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TSMCが7nmプロセスの量産を開始

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TSMCが7nmプロセスの大量生産を開始したとアナウンスしたようです。

TSMCはCPUやGPUなどの半導体の生産を請け負っている世界的に有名な企業です。

nVidiaやAMD、クアルコムなどの企業はファブレスと言って工場を持たずに設計のみを行っています。

※ intelは工場を持っています。

こうすることによって製造に関するリスクや設備投資への負担やリスクを減らしています。

GeforceGTX1000シリーズやPlayStation4などに使われているチップはここで作られています。

AMDはGrobal Foundriesというところで製造を行っていますが、過去、一部の製品にはTSMCも使っていました。

7nmというのは半導体の最小配線幅で基本的にこの数字が小さくなればなるほど回路の密度が上がって同じサイズの半導体ならばより多くの回路を詰め込むことができ(コストが安くなる)、性能が向上し、さらに発熱も抑えられるというのが一般的な認識です。

※ 近年一部当てはまらない状況も出てきて、解決のために様々な技術が開発・使用されていますが、おおむねそのようになっていてると解釈してください。

AMDの最新の製品であるRyzen2000が12nmですので、すでに次の製造技術を使った製品が市場に出てくる可能性が高くなったということです。

最近はスマートフォン向けのSoCなどの方が売れますのでそちらが優先されるかもしれませんが、nVidiaなどはTSMCで生産を行っていますので、先日お伝えしたGTX1100シリーズは12nmで生産するかもしれませんが、次の製品は確実に7nmになるでしょう。

AMDの製品も7nmはGFのほかにTSMCにも生産を委託するという話です。

先日お伝えした通りAMDのNaviは7nmで生産しますので、PlayStation5に入る分はTSMCで生産するかもしれません。

ついにintelがTSMCに追い抜かされた?

実は半導体の生産というのは今まではintelが世界の最先端を行っており、TSMCやGrobal Foundriesといった企業よりおおむね1世代先の技術で生産して高性能製品を市場に出し、業界のリーダーとして君臨してきたわけですが、ここに来てintelの10nmの生産が難航し、とうとう先にTSMCの7nmの大量生産が開始されてしまいました。

※ただし、性能はintelの10nmとTSMCおよび他社の7nmは同じくらいといわれています。

注釈の通り、性能はほぼ同程度なのですが、intelより先に他社が7nm(同世代の製品)を出してしまうというのは今までの常識では考えられなかったことで、intelの10nmがいかに難航してるかがわかります。

昔は他社の製造技術よりあまりに優れているのでintelは宇宙人から技術を教えられているに違いないとまで言われていたのですが、ついにTSMCやGFの製造技術がintelを追い抜かす日が来るかもしれないということで、これはかなりのエポックメイキングな出来事だと思います。

intelの10nm最初の製品はCannon Lakeというコアだったのですが、10nmの遅れでCoffe Lakeにとってかわられ、いまだに姿を現しません。

似たような状況はBroadwellでも起きており、この時はHaswell RefleshのほかにCore i7-5775CやCore i5-5675CといったGPU部分を強化したクロックの低い製品を無理やり出しました。

このCore i7-5775C・Core i5-5675Cなどの製品は性能が中途半端で不思議に思っていた方もいると思いますが、これらの製品が発売された裏には製造技術の失敗という事情があったということです。

このようにプロセスが進んでも失敗すると性能が上げられずにゲーミングPCなどで使われる高性能製品が出せなくなります。

何故このようになるかというと、最近の製造技術はモバイル向けとデスクトップ向け(高性能向け)に分かれており、モバイル向けの方が圧倒的に売れるため、モバイル向けを重視せざるを得ません。

モバイル向けを重視するとデスクトップ向けの製品ではクロックが上げられず高性能化が難しくなり、Core i7-5775CやCore i5-5675Cのような製品になってしまうというわけです。

今回のintelが10nmの製造技術に難航しているのもクロックが上げられないのが原因のようです。

Cannon Lakeのサンプルは2コアで2.2GHz程度しかクロックを上げられなかったという話が出ています。

AMDがRyzen以前のFXシリーズでintelの後塵を拝していたのも委託した工場の製造技術がintelに2世代ほど負けていたからで、intelがこれ以上10nmに手こずるような今後は逆のパターンも考えられます。

実際にはFXシリーズは設計もかなり失敗していたのですが、大幅に負けていたのは製造技術で、製造技術で劣っていると、設計が同程度であったとしても発熱やコスト(不良品率=歩留まり)で負けてしまい、販売面でかなりのハンデを背負うことになってしまいます。

実際に現在ゲーミングPCのトップモデルのCPUに使われているintelのCore i7-8700KはCoffee Lakeと呼ばれていますが、こちらは14nmで生産されています。

intelの当初の計画では10nmで生産されるCannon Lakeが中心になる予定でした。

しかし、10nmプロセスの製造技術の立ち上げが遅れ、Cannon Lakeの投入も遅れています。

恐らく、Windows95が発売されて以来、こういうことはなかったことで、歴史的な瞬間だと思います。

Cannon Lakeは2018年末になるのではないかという噂が以前出てきましたが、最近は全く話を聞きません。

このような状況から、2018年から2019年にかけてはintel試練の年になるかもしれません。

ソース: OC3D.NET - TSMC starts 7nm volume production / computerbase - Cannon Lake: Die erste 10-nm-CPU wird fur Intel zum Albtraum

参考リンク: TSMC - ウィキペディア / 台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー (TSMC) 公式HP

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