台湾大手のTSMCは、2024年末までにASMLから高NA EUVリソグラフィ装置の最初のバッチを受け取り、次世代プロセスへの移行を示す。
TSMC、市場競争の中で高NA装置への切り替えを決定、A14およびAheadプロセスで活用される可能性が高い
高NA装置の利用は、今やチップメーカーにとって「プレミアム」なものと見なされており、サムスン、インテル、TSMCの半導体レースのビッグ「3」プレーヤーは、いずれもASMLの高NA装置を手に入れようとしているようだ。
興味深いことに、当初、TSMCはASMLの高NA技術を取得する計画はないと言われていた。
その主な理由は、装置を統合し、TSMCの台湾施設に装置を収容することに関連するコストが高いためである。
しかし、以前の報道では、TSMCの高NA計画は軌道に乗っており、業界内のバランスを維持したいと考えていることが明らかにされている。
日経アジアは、TSMCの高NA装置は今年中に納入される見込みであり、台湾の大手企業はおそらくこの装置を利用する最初の企業の1つになるだろうと報じている。
TSMCは、ASMLのTwinScan EXE:5000 High-NAリソグラフィ装置を受け取る予定であり、この装置は8nmの解像度と13.5nmのEUV光波長を持つ。
この装置により、チップメーカーはチップを1.7倍小型化でき、トランジスタ密度は2.9倍に向上する。
ASMLは、Twins can EXE:5000は業界最高の生産性を持つと述べており、台湾の大手企業にとって、高NAのハンズオンを得ることは絶対的な勝利である。
しかし、注目すべき興味深い事実は、この機械1台がTSMC社にとって1台約3億5,000万ドルという、実に巨大なコストがかかっていることである。
これが、現在、高NAが半導体市場の「聖杯」と言われている理由である。
インテルが高NAのEUV装置を5~6台取得する予定であることを考えると、チーム・ブルーは次世代プロセスに全力投球していることになる。
実装の面では、TSMCの高NA EUVは、2027年に量産が予定されている同社の1.4nm(A14)プロセスでその魔法を発揮する。
特にAIハイプに焦点を当て、TSMCは高NAを使用することで市場での競争を激化させる計画である。
競合他社が同様のアプローチを採用することで、将来的なノードの性能差は間違いなく、より興味深いものになると言っても間違いではないだろう。
解説:
TSMCが見送る予定だった高NA EUV装置を導入するようです。
この装置は350億ドルで円に換算すると1台約5兆3559億円ということになります。
とんでもない金額でびっくりですが、Intelはこれを5-6台購入する予定とのことです。
IntelはIntel3(Sierra Forest、Granite Rapids)、Intel20A(Clearwater Forest)と来て、Intel18Aで一般消費者向けの製品を投入するといわれています。
EUV世代に入ってから、Intelの製造プロセスも自社生産分のみでは採算を取るのが難しくなったとされているため、ある程度の受注が取れなければ一般消費者向けの製品を生産するのが難しいといわれています。
この記事によると、
- TSMC 2nm 2025年
- TSMC A14 2027年
とのことです。
Intel18Aが2025年-2026年のPantherLakeから使われることを考えると、今のところほぼ同時期と予測できますが、ロイターによると周辺サプライヤーからはIntel18Aは遅れるのではないかと仄めかされているようです。
IntelのTickTockがまだ生きているならば2年に一度の更新を守れば実現可能ということですが、今のところIntel14Aは2026年、Intel10Aは2028年と予定されています。
上の周辺サプライヤーの仄めかしを見ると遅れ気味になっている可能性もあるということです
Intelが今年の2月に公開したロードマップを守れるかどうか微妙なところです。
おそらく、TSMCの予定を見て、勝てるようにロードマップを引いたのでしょう。
EUV世代になってから、他社生産分の受注が取れなければ製造ノードをロンチできたとしても、一般向け製品を生産するのは難しいでしょう。
まずはIntel18Aが無事に一般向け製品の製造プロセスとして活用できるのかどうかが焦点になります。
さて、TSMC2nmとIntel18A、勝利するのはどちらでしょうか?
Intel3とIntel20Aはロンチできても高単価・高収益のサーバー向け製品にしか使われませんでした。
自社向けの製品のみに使うということであれば、製造コストがペイできないのでしょう。
この辺りにもIntel、Intel Fabの命運がかかっていると思います。