
IDCは、サプライチェーン全体で「価格高騰」の波が押し寄せると予測しており、来年新しいPCを購入することは、消費者にとって大きな出費となる可能性があります。
メモリ・スーパーサイクルがサプライチェーンに混乱をもたらし、2026年にはPC出荷台数が大幅に減少する可能性
メモリ・スーパーサイクルは、PCゲーマー、特に今の時代にシステム全体を構築しようとしているゲーマーにとって悪夢となりつつあります。
ここ数週間でRAMの価格は急騰しており、同時にAMDやNVIDIAなどのGPUメーカーは、汎用DRAMのコスト上昇を受けて、それぞれの製品の値上げを検討しています。
IDCは2026年の市場分析でPCゲームの将来展望を示しており、そのコメントに基づくと、来年はPCゲームコミュニティにとって厳しい年になる可能性があるようです。
メモリ不足のタイミングは、Microsoft Windows 10のサポート終了に伴う買い替えサイクルとAI搭載PCのマーケティング戦略が重なり、PC業界にとって最悪の事態を招いています。
PCベンダーは、2026年下半期に向けてコスト圧力が高まる中、幅広い価格引き上げを示唆しています。Lenovo、Dell、HP、Acer、ASUSは、顧客に対し、今後の厳しい状況への対応として15~20%の値上げと契約内容の見直しを示唆しています。
- IDC
IDCは、来年にかけてPC市場の出荷台数が4.9%減少すると予測していますが、メモリ事情が今後悪化した場合、この減少幅が拡大する可能性があると免責事項を付記しています。
さらに重要な点として、IDCが指摘したもう一つの興味深い点は、大手OEMメーカーがDIYシステムを扱うことが多い地元ベンダーと比較して、業界でのシェアを拡大すると予想されることです。
大手OEMメーカーは「魅力的な価値」を持つプレビルドシステムを提供できるため、ゲーマーは最終的に個々のコンポーネントを購入するのではなく、完全なシステムを導入せざるを得なくなります。
そのため、カスタムPCへの投資は来年大幅にコスト高になる可能性があります。

さらに、Copilot+などのデバイス内AI機能にはより大容量のRAMが必要であり、メモリ供給の制約によりメーカーは最終的にエッジAIへの取り組みを後退させるため、「AI PC」の盛り上がりも来年には鈍化するでしょう。
メモリ不足によりメーカーが価格を維持し、より大容量のRAMを搭載できなくなるため、ミドルレンジのノートパソコンは8GBメモリを標準搭載すると予測されていることは先日も取り上げました。
ここ数ヶ月の報道を見ると、2026年は新しいPCコンポーネントを購入する上で最も「厄介な」年の一つになる可能性があり、サプライチェーンの混乱の激しさという点では、COVID-19や仮想通貨マイニング時代の混乱を上回る可能性さえあります。
解説:
IDCがコンシュマーPC全体の売り上げが委縮する可能性を示唆しているようです。
PCベンダーは、2026年下半期に向けてコスト圧力が高まる中、幅広い価格引き上げを示唆しています。Lenovo、Dell、HP、Acer、ASUSは、顧客に対し、今後の厳しい状況への対応として15~20%の値上げと契約内容の見直し
とありますので、当然といえば当然です。
なぜならば企業も個人もPCに支出できる金額は一定で高くなったからと言ってその分金額が増えるなどということはありません。
予算を超えたら「買わない」(台数を減らす)という選択肢も当然視野に入ってくることになります。
それが普通の感覚でしょう。
メモリメーカー以外も値上げを画策しているようですが、よほど生産計画をきちんと立てない限り、売れないので余って、余ったら当然値段が下がり、小売店は次の入荷数を絞る(か断る)ということになります。
いくらメーカーが「価格を上げたい」といってもメモリが高騰すれば完成品ならPCそのものが、自作ならすべてのパーツが売れなくなります。
そのため、高値を付けているメモリ(とひょっとしたらSSDも)以外のパーツは価格が下がるでしょう。
いえ、下げざるを得なくなるといった方が正しいかもしれません。