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2018年のRadeonはどうなるのか?

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先日の記事でGeforceのニューモデルGTX1180に関するリーク情報をお知らせしたが、GPUのもう一方の雄であるAMDのRadeonはどうなのか?という話です。

ますRadeon RX580/570/560系ですが、OEM向けにRadeon RX580X/570X/560Xと後ろにXが付く形でリネームされて販売されるようです。

私もこの話を聞いて"Radeon RX580X"などで検索して見たのですが、特に価格なども出ておらず、おかしいなと思って見直したらOEM向けでした。

BTOはどうかわかりませんが、メーカー製PCなどでは今後出るモデルでRX500X系のGPUが使われる可能性があります。

仕様は多少モデルによって変わるようですが、大半のモデルは既存のRX500系のものがそのまま使われるようです。

PCパーツ市場に流れるようであれば表にまとめようと思ったのですが、現時点でそういうこともなく、AMDの公式サイトでその存在を確認することができるだけです。

ソース:AMD - Radeon RX500X Series

 

Naviに関する話

Naviとは2019年に予定されているRadeon RX Vegaの後継と目されていたGPUですが、この話に関するうわさが出ています。

話に入る前にこれまで分かっていることを纏めてみました。

 

GTX1180はGTX1080の1.5倍の性能になると以前の記事で説明しましたが、どうもNaviは今のPolaris(Radeon RX500シリーズ)の後継となるようで、Radeon RX Vegaの後継とはならないようです。

Naviは現在のGTX1080ほどの性能があり、ミドルレンジクラスまでのGPUとなるようです。(今のnVidiaのグレードで言えばGTX1060程度)

上の表にまとめてありますが、Naviの項目はほとんどが不明となっています。

しかしGTX1080相当の性能があるということと、RX580のスペックを見るとおおよそどのようになるか想像がつくのではないかと思います。

恐らくダイサイズは200-250mm2前後、GDDR6メモリが8GB程度、単精度の演算能力が9TFLOPS弱というのが予想されるスペックだと思います。

メモリはGDDR6になるかHBM2になるかはわかりませんが、コスト的な問題でおそらくGDDR6になる可能性が高いのではないでしょうか。

消費電力はPC向けは恐らく120-150W前後になるのではないかと思います。

ただし、あくまでも1自作ユーザーの予想にすぎませんので、その旨お断りしておきます。

 

GTX1180がGTX1080の1.5倍の性能になることから次世代GPUは逆算するとグレード感で言えば今のGTX1080の性能がGTX1060クラス(ミドルレンジ)になるというのは説得力のある話です。

Naviはちょうどそのレンジに入るということになります。

そのNaviが出るのも2019年中ですので、今年(2018年)は周回遅れのPolarisとVegaだけで戦っていかなくてはならないようです。

AMDのハイエンドのGPUについては2019年の末までノープランで、そこは空白となるようです。

Vegaの7nm版はディープラーニング用とされ、ゲーム市場や自作市場には出回らないようです。

これは非常に寂しい話で、少なくとも2019年の末まではnVidia一強の体制がほぼ確定してしまったといってもよいでしょう。

RX Vega64/56はHBM2メモリの生産が追い付かずあまり市場に出回らなくて価格が高止まりし、かなり消費電力、発熱の高いGPUだったこともあって扱いにくい印象があったのですが、2018年はこのGPUがハイエンドということになります。

Ryzen2000シリーズで快進撃するCPUとは対照的にPC用のGPUはAMD冬の時代がしばらく続きそうです。

何故こんな状況になったのか?

早ければ2018年中にも出ると言われているSonyのゲーム専用機PlayStation5ですが、こちらはCPUはZen、GPUはNaviが搭載されると言われています。

ゲーム専用機に採用されれば大量の需要を見込めますので、PCパーツ市場より大口の客の要望を重視せざるを得なかったということなのでしょう。

PS5はすでに開発機が出回っていて、専用ゲームの開発が行われている状況のようです。

最近のゲーム製作は巨額の予算で大量の人員を投入して数年かけて行われるのが普通になっていますので、AMDとしてもそちらに力を入れざるを得なかったのでしょう。

開発のリソースをミドルレンジまでのゲーム専用機用GPUとPCのGPU用のハイエンドに分ける余裕が無かったということなのだと思います。

この辺の構図はXbox One X用のGPUとして開発されたPolarisと全く同じです。

ゲーム機に採用されるGPUはPCに使われるGPUほど高性能にすることはできません。

GPU単体で180Wなどとという消費電力はどうしても許容できないからです。

そのため、ハイエンドGPUのラインナップが揃えられないという状況になったのだと思います。

PCパーツとしてはぱっとしない話ですが、会社としての売り上げは上がりますのでRadeonがなくなるということは無いと思います。

ソース:fudzilla - AMD Navi is no high end GPU / Game Rader+ - Sony PS5: What tech will power the next PlayStation? And when will it release?

 

Radeon RX Vega nanoが発売予定

Naviがミドルレンジ向けGPUで2019年末まではハイエンドGPUはノープランという衝撃的な話の後ですが、AMDはしばらくは変化球を投げてやり過ごすつもりのようです。

Radeon R9 NanoというRadeon RX Vegaの一世代前のGPUでカードの全長が158mm(16cm弱)という超小型モデルがあったのですが、これのRX Vega版が予定されているようです。

このカードは一部の小型PC(Mini-ITX)マニアには好評でRadeon R9 Nanoもかなり人気(話題)になっていました。

ただし、ハイエンドカードの小型版ということで価格はかなり高めでしたので実際に購入された方はそんなに多くなかったのではないかと思います。

恐らくRadeon RX Vega nanoも同じような感じになると思いますが、こうした変化球でも全く話題がないよりはましということでしょうか。

ソース元に写真がありますが、補助電源端子は6pin+8pinとなっていますので小型でもやはりそれなりに電力は消費するようです。

この辺の傾向はRadeon R9 Nanoと全く同じです。

カードの写真をよく見ると3スロット分取るようで、この辺は小型ケースをお持ちの方は注意が必要なところだと思います。

メーカーはRadeon R9 NanoはSapphireでしたが、今回の写真ではPowerColorとなっています。

小型PCマニアの方にとってはうれしい話でしょう。

ソース:Video Cardz - PowerColor showcases Radeon RX Vega Nano

 

 

写真はRadeon R9 Nanoです。サイズは同じでもVegaは3スロット分のスペースを使うように見えますので小型PC向けのパーツとしては注意が必要なところでしょうか。

Radeon R9 Nanoのスペックは代理店のASKのHPで確認できます。

株式会社ASK - Sapphire Radeon R9 Nano 4G HBM

※ ただし現在は販売終了しています。

 

以上が今出ている2018年のAMD製GPUに関する噂も含む話になります。

ゲーム専用機(Xbox One X)用GPUとしてPolarisを手掛けて以来、そちらにリソースを取られて、ハイエンドGPUが手薄になっている印象です。

このままズルズルとnVidiaに引き離されてしまうのか2020年に逆転の一手を打てるのかはわかりませんが、今までの発売間隔で言えば2020年と言えばnVidiaはTuringの次が発売されてしまうことになってしまいます。

経営的にはPlayStation5のGPUに採用されれば困ることはないかもしれませんが、PCゲーマーとしては寂しい話です。

CPUではAMDがRyzenを発売してからintelのCore i7/i5も急激に高性能化しています。

やはりライバル会社があってお互いの製品同士で僅差の性能競争が起きると互いに製品をより高性能化、低価格化して競争に勝とうとします。

そうなるとユーザーの購買意欲も高くなり、市場全体が活気づきます。

こうした良いサイクルが生まれますのでよいことづくめです。

どんなマーケットでもメーカーが一強になるとよいことはありませんので、AMDには何とか頑張ってほしいところです。

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