AMDは次世代Radeon GPUを搭載したハイエンド製品を発売しないとKeplerが報じた。
コードネームRDNA4と呼ばれるRX 8000は、NVIDIAのAda-Nextと並んで2025年に登場すると言われている。
複数の情報筋によると、AMDはPolarisやRDNA1と同様に、ハイエンドSKUスタックを廃止することを決定したという。
ハイエンドのRadeon RX 8000 GPUはない
業界で有名なリーカーであるKepler氏は、RDNA4ベースの最高級GPUは登場しないと主張している。
この状況は、Polaris、あるいはAMDのRX 500 / RX 400シリーズのミドルレンジ製品とRDNA1に匹敵する。
Navi4 lineup will not have any high-end GPUs
Think of it like RDNA1 or Polaris generation.
— Kepler (@Kepler_L2) August 4, 2023
RDNA4ベースのGPUは、Navi4Xシリーズをベースにしたものになるはずだ。
どうやら、最上位構成とされるNavi41チップは搭載されないようだ。
この主張の正当性について質問されたKeplerは、次のように答えた:
Heard from 3 sources.
— Kepler (@Kepler_L2) August 4, 2023
RDNA4が性能目標を達成すれば、計画は変更されるかもしれない。
そしてまた、AMDを止めているのは性能ではないのかもしれない。
これは単なる噂なので、割り引いて考えてほしい。
有効な戦略
AMDのRadeon RX 7900シリーズGPUは、NVIDIAのそれとは対照的に、ゲーマーにはまだ広く使われていない。
最近のSteamハードウェア・サーベイによれば、AMDのbは93位である。ほぼ60%高いRTX 4090は、より良い位置にいる(37位)。
AMDは、より安価であるにもかかわらず、ゲーマーにRadeonへの移行を納得させていない。
NVIDIAのソフトウェア・スタックはTuring以来成長を続けている。
AMDにはFSRのような代替手段があるが、NVIDIAに劣ることに変わりはなく、これは主観的な事実ではない。
NVIDIAはここ1年ほど、一貫して~75%の市場シェアを享受している。
Arcの導入により、AMDに残された市場シェアは減少する一方だろう。
だから、同社が格安セグメントに対応するのは理にかなっている。
ハロー製品を作るのは安くはなく、ユーザーが競合他社にもっとお金を払うことを望むなら、よりリスクが高くなる。
AMDは競争から身を引くわけではないが、その立場を再構築している。
最終的な結果は、消費者であるあなたにとってより良い製品です。
Turingの時と同じように、NVIDIAはパフォーマンスではなく、アーキテクチャ、ソフトウェア、その他に焦点を当てた。
これがフレーム生成、RTX I/O、VSRなどのベースラインだった。その上、AMDはハイエンド製品から手を引くだろう。
RX 8600 / 8700のような低予算セグメントからの選択肢は、より近づきやすい。もしあなたがAMDエンスージアストなら、AMDがハイエンドモデルに2xNavi42 GCDを搭載する可能性も十分にある。
この記事のほとんどは噂と憶測に過ぎないので、割り引いて考えてください。
さらなる情報が入り次第、この記事を更新していきます。
解説:
RX8000シリーズは最上位モデルが存在しない
Navi41は無い。
考えられる理由
RDNA4はTSMC3nm+TSMC5nmになると言われてきました。
しかし、世界最先端のFabであるTSMCにIntelが割り込み、nVIDIAが割り込み、AppleやQualcommも列を作っています。
これらの企業に資金で勝てるかと言われれば厳しいと言わざるを得ないでしょう。
かなり初期の噂ではZen5はTSMC3nmと言われてきましたが、最近の噂ではTSMC4nmになるとトーンダウンしています。
RDNA4はTSMC3nmが使えるのでしょうか?
一方、RTX5000シリーズはnVIDIA史上最大の性能飛躍になると言われています。
参考:うわさの話。NVIDIA RTX 5000シリーズ「Blackwell」GPUは、NVIDIA史上最大の性能の飛躍をもたらすだろう
Ampere (TFLOPS) | Ada Lovelace (TFLOPS) | Ada Lovelace /Ampere | Ada*2 (RTX5000?) | Ada*3 (RTX5000?) | RDNA3 | ||
RTX**90 | 40 | 82 | 2.05 | 162 | 246 | RX7900XTX | 61 |
RTX**80 | 29.8 | 49 | 1.64 | 98 | 147 | RX7900XT | 52 |
RTX**70 | 20.3 | 29.15 | 1.44 | 58.3 | 87.45 | RX7800XT | ? |
上はAmpereとAda Lovelaceの上位モデルのFP32演算性能と倍率、そして、Ada Lovelaceに2倍したものと3倍した結果(仮想RTX5000)です。
nVIDIA史上最大の性能飛躍になるというからには2倍ではないでしょう。2-3倍の間になると思われますが、今のAMDとnVIDIAの力関係から言っても最上位モデルが追いつけるレベルとは思えません。
無理してnVIDIAを追撃するよりは驚くほど高値で売れるAI/ML用のCDNAシリーズに力を入れた方がいいという判断なのかもしれません。
Raja氏が抜けた穴は大きかったのか?
RDNA3に対応するソフトウェアはFSR3にしてもROCmにしてもかなり遅れており、発売日と同時期に対応することは出来ませんでした。
Radeonの設計チームを率いてきたRaja氏はIntelに引き抜かれましたが、空いた穴を埋めることが出来ていないのではないでしょうか?
近年のAMDのソフトウェアの遅れを見ているとそんな印象を受けます。
ちょっとひどいですよね。
単なる憶測にすぎませんが、AMDがRDNA4はトップ争いから降りるという裏にはこのような事情があるのではないかと思います。
もし仮にRTX5000シリーズがRTX4000シリーズの3倍の性能だった場合、RX8900XTXがあったとしてRX7900XTXの性能の2倍だったとしてもRTX5080には勝てない計算です。
Radeonは終わってしまうのか?
ハイエンドが出なかったモデルと言えば、Polarisがありますが、この世代では中位から下位のPolarisと上位のVegaのハイローミックスでした
Vegaのゲーム性能がイマイチ振るわずにモデル末期ではかなりシェアを落としました。
今回、AI/ML用途のRadeon InstinctシリーズであるMI300が予定されていますが、APU+GPUと言う異色のシステムで、かなりAMDの開発リソースを食いそうだなあと感じました。
一方でPolarisやRDNA1のようにハイエンドが出なくなれば市場に存在感を示すことが出来ません。
結果シェアを落としてしまいましたが、RDNA4でまた同じことをして今後、生き残っていけるのでしょうか。
私はちょっと厳しいと感じてしまいました。
S3や3dfxがそうであったように、ゲーミングGPUはトップの性能争いについていけなくなったらいずれ製品が消滅していくのが常でした。
AMDの場合、APUがありますので製品のラインそのものがなくなってしまうことは無いと思います。
しかし、RDNA4でトップ争いから降りた場合、RDNA2のように再びトップ争いに加わることが出来るのでしょうか?
その疑念に私は大丈夫だという確信を持てません。