AIがもたらすゲームの未来に関しては色々あると思います。
今回は以前に記事を書いた「ゲームのヒロインが美人じゃなくなる可能性について」に関連したことについて触れていきたいと思います。
この記事で市民団体の主張によってゲームや映画の世界から美人・美少女が消えてしまう可能性について触れました。
その対策として、
しかし、ゲームのキャラクターは基本的に全てポリゴンなのですから、こうした規制は買った後にダウンロードコンテンツとして配信することで回避できるんじゃないですかね。
その分工数がかかるならば、有料のDLCとすればよいのではないかと思います。
このようなことを書きました。
しかし、時代はどんどん先の方に行っているらしいです。
京都大学発のベンチャー企業が架空のアイドルの画像を自動生成するAIの開発に成功したそうです。
ソース:株式会社データグリッド - ニュース 「クリエイティブAI開発のデータグリッド、アイドル自動生成AIを開発」
ソース元の画像は一見実在する普通のアイドルの顔に見えますが、全てAIが自動生成した画像です。
データグリッドのページには動画もあり、自動生成された画像の顔が次々と変わっていく様子が映し出されています。
こうした単なる画像とゲームに使われるようなポリゴンとは大きな差があるように感じるかもしれませんが、ゲームの場合、MMOなどのようなキャラクタークリエイトシステムを各社で共同開発して、自動生成するだけで良いと思いますので、もっと簡単なのではないでしょうか。
システムそのものはPCで実行する必要はないので、高性能なコンピューター(サーバー)上で実行できるシステムを用意すればユーザーの好みに応じた顔を自動生成できるようになるのではないかと思いました。
このキャラクタークリエイトのシステムは外に出してしまえば、相当高度なシステムでもかなり近い未来に実現可能かと思います。
女性や人種差別に対する対応などは、業界一丸となって対応しなくてはならないことだと思います。
そのため、普段は競争のために分散しているリソースを集中させやすいと思います。
メーカーがイメージの方向性をつけたければ、ある程度の幅を持たせて好みのプリセットをシステムの中から選択してダウンロードするようにすればよいのではないでしょうか。
100%ユーザーの好みに任せるならば、実在する人物やイラストなどの画像をアップロードすればそれに近い人物を自動生成してくれるようなシステムを用意することも可能ではないでしょうか。
こうしたAIがもたらす果実はゲームの配信者や動画配信者にとっても大きな実りをもたらすものだと思います。
既にVirtal Youtuberになることのできるシステムが無料で公開されています。
参考リンク:Hitogata - VirtaulYoutuber向け動画作成ソフト
もっとテクノロジーが進めば、このようなアバターをアシスタントとして、一人で掛け合いの動画を作ったりできるのではないでしょうか。
相方の台詞は自分でふき込んで、音声を変換することで女性や男性の声を自然な形で入れることも可能でしょう。
また、アダルトのジャンルになりますのでここでは直接の紹介は控えますが、「カスタムオーダーメイド3D2」ではVirtual Youtuberになれるシステムが標準で搭載されています。
未来のYoutuberは一見美少女でも中の人はどんな人なのかわからないというのが一般的になるかもしれません。
今はアニメ調のキャラだけですが、ここまでくれば、先ほどのアイドルの画像を自動生成するシステムのようにリアル系の3Dのアバターを自動的に生成するシステムが開発するのはそれほど難しいことではないと思います。
実際にリアル系だとインパクトという面では弱いのと、不気味の谷を越えるときに気を遣う必要があるので作られてないだけじゃないでしょうか。
キャプチャした配信画面に自動で生成したアバターを表示させ、声もリアルタイムで変換することができるようになれば、どんな人でも明日から美少女Youtuberです。
また、現実だと用意するのに金のかかる共演者もほとんど手間いらずで何人でも用意できるでしょう。
美男・美女を求めるのは人間の本能ですので、そこには大きな需要があります。
今は始まったばかりですが、AIを中心としたこのような「自動生成もの」はすぐにフォトリアルな3Dアバターにも応用されていくものと思います。
かなり有名な3Dアバターですので、ご存知の方も多いと思いますが、ポリゴンの美少女アバターsayaです。
最初は静止画だったポリゴンの美少女Sayaは個人のクリエイター(二人組)が自費で製作していましたが、あっという間にスポンサーがついて、動画を作成するまでになりました。
以前の記事でも書きましたが、男が美女を、女がイケメンを求めるのはその方が自分の子供が優れた外見の性質を受け継ぎ、よい異性と巡り合う可能性が高くなるという本能に基づいた行動です。
合理的な理由と本能による行動ですので、誰にも止めることはできません。
美女(美少女)を求めるという本能が社会に影響を与え、個人で活動しているクリエイターが大企業すらをも動かし得る実例です。
このSayaは手作業で細部の矛盾を潰していき、すでに実在の人物と見分けがつかないレベルまで行っています。
今回の架空のアイドル画像(2D)自動生成はAIによる解析でこのようなフォトリアルなアバターを自動生成できるシステムを作ることも可能ではないかと思わせるようなニュースです。
こうしたシステムに唯一の欠点があるとしたら作り手の作家性やゲーム世界を貫くイメージの一貫性が失われることです。
結局は皆が求めるものを止めることは出来ない
こうしたテクノロジーに対して先ほども挙げたような市民団体がどんな反応を示すのか興味のあるところです。
反差別の主張を行って他人の行動を大きく制限しようとする個人・団体は嫌われるものですが、個人が情報発信者としての多様な姿を手に入れたとき、そこにも差別の名のもとに規制を入れてくるつもりなのでしょうか。
彼らが反差別の美名のもとにこうしたシステムに牙をむくのかどうかはその時になってみないとわかりませんが、結局規制を行ったとしてもテクノロジーの進歩はその規制を凌駕していくものと思います。
エンドユーザー一人一人の手に託されたテクノロジーの成果を規制することは出来ないと思いますし、そこまで行ったら流石にファシズムの萌芽ですね。
皆が求めるものには大きな需要が発生し、資金が投下されるというのは誰にでもわかる理屈でしょう。
近い未来のゲーム世界やYoutubeは自動生成された美少女・美女・美男子のアバターであふれかえることになるかもしれません。