VRヘッドセットに関しては「VR HMD推奨PC」でも紹介していますが、AcerがIFA2018(国際コンシューマーエレクトロニクス展) でWindows MRヘッドセットの改良版OJO500を発表しました。
公式のプロモーション動画
Acerの従来製品はAH101で、開発者向けのバージョンも担当していたWindows MRのデファクトスタンダードだったわけですが、早々に改良版を発表しました。
VR機器に関しては2018年に入ってから(正確には2017年の末から)急に失速しましたので、ちょっと先行きを心配していましたが、こんな風に新製品が出るところを見ると一安心できます。
OJO500 | AH101 | Samsung Odyssey | |
ディスプレイ | LED | LED | 有機EL |
解像度 | 1440×1440 ×2(枚) | 1440×1440 ×2(枚) | 1440×1600 ×2(枚) |
リフレッシュ レート | 90Hz | 90Hz, 60Hz | 90Hz |
視野角 | 100度 | 95度 | 110度 |
位置トラッキング | 内蔵 | 内蔵 | 内蔵 |
主なスペックは上の通りです。
Windows MRはSamsung Odysseyが飛びぬけて高性能で価格も高いのですが、残念ながら日本では未発売です。
比較のために表に入れてあります。
視野角が若干広がったほかはAH101とほとんど変わりません。
WindowsMRはヘッドセット本体外部につけられたモーションセンサーで位置をトラッキングできるので、Viveやオキュラスの様にセンサーを本体とは別に設置しなくても良くなっています。
価格は北米$399、EU・中東・およびアフリカで€499です。
最大の変更点は使い勝手で、ヘッドセットのバイザー部分を跳ね上げることが出来るようになっています。また、ヘッドホンが本体付属になっています。
バイザーの顔に接触する部分を取り外し可能です。
スペックというより使い勝手を向上させたということのようです。
こうした改良が入って価格は据え置きです。
※ コントローラーが含まれていないという話があるようですが、公式サイトのプレスリリースを見ても確認できませんでした。
WindowsMRは去年発売されて、VR HMDの価格を大幅に下げました。
当初は対応ソフトの数を危ぶまれましたが、Steam VRの対応HDMとなりましたのでViveが動くソフトは大体動くようです。
※ 当然ですが、公式に対応を謳われていないソフトに関しては完全なる自己責任の世界になります。ネットでは正常に動いたという動作報告が多数上がっておりますので、それを手掛かりに自己解決できる方向けの情報です。
モーションセンサーが外部ではなく、本体外部についているため、多少使い勝手は違いますがその分価格が安くなっています。
また、ViveやOculusはモーションセンサーが外部についているためトラッキングの精度が高く、より質の高いVR体験をすることが出来るのですが、本体のほかにセンサーごとに電源ケーブル二本(コンセント二個口)必要となります。
センサーも対角線上2mの高さに設置する必要があり、3X4x2(高さ)のスペースが必要になります。
日本の住宅事情を考えるとあまりにハードルが高いと言わざるを得ません。
私の自宅では無理です(笑
設置できるとしても、様々な工夫が必要でしょう。
すくなともネットで検索して購入された方の設置事情を見てみると涙ぐましい努力を行っています。
この努力には素直に賞賛を贈りたいです。
こうした事情を考えれば本体にモーションセンサーを内蔵し、本体のほかにケーブルがいらないWindowsMRは日本の住宅事情に最適化した製品といえると思います。
VR HMDの簡易版といった趣ですが、基本的で最低限度の機能はそろっているため、「Viveは高すぎる」と思っている人にもよいでしょう。
それでいてスマホVRと比較すると明確な性能差があります。
残念ながら現在、日本での販売は未定となっておりますが、既に販売中のAH101が日本で一番メジャーなWindowsMR製品となっているため、OJO500も販売されるものと期待してよいでしょう。
※ 2018/9/05追記
The Acer OJO 500 comes in an optional configuration that includes two Bluetooth enabled motion controllers that sync with the headset; a Windows 10 button, touchpad, and grab button to let users interact with digital objects in mixed reality.
プレスリリースに以上の表記がありますので、やはりコントローラーはオプションになるようです。
このコントローラーはDellの直販で12,600円ほどで購入できますが、かなり割高感があります。
ソース:Acer公式(英語) - Acer Introduces the Acer OJO 500 Windows Mixed Reality Headset