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ラピダス: TSMCの顧客にサービスを提供したいが、TSMCのようにはならない

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ラピダスは、少なくとも当初は5〜10社にサービスを提供したいと考えている。

日本政府と財閥が支援する半導体コンソーシアム、ラピダスは、2027年に2nm製造プロセスによるチップの大量生産を開始する予定だ。

ラピダスは、その生産能力をすべて使用できるようにするため、少なくとも1社のグローバル企業から受注を獲得し、実質的にTSMCや他のファウンドリーと競合したいと考えている。

しかし同時に、ラピダスはTSMCのようになるつもりはない。

ラピダスの2nm製造プロセスを支援しているIBMは、材料研究など時間のかかることに関しては多くの力仕事をこなしているが、それでもラピダスは多くのことをこなさなければならないだろう。

ラピダスが2027年に2nmチップの製造を開始するためには、約350億ドルが必要になると見積もっているのはそのためだ。

生産ノードのR&Dコストとファブコストを回収するためには、最先端ノードで大量のチップを生産する必要があるが、日本企業はそのような部品の大きな需要を生み出さないかもしれない。

そのため、ラピダスはアップルやAWSのような多国籍企業から受注する必要がある。

「我々は米国のパートナーを探しており、GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)のいくつかの企業と話し合いを始めている。

「具体的には、データセンターからの(チップの)需要があり、現在、彼らが思い描く半導体を作れるのはTSMCだけだ。そこにラピダスが参入することになる。」

実際、データセンター向けのカスタムチップを開発する企業は最近急増している。

アマゾンとグーグルは、特定のニーズに対応するために多くの自社設計を開発し、アップルはもちろん、同社の家電機器に電力を供給する何十ものSoCやチップを持っている。

これらの企業はすべてTSMCを使用している。

TSMCは最も競争力のあるプロセス技術を持ち、さまざまな製品ラインでIPを活用できるからだ。

アップルやグーグルのようなコングロマリットだけでなく、カスタムシリコンを必要とするハイパースケーラは他にもあり、前者が競争力のある生産技術、良好な歩留まり、競争力のある価格を提供できるのであれば、TSMCやサムスン・ファウンドリーではなくラピダスを選ぶかもしれないからだ。

興味深いことに、ラピダスは何十社もの企業にサービスを提供しようとは考えておらず、5~10社程度の顧客にサービスを提供するつもりだという。

「私たちのビジネスモデルは、顧客ごとに製造するTSMCのようなものではありません。「最初は多くても5社程度でスタートし、最終的には10社まで増やし、それ以上増やすかどうかも検討します」。

5社から10社で、ラピダスが2027年に2nm生産を開始するために必要な数百億ドルを回収できるだけの需要を生み出せるかどうかは未知数だ。

一方、最先端ノードで製造される設計に投資しようとする企業の数はかなり限られているため、2027年に2nmの重要な注文を持つ顧客を5社獲得することさえかなり難しいだろう。

また、日本政府から見れば、ラピダスは日本の最先端半導体サプライチェーンを若返らせることを目的としているため、たとえ同社の2nmノードが成功しなかったとしても、後継企業への道を開き、地元のチップ設計者に新たな門戸を開くことになる。

ソース:Tom's Hardware - Rapidus: We Want to Serve TSMC's Customers, But We Won't Be Like TSMC

 

 

 

解説:

Rapidusの話題

国産最先端半導体FabのRapidusの話題です。

RapidusはIBMの支援を受けているとのことですが、こちらはGlobal Foundriesと構図がよく似ています。

Global FoundriesはIBMのFab事業を買収しています。

元はAMDの半導体製造部門でしたが、AMDの業績不振をきっかけに独立しました。

その後IBMのFab事業を買収しています。

90μあたりでAMD躍進のきっかけになったSOIは元々はIBMが開発した技術です。

RapidusはIBMの支援を受けているというのは最先端製造技術から脱落してしまったGFに変わって新たに最先端の製造技術に挑戦する会社と言う風にも取れます。

いきなり、半導体産業を復活させるのは不可能と言っている方がいましたが、Rapidus=IBMからの技術支援と考えると不可能ではないと思います。

※ただし過去にGFが脱落していますので、難しいと言えば難しいのだと思います。

 

そもそもとして日本の半導体産業を潰したのはアメリカなので、是非GAFAMのどこかはRapidusに発注してほしいものだと思います。

中国に半導体製造がシフトしてしまったのも、中国が最先端の半導体を軍事に活用しようとしているのも全てアメリカが日本から中国に半導体の製造を移し、NY証券市場を通じて莫大な資金調達に協力したからでしょう。

東アジアの政情が不安定になっているのもすべてこうした中国の覇権主義が原因です。

最低限度、政情が安定化するまで同盟国に支援してほしいものです。

Googleやamazonなどはサーバー向けで独自のシリコンを製造することを悲願としていますので、受注が獲得出来たらかなり強いのではないかと思います。

いずれにしても2nmの製造に目途が付けられるようになるまでがスタートラインで、GAFAM級の企業から受注してサプライチェーン網の中に組み込まれてようやく一人前と言うところでしょう。

個人的には自作PCパーツの半導体やスマホのSoCの製造に携わることが出来たらうれしいかなと思います。

 

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