戸定梨香Western DigitalのNVMe Gen4SSD SN850がもうすぐ発売されます。
それに合わせてと言うわけではありませんが、今回は注目のSSD製品とメーカーを紹介したいと思います。
製品は最近価格がかなり下がってきた2TBを紹介していきたいと思います。
Sabrent
Rocketと言うブランドで主にNVMe SSDを販売しているメーカー
公式HP
英語版Wikiには項目だけ残っており、「アメリカのコンピュータハードウェアブランド」とあります。
https://www.wikidata.org/wiki/Q7396371
日本では聞いたことがない会社ですが、怪しい会社ではないようです。
日本で代理店が付かないようなメーカーがamazonを経由して直接日本で販売するケースが数年前からありましたが、どうもここもそういうメーカーのようです。
SabrentのSSD製品
Sabrent 2TB Rocket Q4 NVMe PCIe 4.0 M.2 2280
型番 | SB-RKTQ4-HTSS-2TB |
容量 | 2TB |
発売時期 | 2020/6 |
コントローラー | Phison PS5016-E16 |
フラッシュメモリ セルの種類 | Toshiba 96層 3D NAND TLC BiCS4 |
キャッシュ | 未公開 |
シーケンシャル リード | 4800 MB/s |
シーケンシャル ライト | 3600 MB/s |
ランダムリード | 750,000IOPS |
ランダムライト | 750,000IOPS |
最大消費電力 | 未公開 |
MTBF | 未公開 |
TBW | 3600TBW |
保証年数 | 5 |
Sabrentのヒートシンク付きフラッグシップSSD製品です。
フラッシュメモリはBiCS4なので耐久性は折り紙付きです。
amazonの販売ページではQLCとなっていますが、メーカーのHPではTLCとなっています。
型番は末尾にJPが付いていること以外は全て同じなので、恐らく販売ページが間違っているのだと思いますが、購入に当たっては自己責任でお願いします。
こちらGen4対応で調査時点で販売価格36,800円はかなり安いです。
キャッシュは不明ですが、ほぼ確実に搭載されていると思われます。
他のGen4 SSDが霞んでしまうスペックと価格です。
Sabrent Rocket Q 2TB NVMe PCIe3.0 M.2 2280
型番 | SB-RKTQ-2TB |
容量 | 2TB |
発売時期 | 2020/2 |
コントローラー | Phison PS5012-E12S |
フラッシュメモリ セルの種類 | Micron 96層 3D NAND QLC |
キャッシュ | DDR4 |
シーケンシャル リード | 3200MB/s |
シーケンシャル ライト | 2900MB/s |
ランダムリード | 225,000IOPS |
ランダムライト | 670,000IOPS |
最大消費電力 | 未公開 |
MTBF | 未公開 |
TBW | 530TBW |
保証年数 | 5 |
Sabrentの普及価格向けQLC SSD。
Crucial P1のような第一世代のQLC SSDは低速でしたが、こちらTLCとほぼそん色のない速度です。
やはり耐久性は低めですが、価格は調査時点で2TBで26,800円とかなり破格の値段です。
最安クラスと言ってもよいでしょう。
QLCでもこれだけのスペックならありかも?と思わせる製品です。
addlink
addlinkは最近よく見かけるようななったSSD製品を販売している台湾の企業です。
公式HPは日本語化されていますが、機械翻訳なのかちょっと日本語が怪しいです。
ただし、某国の製品のように選別落ちした大手企業のフラッシュメモリを横流しして無理やり製品を作るような海賊的行為は行っていないようです。
日本ではLinksインターナショナルが代理店になっており、元の企業の調査はするでしょうから、それなりに信頼性のある企業と判断してよいでしょう。
日本では出版社系の大手WEBメディアさんも紹介しており、この点も安心できます。
addlinkのSSD製品
addlink SSD 2TB S90シリーズ M.2 2280 PCIe Gen 4.0×4 NVMe
型番 | ad2TBS90M2P |
容量 | 2TB |
発売時期 | 2020/9 |
コントローラー | Phison PS5016-E16 |
フラッシュメモリ セルの種類 | 3D NAND TLC (BiCS4) |
キャッシュ | DDR4 |
シーケンシャル リード | 5000 MB/s |
シーケンシャル ライト | 4400 MB/s |
ランダムリード | 750,000IOPS |
ランダムライト | 700,000IOPS |
最大消費電力 | 未公開 |
MTBF | 180万時間 |
TBW | 3600TBW |
保証年数 | 5 |
SabrentのSB-RKTQ-2TBとスペックがよく似ていますが、こちらの方が全体的に性能が良いです。
その代わりなのかどうかわかりませんが、価格も45,990円とこちらの方が高くなっています。
addlink SSD 2TB S92シリーズ M.2 2280 PCIe Gen 4.0×4 QLC NVMe
型番 | ad2TBS92M2P |
容量 | 2TB |
発売時期 | 不明 |
コントローラー | 非公開 |
フラッシュメモリ セルの種類 | 3D NAND QLC |
キャッシュ | 非公開 |
シーケンシャル リード | 4850 MB/s |
シーケンシャル ライト | 3600 MB/s |
ランダムリード | 350,000IOPS |
ランダムライト | 700,000IOPS |
最大消費電力 | 未公開 |
MTBF | 180万時間 |
TBW | 非公開 |
保証年数 | 5 |
addlinkのPCI Express4.0対応QLC NVMe SSD。
スペックは非公開が多いですが、S90とは対照的にあまり積極的に情報が公開されていません。
TBWすらも情報が無いので、もう少し情報を公開してほしいところです。
価格は記事執筆時点で39,900円とあまり安くなく、ハイエンド向けの格安品(?)と言う非常に難しい立ち位置の製品になっています。
上で紹介したSabrentのSB-RKTQ4-HTSS-2TBの方が安く、スペックが非公開の部分も併せて、わざわざQLCを選ぶメリットと言うのをあまり感じません。
ad2TBS70M2P 2TB SSD S70 M.2(2280) NVMe
型番 | ad2TBS70M2P |
容量 | 2TB |
発売時期 | 不明 |
コントローラー | 非公開 |
フラッシュメモリ セルの種類 | 3D NAND TLC |
キャッシュ | DDR4L |
シーケンシャル リード | 3500 MB/s |
シーケンシャル ライト | 3000 MB/s |
ランダムリード | 510,000IOPS |
ランダムライト | 500,000IOPS |
最大消費電力 | 未公開 |
MTBF | 180万時間 |
TBW | 1800TBW |
保証年数 | 5 |
こちらはPCI Express3.0対応のTLC SSD製品。
価格は記事執筆時点で、32,400円とそこそこの価格ですが、安いという感じではありません。
規格としては型落ちのPCI Express3.0 NVMe SSDに求められるのはやはり価格だと思いますので、こちらも立ち位置がかなり難しい製品だと思います。
addlink SSD 2TB S72シリーズ M.2 2280 PCIe3.0×4 NVMe QLC
型番 | ad2TBS72M2P |
容量 | 2TB |
発売時期 | 不明 |
コントローラー | 非公開 |
フラッシュメモリ セルの種類 | 3D NAND QLC |
キャッシュ | 非公開 |
シーケンシャル リード | 3400 MB/s |
シーケンシャル ライト | 3000 MB/s |
ランダムリード | 510,000IOPS |
ランダムライト | 500,000IOPS |
最大消費電力 | 未公開 |
MTBF | 180万時間 |
TBW | 530TBW |
保証年数 | 5 |
こちらはPCI Express3.0対応のQLC SSD製品。
記事執筆時点で29,400円とかなり頑張っていますが、QLCであることも含めてやはり割高感は否めない製品。
こちらはスペック表がかなり公開されており、この点は安心感があります。
Patriot
Patriotは言わずと知れたメモリメーカーの老舗です。
SSDは低価格帯の製品を積極的に出しており、DRAMレスの製品が多いです。
基本的に3年保証です。
P300P2TBM28
型番 | P300P2TBM28 |
容量 | 2TB |
発売時期 | 2020/2 |
コントローラー | Phison PS5013-E13T |
フラッシュメモリ セルの種類 | 不明 |
キャッシュ | 無し(HMBを使用) |
シーケンシャル リード | 2100MB/s |
シーケンシャル ライト | 1650MB/s |
ランダムリード | 290,000IOPS |
ランダムライト | 260,000IOPS |
最大消費電力 | 2.38W |
MTBF | 200万時間 |
TBW | 320TBW (US表記では640TBW) |
保証年数 | 3 |
P300にはUS版とnon-US版があり、2TB版のみ、耐久性の表記がnon-US版が320TBW、US版が640TBWとなっています。
ただし、Patriotはどちらも耐久性や特性に違いはないとしています。
一応、non-US版の表記を採用しています。US版は基盤が青、non-US版は基盤が黒です。
なぜこのような表記になっているのか探してみましたが、理由は不明でした。
P300に採用されているPhison PS5013-E13T 4チャネル4レーンDRAMレスコントローラは、通常、KIOXIA BiCS3/BiCS4 TLC NANDフラッシュと組み合わされることが一般的です。
このドライブは専用DRAMキャッシュを搭載していませんが、Windows 10で採用されているHMB(Host Memory Buffer)テクノロジをサポートしています。Microsoftは、Windows 10のFall Creators Update(バージョン1709)でNVMeドライバにHMBを追加しました。
※ HMBは、NVMe SSD上のアドレス変換テーブルを。HMBに対応したPCなどのホスト機器に搭載しているメインメモリーの一部を間借りして、外部メモリー(バッファー)として活用する技術。NMVe SSD低価格化の切り札と呼ばれています。
一応、HMBには対応しているようですが、速度はあまり速くなく、価格もそこまで安くないので、こちらも非常に微妙な製品です。
結論 やはりお勧めは・・・
手前味噌ですが、やはりお勧めは当サイトの記事:SSD推奨モデルで紹介した2機種と言うことになります。
SX8200Pro 2TB
SX8100 2TB
スペック表はリンク先を見ていただきたいのですが、TLCで2TBが25,131円(SX8100)、28,799円(SX8200Pro)とかなり安くなっています。
耐久性は同クラスのTLCに比べると少し劣りますが、QLCとはまさに桁が違います。(実際にTBWの桁が違います。)
そのため、わざわざ今回紹介したQLCのモデルを買う意味はあまりないです。
唯一、SabrentのSB-RKTQ4-HTSS-2TBだけはフラッシュにBiCS4を採用し、PCI Express4.0に対応して2TBで36,800円とかなり激安です。
基本的には上のADATA2機種を購入したほうがよいでしょう。
2TB SSDは徐々に価格が落ちてきており、ひと昔前の1TBのように2万円をきるまであと少しといったところです。
特にSX8100の2TBモデルで25,131円はSSD2TB時代の幕開けを感じさせる価格です。