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Windows 11の評判改善という機会をMicrosoftが自ら台無しに——デスクトップ壁紙を広告枠として利用

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青みがかったモダンな壁紙が表示されたPCモニター。画面隅にさりげない広告バナー風の要素が入った、ロゴ・テキストなしのクリーンなテック写真風の一枚

■事実

2026年9月8日、Windows Latest(編集長Mayank Parmar氏)が、Microsoft製アプリ「Bing Wallpaper」が一部のWindows 11/10 PCで壁紙全面を使った広告を表示していると報じた。

表示されていたのはJ.K.ローリング原作「ハリー・ポッター」+「ファンタスティック・ビースト」全11作品コレクションの広告だ。

画面右下に「Available Now」の表示、右上に「この画像についてWeb検索」の案内が付き、購入を促す構成になっている。

Bing Wallpaperのダウンロードページには、利用するとアプリ内通知でプロモーション情報が届く旨が小さく明記されているが、デスクトップ壁紙全体が広告化することへの明確な説明はない。

この広告はすべてのPCに表示されるわけではなく、地域や配信ローテーションによって異なる。ある利用者が同日に4台のPCを確認したところ、広告が出たのは1台のみで、残り3台は通常の風景写真だった。

Redditのハリー・ポッターファンコミュニティでも同様の広告表示が報告されている。

Windows 11の標準機能「Windows Spotlight」も同じくBing由来の画像を使用しているが、Spotlightは壁紙の更新頻度がBing Wallpaperアプリより低く、今回同じ広告が表示されたかどうかは未確認だ。

Microsoftは本件についてWindows Latestの取材時点でコメントしていない。

WCCFtechは、この件を「MicrosoftはWindows 11の評判改善のチャンスを何度も自ら手放している」と位置づけて報じた。直近では8GB RAM搭載PC向けの動作改善など前向きな発表を行っていた矢先だった、という文脈で紹介している。

Windows 11ではこれまでもStart画面「おすすめ」欄への広告表示、ロック画面・ウィジェットへの広告表示などが繰り返し導入されており、その都度ユーザーからの批判を受けてきた経緯がある。

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解説

MicrosoftのWindowsに対する「広告を差し込んでは批判され、それでもやめない」というパターンは今回が初めてではない。Startメニューの「おすすめ」欄広告、ロック画面のウィジェット広告など、2021年のWindows 11発売直後から繰り返されてきた話だ。

今回目新しいのは「広告の置き場所」。これまではStartメニューやロック画面という“広告が来ても仕方ない場所”だったが、今回はデスクトップの壁紙そのもの、つまりユーザーが最も長時間目にする一等地に手を出した点が一線を越えている。

しかもBing Wallpaperは、風景写真を楽しみたいユーザーが自分の意思でインストールするアプリ。広告を望んでいない層が最も濃く集まる場所を狙い撃ちしたとも言える。

Microsoftの言い分は「ダウンロードページに“アプリ内通知でプロモーションが届く”と明記していた」というものだが、これはいわゆる“同意したことにされている”系の説明。GDPRのクッキー同意と同じで、律儀に読んで理解する人はほぼいない。

「アプリ内通知」と聞いて、デスクトップ全体を占拠する映画広告を想像する人はまずいないだろう。この言葉の使い方自体が、意図的に軽く聞こえるよう選ばれている印象を受ける。

広告が全員には表示されず地域・ローテーション次第という点も気になる。全員に出さないことで批判の絶対量を抑えつつ、収益は得られる——という設計だとすれば、なかなか巧妙(あるいは狡猾)なやり方だ。

直前まで「8GBメモリ環境でも快適に」といった前向きなニュースを出していたタイミングだけに、今回の件はブランドイメージ的に自傷行為に近い。ポジティブな発表の効果を、自ら一つの广告で相殺してしまっている。

そもそも論として、OSベンダーが自社製の「壁紙アプリ」を広告枠化するというのは、健全なエコシステムの姿としてはかなり異様。サードパーティの無料アプリが広告で収益化するのはまだ理解できるが、天下のMicrosoftがOS標準機能に近い立ち位置のアプリで同じことをやる必然性は薄い。

Windows 10のサポート終了(2025年10月)以降、Windows 11への移行を渋るユーザーを後押ししたいはずのタイミングで、こういう「乗り換えたら広告地獄が待っている」という印象を積み重ねるのは、長期的には自社の首を絞める行為に見える。

 

ハリー・ポッターファンとしては複雑な気持ちだろう。魔法の世界に浸りたくてPCの電源を入れたら、目の前に広告という名の“例のあの人”が立っていたわけだから。

広告を止めない企業に共通するのは「批判されても収益が出る限りやめない」という単純な計算式。Windows 11の評判は、その計算式のコストに一向に組み込まれていないように見える。

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