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Xenoblade2に見る、ゲーム・マンガ・アニメを批評するときに気を付けたいこと

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今回は久しぶりにゲームの話をしたいと思います。

最近Switchに関して調べていて、たまたまある実況者のXenoblade2の配信(全プレイ60時間以上)を見る機会がありました。(というか見ました。)

良いゲームだと思います。

私から見てシステム的に物足りない部分がありますので、自分でプレイするかどうか迄はわかりませんが、配信で全部のストーリーだけを見て買わないのは自分の中ではルール違反なので、多分買うと思います。

見終わった後、ネットでほかの人がどんな風に評価してるのか気になって検索してみました。

5chなどの該当スレッドの過去スレッドなども流し読みして気になったことがあるので、ちょっと触れてみます。

 

ゲームはいったい誰のものなのか?

私はゲームはArtと工業製品の中間に位置するものと定義しています。

ゲームは何らかの要素で人の感性を揺さぶるところがなければ全く売れませんが、それはゲームシステムにより、システマチックに実現することもできるからです。

また、逆に心を震わせるような景色を見せることによって、また、感動的な物語によってもできるでしょう。

さらにArtは主に一人のアイディアや感性によって完結することが大半ですが、ゲームは多くの工業製品がそうであるようにチームで制作されるのが普通です。

ゲームも商品(製品)である以上、明確に売るターゲット層というものが決まっています。

タイトルにもある通り、Xenoblade2を例に挙げて解説したいと思います。

まず、Xenoblade2はだれに向けて作られたのでしょうか?

Xenoblade2はJRPGというストーリー重視のゲームです。

一般にストーリー重視のゲームやマンガ・アニメの主人公は没入感を高めるためメインターゲット層と同じ性別・年齢に設定することが多いです。

もちろんですが、それ以外の層には全く売れないという意味ではありません。

Xenoblade2の主人公はレックスという少年です。

公式サイトには年齢は書いてません。

別売りしているオフィシャルの設定資料集などには書いてあるのかもしれませんが確認していませんので、見た感じでざっくり行きます。

私はこのレックス少年が13歳くらいに見えます。

主人公の年齢が13歳で性別が男ということだとおそらくメインのターゲットは13歳前後の男児でしょう。

無印のXenobladeと比較すると主人公が明らかに幼く見えるので、おそらくは任天堂の意向でターゲット層を下げたのではないかと思います。

関連性があるといわれているXenosagaと比較すると哲学的、SF的な要素に関してはかなり割り切って表現をカットしているように見えますので、おそらくはそうだと思います。

また、ヒロインのホムラとヒカリはそのデザインから、明確なセックスアピールの象徴になっていますので、13歳より上の年齢にもアプローチしたいという意図が見えます。

なのでメインの対象を13歳として、それより上、中学生・高校生もカバーした物語ということになります。

 

Xenobalde2はSFなのか?

これを踏まえてXenoblade2はSFなのか考えてみましょう。

Xenoblade2はSFだと思います。ただし、サイエンスフィクションの方ではなく、サイエンスファンタジーの方だと思います。

違いはサイエンスフィクションの方は作中でついてよい嘘は一つだけという縛りがあります。

あとは理論的にすべて今ある技術の延長線上で実現できるものでなくてはならないというルールがあるようです。

※ 話が脱線しますので軽く触れるだけにとどめますが、もっと深堀されたい方はご自分で調べてください。

上でも述べましたが、制作側としてはサイエンスフィクション的に描くことも出来たのかもしれませんが、商業的な事情により、かなり割り切っているようにわたくしは感じました。

こんな風にXenoblade2はサイエンスファンタジーという子供向けに作られたおとぎ話ですので、リアリティを論ずるのは論外だと思います。

白雪姫やシンデレラを読んで「魔法なんてない」という大人がいたらしらけるでしょうし、同様に一寸法師を読んで「鬼なんていない」という大人がいたらしらけるのと同じです。

 

舞台設定に見る、制作側が意図したメッセージ

Xenoblade2は巨大な生物の上に人々が街を作り生活するというちょっとあり得ない舞台となっています。

こうしたことからも、制作側が意図したのはリアリティではなく、それらを象徴したメッセージが込められるているものと思います。

それが何なのか考えてみましょう。

話を進める前にこれは私の解釈だということをお断りしておきます。

10人いれば10通りの解釈が存在してもよいとも思いますので、1個人の解釈だということを承知おきください。

巨大な生物の背にある街に人々が暮らす世界というのは不安定で明日はどうなるのかわからない、いつ崩壊してもおかしくない状況というものを象徴していると思います。

これは成長期にある子供たちから見た世界の象徴でしょう。

この年代の子供たちはものすごい勢いで体が成長して、変化し続けているわけですが、そうした子供たちから見た世界というのはどんどん変わって見えていると思います。

本当は変わっているのは主体である子供たちの方なのですが、主観を子供たちに合わせると世界が変わっているように「見えるはず」です。

 

こうした、公式サイトに書いてあることだけをつなぎ合わせても

13歳くらいの子供たちを対象にした、努力や仲間たちの絆を武器に不安定な世界の(成長期にある不安定な自分に起きる)困難を乗り越えて、安定した世界(人格)を目指す(作る)物語と言えるのではないかと思います。

成長するにしたがって人格や肉体は安定していきますので、RPGというジャンルも併せて、数々の困難や問題を解決したさきに平和で安定した世界が待っているというメッセージが込められているのは想像がつくと思います。

こういった世界観や前提をもとに送り手側のメッセージを解釈すると、先ほども言った通り、リアリティを論ずるのは論外だと思います。

※ リアリティがない物語の方がよいという意味ではありませんので、誤解しないようにしてください。

一応最後まで見ましたが、エンディングは理屈をつけるのが難しい終わり方だと思います。

しかし、13歳の少年少女に見せる「お伽話」に過酷な現実に即したエンディングを見せるのは私はどうなのかと思いますので、良い終わり方だったと思います。

保護者の立場から見ても、ハッピーエンドで終わった方が人格形成にはよいのではと思いますし、安心できるのではないでしょうか。

Xenoblade2は超大作なので、批判もたくさんありましたが、ストーリーやリアリティを語る前に、だれがだれに向けて作った物語で自分の年齢や立場から見たらどんなふうに受け止めたらよいのかということを考えてみることをお勧めします。

Xenoblade2にはファンの方もたくさんいて、あの物語や世界に感動して大切に思っている方もたくさんいます。

Xenoblade2の物語に違和感を感じた方はおそらく、ターゲット年齢から離れているから感じたのではないでしょうか。

社会人の方でも全然プレイしても損しないゲームだと思いますが、物語について語る前に、自分がその対象となる年齢層からどのくらいの相対的な距離があるのかは考えたほうがよいと思います。

その立場から見て、13歳の少年少女たちに見せるのにふさわしい物語だったのかどうかというのが一番重要で、作り手側はそこに一番力を入れているはずです。

商業作品である以上は売り上げを上げることが至上の命題で、それを達成するためにどんな物語にもターゲットとする年齢層というものがあります。

これはXenoblade2だけではなく、すべての物語について当てはまる考え方でしょう。

ですから、この機会にちょっと書いてみました。

こうした視点を持つことによって、今まで許せなかった物語が許せるようになるんじゃないかと思います。

参考:Xenoblade2公式サイト

 

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