KingstonとLongsys、中国で組み込みストレージ製品を販売へ
メモリ・モジュールとストレージ・デバイスの小売で世界No.1のサプライヤーであるKingstonは、Longsys Electronicsと合弁会社を設立し、中国での事業を開始した。
この動きは、KingstonとLongsysの強みを融合させ、前者のリスクを低減させる。
また、この提携により、中国の小売メモリ市場によりよく対応することができ、米中間の緊張によって引き起こされる潜在的な問題を回避することができる。
取引条件では、Kingstonは合弁会社の49%の株式を保有し、Longsysは51%の株式で過半数を保有する。
合弁会社は完全なコーポレート・ガバナンスと経営能力を持つ独立企業として機能する。
合弁会社は、中国本土の顧客に「多様でハイエンドの組み込みストレージ・ソリューション」を提供することに重点を置く。
合弁会社は独自の製品企画、研究開発管理、サプライチェーン管理、販売を行う。一方、Longsysは研究開発と技術サポートを行い、Kingstonはコアリソースの調達とブランディングを担当する。
中国企業とジョイントベンチャーを設立することで、Kingstonは組み込みストレージを必要とする中国のほぼすべての企業と協業する門戸を開いた。
米国政府が中国を拠点とする企業を企業リストに掲載することに熱心であることを考えると、Kingstonは中国を拠点とする特定の顧客と直接取引を行わず、現地企業と提携してこれらの顧客を処理することで、時間と労力を節約することができます。
Kingstonは、ブランドのメモリモジュールとソリッドステートドライブの世界No.1サプライヤーである。
同社のラインナップには、組み込みストレージやメモリ製品も多数あるが、この領域で同社がどの程度成功しているかは何とも言えない。
この合弁事業は、米中間の政治的・ビジネス的緊張が続いていることへの対応である。
DigiTimesによると、これはアメリカのハイテク企業が中国での強さを維持するために地元企業と提携するという大きな流れを表しているという。
この提携はサプライチェーンにとっても朗報であり、Longsysと協力関係にあるPhison Electronicのような企業は、この契約から恩恵を受ける可能性が高い。
解説:
KingstonとLongsysが中国で合弁会社を設立
Lexarの親会社である中国企業のLongsysが世界最大の独立系メモリ企業であるKingstonと合弁会社を設立して米中の貿易摩擦に対応するようです。
現地企業と合弁会社を設立することによって中国企業との直接取引を避け、制裁を受ける可能性を回避するようですね。
アメリカの制裁はSecondary Sanctionと言って制裁リストに載っている企業と取引した第三国の企業にも制裁が課されるという制度で、一度取引禁止になるとアメリカ由来の技術が一切取り扱えなくなりますので非常に厳しい制裁と言えます。
こういう制裁の内容を考えるとやはり中国の企業と自社で直接取引するのは危険だと判断したのでしょう。
制裁を受けている企業が過半数の株を持っている子会社も対象になります。
そのため、元記事にもある通り、Kingstonは49%、Longsysは51%の株を保有とあります。