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AMD、Versal第2世代アダプティブSoCをリリース、組み込みAI市場で強力に対抗

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AMDがAIエンジン専用に設計されたVersalシリーズの次世代チップを発表したことで、エッジAIコンピューティング市場の競争はさらに激しくなるだろう。

AMDの最新Versal Gen 2アダプティブ・チップは、ARMアーキテクチャーを搭載し、エッジAIセグメントを次のレベルへと導く

Embedded Worldカンファレンスで、AMDは、市場で拡大するAIニーズに対応するために明確に設計された、新しいVersal AI Edge Series Gen 2およびVersal Prime Series Gen 2アダプティブ・チップを発表することを決定した。

新しいSoCは、「高性能」ARM CPUの統合により、10倍高速なスカラー計算を実現し、前世代よりも最大3倍の性能を発揮するという。

AI対応組込みアプリケーションの需要は爆発的に増加しており、組込みシステムの消費電力と面積の制約の中で最も効率的なエンドツーエンドのアクセラレーションを実現するシングルチップ・ソリューションの必要性が高まっています。

40年以上にわたるアダプティブ・コンピューティングのリーダーシップに支えられたこれらの最新世代Versalデバイスは、ローエンドからハイエンドまでのスケーラビリティを備えた高い計算効率と性能を提供する単一アーキテクチャ上に複数のコンピュートエンジンを統合しています。

- AMDアダプティブ&エンベデッド・コンピューティング・グループSVP兼GM、サリル・ラジェ氏

Versal AI Gen 2チップは、8個のCortex A78AEプロセッサーと10個のCortex R52コア、ディスプレイ用のARM Mali-G78AE GPUを搭載した、かなり多様なCPU構成となっている。

AMDは新しいVersalシリーズに関する詳細をあまり明らかにしていないが、このプラットフォームがDDR5/LPDDR5Xメモリー・コントローラーをサポートし、その他いくつかの接続性アップグレードもサポートしていることが明らかになっている。

強化されたVersalのラインアップは、組み込み分野で有力な競争相手となるべく前進しているように見える。

AMDがこのペースで開発を続けることを考えると、大きな注目を集めることになりそうだ。

AMDが発表したプレゼンテーション・スライドで注目されたもう1つのエキサイティングな要素は、同社がAIエコシステム、特に効率的なAI処理のために構築された同社のライブラリであるVitis AI内で行われている進歩に多額の投資を行っていることだ。

チーム・レッドは、ソフトウェア・エコシステム部門でNVIDIAに大きく遅れをとっているが、特にAMDが組み込みAI市場に注力していることを見ると、この状況は今後変わっていきそうだ。

ソース:wccftech - AMD Releases Versal Gen 2 Adaptive SoCs, Strongly Competing Embedded AI Markets

 

 

 

 

解説:

AMDがエッジデバイス用のVersalプロセッサの新製品を発表

AMDは組み込み製品ではほとんど採用されていませんが、こちらは旧ザイリンクスの流れをくむ製品なのでしょう。

ここにきてエッジデバイス用製品のAI性能が急速に上がっています。

基本的にはAMDやIntelのCPUやSoCに内蔵されていてるNPUも同レベルのものと解釈してよいと思います。

同種の製品を出している企業にはHAILOがあり、こちらは先日商業メディアが取り上げていました。

M.2用のAI/MLアクセラレーターを発売しているHIALOの公式HP

こちらは下位製品の26TOPSのHILO 8で$200程度の価格で売られています。

ずいぶん安いなというのが印象ではないでしょうか。

正直に言うと、NPUも含めたエッジデバイスがPC上でどのような性能を発揮するのかには興味がありますが、エッジでバスそのもののはわたくしはあまり興味がありません。

内臓のNPUやこれらのチップが外部のAI/MLアクセラレーターと連携させてどのような性能を発揮するのか?

具体的にはLLMや生成AIをタブレット程度の端末で十分に機能させられるのかどうかには興味があります。

HILO 8のようなM.2接続のAI/MLアクセラレーターで十分に一般ホビー向けの生成AIが動くということになれば、M.2はSSDを接続するものではなく、AI?MLアクセラレーターのインターフェイスとして一般的になっていくかもしれませんね。

AMDがVersal2で切り込もうとしている市場も同じようなものとわたくしは認識しています。

いずれにせよ急速に広がる生成AIですが、30万円以上するGPUではなく、数千円から数万円のコストで十分に高速な結果が出せるようにならない限りはあまり一般的とは言い難い分野になるのかなと思います。

エッジデバイスなら、我々の目の前に現れるときはChromebookやタブレット製品のようにあまり汎用性のない特化型のデバイスとして合われるはずなので、生成AI使用する専用のデバイス、使用を前提のデバイスができるだけ安価で早期に現れることを期待しましょう。

 

 

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