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Googleがクラウドゲームプラットフォームを発表

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現在GDCが開催されているわけですが、GDCでGoogleがクラウドゲームプラットフォームを発表したようです。

以前の記事でクラウドゲームプラットフォームはマーケテイングの問題だけで需要は確実にあるといいましたが、この言葉通り、今度はGoogleがこのクラウドゲーミングプラットフォームに挑むようです。

参考記事:マイクロソフト、Windows 10でAndroidのスクリーンミラーリングのテストを開始[サポートされているデバイスの一覧]

「Stadia」というサービス名のようです。

FullHDで60FPSが出せるという話です。

以前の記事でわたくしはすべてのサービスはWEBベースになっていくといいましたが、基本的に低遅延環境が要求される高性能ゲーミングの世界にもついにクラウド化の波が押し寄せてきたということです。

 

 

このサービスが浸透することによって起こりうること

このサービスが成功した場合、今の単体GPUは相当の打撃を受けると思います。

そして、ゲーム機もかなり厳しい状態になるんじゃないかと思います。

クラウド化すれば端末の種類は関係がなくなり、Windowsは高性能ゲーミングプラットフォームとしての立ち位置を失うと思います。

しかし、すぐにはその状態にはならないとわたくしは考えています。

それでは、その理由をいくつか挙げてみましょう。

 

問題なのはどのくらいのタイトルが用意できるか

ゲーム機の立ち上げを成功させるにはにはいろいろな要素が必要ですが、一番最初にサービスを立ち上げる場合、そのゲーム機を買ってもよいと思わせるタイトル(キラータイトル、海外ではAAAタイトル)が必要と言われています。

この「Stadia」にどのくらいのキラータイトルを用意しているのかでGoogleの本気度がわかるんじゃないかと思います。

まあ特にサービスとして陳腐化するようなものではありませんが、継続して投資し続けるにはある程度の実績が必要になるでしょう。

このサービスがローンチ時に大成功を収めるには少なくとも半年や一年は独占して遊べるAAAタイトルが3本は必要でしょう。

日本でのゲーム機の勝ち組であるソニーや任天堂はキラータイトルと呼ばれるゲームを用意して発売に臨みます。

これをどのくらいGoogleが理解しているかということです。

それができない場合は徐々に浸透していくという形をとるしかないと思います。

世界中に7500のノードを用意するというかなり大規模な投資を行っていますので、この場合だと資金の回収がやはり厳しいんじゃないでしょうか。

 

Googleは20億人にリーチできると豪語しているが・・・

その20億人のなかにどのくらい熱心なゲームファンが含まれているかということが問題です。

AAAタイトルというのは基本的に熱心なゲームファン向けに作られています。

ゲームの内容も複雑化し、「ちょっとやってすぐに止める」というようなカジュアルゲーマーのスタイルとは合っていません。

何より、AAAタイトルをプレイするようなゲーマーはすでにタイトルを持っているケースが大半でしょう。

既に発売されているAAAタイトルを引っ張ってきても人を集める効果は望めないということです。

任天堂のファミリーコンピューターを大成功させた故山内元社長は「一強皆弱」という言葉を使っていました。

これは一つの強いゲーム機にソフトが集中すれば、他の機種では太刀打ちできなくなるということです。

ゲーム機やゲームのサービスで大成功を収めるのはそのサービスでのみしかプレイできないキラータイトルが必要で、それが用意できない場合は成功は難しいと思います。

既存のAAAタイトルを用意してもそこにいる大半のカジュアルゲーマーとはミスマッチとなり、サービスを利用したいとはあまり思わないのではないかと思います。

  1. 独占タイトルを用意する
  2. アーリーアダプターが押し寄せる
  3. 口コミが広まる
  4. ライト層も集まってくる

こうした流れが勝ちパターンだと思いますが、Googleはとりあえずスマホや非力なPCでもゲームが遊べることに重点を置いているようです。

GDCで発表された内容の記事を見るとそんな感想を抱きました。

 

実はクラウドゲーミングに進出するのはGoogleだけではない

当然ですが、同様のサービスはマイクロソフトも立ち上げています。

nVidiaもGeforce NowというnVidiaのゲーム機である SHIELD向けのクラウドゲーミングサービスを立ち上げていますが、こちらはnVidia SHIELD自体が成功しているとは言い難い状態のため、成果は芳しくないようです。

 

Googleはchromeが動く環境ならばどんな端末からもサービスが利用できることを強みとしています。

次のゲームプラットフォームの覇権を取るのに十分な資格を持っていると思います。

おりしも2020年には次期移動通信システム5Gの商用サービスが日本でも始まります。

5Gは現行の携帯に使われている4Gとは違い、低遅延、高速通信が可能といわれており、クラウドゲーミングを行うのに都合の良い環境といってよいでしょう。

それに合わせてMSとGoogleがクラウドゲームプラットフォームを立ち上げているものと思われます。

 

最近のゲーム開発会社の傾向

最近ではゲーム開発会社はPCのプラットフォームであるSteamにほとんどタイムラグなく自社のタイトルを流すようになっています。

海外の大型タイトルは基本はマルチプラットフォームで機会損失を生まないようになっています。

このような傾向はクラウドゲーミングプラットフォームで加速するかもしれません。

クラウドゲーミングプラットフォームでは基本的にゲームは端末側にはインストールしない可能性が高くなりますので、ハッキングや違法コピーに強いでしょう。

こうした被害にずっと悩まされてきたゲームの開発会社にとっては魅力的な環境だと思います。

 

未来の行方

MSのサービスや今回のこの「Stadia」がロンチ即大成功するかどうかはわかりませんが、時代は確実にクラウドゲーミングに向いています。

クラウドゲーミングは携帯が5Gになったら本番だと思います。

これらのサービスで最も重要なことは遅延の無い回線品質です。

現行の4Gの間は携帯端末では厳しいのかなとも思います。

今はGoogleもMSも普及に向けて布石を打っておくという段階だと思います。

しかし、インフラさえ整えば現在高品質ゲームをプレイするのに常識になっている据え置き型のゲーム機やゲーミングPCを一掃してしまうだけのポテンシャルは持っていると思います。

どのくらいの料金で利用できるのかも含めてロンチ時に用意されるタイトルや料金によっては大化けする可能性も0ではありません。

ただし、2019年にロンチしますが、北米、カナダ、EU、イギリスとなっており、日本は第一次のサービス地域には入ってません。

いきなり全世界に向けてというわけではなさそうですね。

今まで出てきたクラウド系のサービスはことごとく失敗しましたが、大資金を投じないとプレイできないという不満は潜在的に大きいと説明してきた通り、このサービスを市場がどんなふうに受けいれるのか興味深く見守っていきたいと思います。

ソース:ascii - グーグル、PS4 Proを超える性能のクラウドゲーミング「Stadia」を年内開始

 

追記:

もう一つ書き忘れていたので追記します。

Nintendo SwitchはStadiaと相性がいいです。

マーケティング戦略上はあり得ませんが、移植の必要もなく、ネットがあればFullHDまでのゲームを高品質に遊ぶことが可能です。

スペック的に移植できないAAAタイトルが出てもStadiaであれば何の問題もありません。

だからと言って任天堂が自社のタイトルをStadiaに供給するとは思えず、そうでなければGoogleもStadiaをNintendoに提供するとも思えないので、両社が提携するとも思えませんが、タブレット型デバイスとクラウドゲーミングというのは非常に相性が良いです。

 

さらに追記:

当初FullHD 60FPSと発表されていたと思うのですが、4K HDR 60FPS対応だそうです。

当然、FullHDの144FPSもできる可能性は高いです。

ただ、遅延の問題があるので、断言はできませんが・・・。

このスペックだと料金によっては既存のプラットフォームを駆逐してしまうかもしれません。

あとはソフトのラインナップ次第といったところでしょうか。

いずれにしても携帯に5Gが普及してから本番だと思います。

補足記事を書きました。

 

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