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NVIDIA DLSS 5、NBA 2K27の早期アクセス版に隠しDLLが発見された数時間後に非公式解禁

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夜のバスケットボールアリーナを舞台に、選手のシルエットをニューラルネットワーク状の光の粒子が包み込む近未来的なコンセプトアート

■事実

NBA 2K27(開発:Visual Concepts、発売元:2K)は2026年8月26日にDeluxe/Ultraエディション purchaser向けにアーリーアクセスが開始しました。(本編発売は9月4日に前倒しなし、当初予定より2日早い開始)

そのPC版フォルダ内に、これまで一般配布されたことのなかったファイル「nvngx_dlssnr.dll」が発見されました。

発見者は研究者のRenan Maniero氏です。

Windows上でのファイル識別名は「NVIDIA DLSSNR」、バージョン番号は310.8.0.0です。

ファイルサイズは約158MB。これは現行のDLSS 4系Super Resolution DLL(約20〜50MB)の3倍以上、直近リリースのDLSS 4.5 Ray Reconstruction DLL(約72MB)と比べても2倍以上の大きさでした。

ファイルの更新日は2026年8月26日(アーリーアクセス開始日と一致)、NVIDIAによるデジタル署名の日付は8月11日です。

「DLSSNR」はNVIDIAが今春から公表してきた次世代技術「DLSS 5」の中核機能「Neural Rendering(ニューラルレンダリング)」のランタイムを指す名称です。

現時点でNBA 2K27の画面設定にDLSS 5/Neural Renderingを有効化するオプションは存在せず、ゲーム内で機能させることはできません。

NVIDIA・2Kともに、NBA 2K27をDLSS 5対応タイトルとして正式発表していません。

DLSS 5はNVIDIA Streamlineを通じて統合される仕組みで、各タイトル側がエンジン側のデータを提供する必要があるため、DLLファイルを単純に他タイトルへ移植しても動作しません。

発見から数時間後、モッダーコミュニティ「RenoDX」のメンバーが、このDLLを別ゲーム「Control」内で実際に動作させることに成功しました。

実装は主人公ジェシーのキャラクターモデルに対する適用にとどまり、7種類のスタイルを切り替え可能な状態を確認しています。

この実装はRenoDXの正式公開版にはまだ組み込まれておらず、非公式な検証段階です。

DLSS NRは単一GPUで動作することが確認されました。

背景:DLSS 5は2026年3月のGTCで初披露された際、RTX 5090を2枚使用するデモ構成(1枚がゲーム本体、もう1枚がDLSS 5演算専用)を示し、キャラクターの顔が不自然に変化する「アンキャニーバレー」現象への批判が噴出、YouTube動画の低評価比率は84%に達したと報じられています。

NVIDIAは2026年7月のSIGGRAPHで改めてDLSS 5を説明。開発者が選択・混在できる3種類のAIモデル(Model A/B/C)、構造強度・トーン強度の調整スライダー、オブジェクト単位のマスキング機能を追加公開しています。

SIGGRAPH版では単一GPUでの動作、4Kで16ミリ秒未満のレンダリング時間を主張したが、具体的なVRAM要件・対応GPUクラスは開示されていません・

DLSS 5の正式提供は2026年秋を予定、対応はRTX 5000シリーズ(Blackwellアーキテクチャ)に限定されています。

対応タイトルとして「AION 2」「Black State」「CINDER CITY」「Justice」「NTE: Neverness to Everness」「Sea of Remnants」「Where Winds Meet」などが発表済みで、Bethesda・Capcom・Ubisoft・Warner Bros. Games・NetEase・Tencent・S-GAME・NCSOFT・Hotta Studioなどが参加を表明しています。

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOはDLSS 5を「グラフィックスにおけるGPTの瞬間」と表現し、批判に対しては「彼らは完全に間違っている」と発言しています。

解説

正式発表前のDLL流出は本来望ましくない事態のはずだが、結果的に「無料の話題づくり」として機能してしまっている。NVIDIA・2Kどちらも公式にコメントしていない以上、否定も肯定もしない“漏れたままにしておく”対応がむしろ都合が良い可能性がある。

 

毎年恒例のスポーツシミュレーターであるNBA 2Kシリーズが、意図せず次世代グラフィックス技術の"最速お披露目役"になってしまった格好。開発中のファイルをビルドに混入させたケアレスミスの可能性が高く、意図的なティザー戦略とは考えにくい。

 

発見からControlでの実装確認までわずか数時間という速度は、GPUドライバ・AIランタイムに対するリバースエンジニアリング能力の高さを示している。一方で、これはNVIDIAが意図した提供方法ではなく、あくまで実験的な検証にとどまる点は強調しておきたい。

 

DLSS 5はそもそも「AIがキャラクターの顔を勝手に美化してしまう」という批判(いわゆる"AI slop"論争)を抱えたまま今日に至っている。今回の漏出が起きた舞台がNBA 2Kという実在選手の顔をリアルに再現する必要があるタイトルだったことは、皮肉というより「一番荒れやすいジャンルで最初に試された」という意味で象徴的

 

事実関係の切り分けとして重要な点:今回話題になっているのは「Neural Rendering」であり、当ブログで繰り返し触れているフレーム生成(Frame Generation)とは別の技術。フレーム生成が扱うのは「本物のフレームとフレームの間を埋める」処理だが、Neural Renderingは「1枚のレンダリング済みフレームの質感・光の当たり方をAIで描き直す」処理であり、フレームレートの水増しとは無関係。この区別を曖昧にしたまま報じている記事も一部見られる点は注意

RTX 5000シリーズ(Blackwell)専用という対応範囲の狭さは、過去にFSR 4がRDNA 4専用とされた構図と重なる。技術的に旧世代で不可能というより、新機能を新GPU購入のインセンティブに使う構造は各社共通

 

過去の類似事例との接続:DLSS 1も初期は「ぼやける」「アーティファクトが出る」と酷評されたが、世代を重ねて改善されてきた経緯がある。DLSS 5も現時点のSIGGRAPHデモや今回の非公式流出だけで完成度を判断するのは時期尚早

 

次世代グラフィックス技術のお披露目の場が、まさかの「NBA選手の顔をどこまでリアルにできるか」という、ある意味一番採点が厳しい舞台になった件

正式発表前に漏れたファイルが、結果的に一番早い"実演"になってしまうというのは、このところのGPU業界ではもう恒例行事と言っていいのかもしれない

 

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