
台湾の半導体大手TSMCは、アリゾナ工場における3nmプロセスの量産開始時期を大幅に前倒し、2027年に開始する見込みです。これは当初の予定より1年早い数字です。
TSMCは、IntelとSamsungの躍進を受け、米国での生産加速を検討しています。
TSMCのアリゾナ工場は、投資額と生産規模を考慮すると、同社にとって最大級の事業の一つです。
同社は「Made in USA」を掲げ、2025年には米国への生産移転を最優先事項としており、強靭なサプライチェーンの構築に向けて、全米で最大3,000億ドルを投資する予定です。
しかし、韓国メディアDigital Dailyによると、TSMCは計画をさらに積極的に進めようとしているようです。
3nmプロセスは当初の予定より約1年早くアリゾナ工場に導入される予定です。
TSMCのアリゾナ工場は既に4nmプロセスで生産を開始しており、2番目の工場では2027年を目途に3nmプロセスの量産を開始する予定です。
この生産加速の主な理由の一つは、TSMCのチップ生産能力の大部分をHPC顧客が占めていることから、4nm、3nm、さらには2nmといった最先端ノードへの需要が急増していることです。
また、AIブームは当分の間衰える兆しを見せていないため、TSMCは生産量全体の拡大を計画している模様で、アリゾナ工場のアップグレードもその一環と言えそうです。

レポートで言及されているもう一つの重要な理由は、TSMCが現在、地域の競合他社との激しい競争に直面していることです。
Intelが18Aプロセスで進歩を遂げていることに加え、Samsung Foundryも重要なプレーヤーとして台頭しています。
最近の記事では、SamsungがTaylorFab計画を強化し、当初計画されていた4nmプロセスではなく、SF2(2nm)プロセスを直接導入する計画について取り上げました。
この韓国の半導体大手は、主要顧客としてテスラとの契約も獲得しており、顧客がTSMCに代わる現実的な選択肢を模索していることを示唆しています。
設備投資の急増と人手不足が深刻化する中、TSMCが日本でも事業拡大を目指していることを考えると、これほど大規模なFabネットワークをどのように運営していくのか興味深いところです。
しかし、膨大な需要を抱えるTSMCにとって、生産能力拡大以外に選択肢はほとんどありません。
解説:
TSMC、アメリカ・アリゾナ工場の3nm生産体制を急ぐ。
客観的に見るとTSMCは圧倒していると思うのですが、IntelやSamsungの躍進を防ぐために関税で生産設備が回帰しているアメリカでの生産をさらに強化するつもりのようです。
おりしも、Rapidus対策のため、日本でも2nmプロセスを開始するために投資を決定したところです。
急変する世界情勢の中で、TSMCの方針もまた大きく変更になり、莫大な投資を行う方向に向いています。
今のところ旺盛な需要のため問題はありませんが、AIバブルがはじけたりするとどうなるのかと今一つ安心できないですね。
日本ではRapidus、アメリカではIntelとSamsungと独走態勢に入るかと思われたTSMCもなかなか油断のできない状況のようです。