RX400/500シリーズの投げ売りがかなり影響していたと思います。

当サイトの読者さんの中にも、この時期にRX400/500シリーズを購入された方はそれなりの数いたのではないかと思います。

売り上げの性質としてはあまり良いとは言えませんが、数字上ではnVidia的にはかなり厳しい結果だったのではないかと思います。

日本は一度ブランドが確立すると逆転するのは極めて難しい市場です。

それは世界の他の市場と比較してもiPhoneが圧倒的に強いことから見てもわかるのではないかと思います。

そのためあまり実感がない方もいると思いますが、nVidia的にはやはりプラットフォームを持っているAMDが新製品を発売するのはかなり脅威と思っているのではないかと思います。

nVidiaは圧倒的な勝者とはいえ、PCパーツ関連事業ではGPUのみといういまとなっては異色のメーカーになってしまいました。

今はIoTやHPC、ディープラーニング向けの製品も販売していますが、ゲーミング用のGPUもそれなりのウェイトを占めています。

そのGPU事業が万が一にでもAMDに後れを取ることになれば、一大事ということになります。

Ryzen3000シリーズと同時に販売してマーケティング上のイメージを強化できるAMDと比較するとやはり弱い部分があるといわざるを得ません。

そういう危機感がSUPERシリーズの発売につながったのではないかと思います。

逆に言えばこうした危機感がnVidiaの躍進を支えてきたのかもしれません。

いずれにしてもnVidiaをここまで動かすRadeon RX5700シリーズがどのくらい受け入れられるかは興味深いところです。

 

AMDのGPU Radeonシリーズ

Radeon 7000シリーズ

 

Radeon RX 6000シリーズ

 

※ SAPPHIREはAMD Radeon専業のメーカーであり、Radeonのリファレンス的なメーカーです。

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