AMDのRyzen AI 9 HX 370 APUのES状態のベンチマークがCPU-zでリークされ、前モデルより最大25%高速なパフォーマンスを示している。
AMD Ryzen AI 9 HX 370 APU、CPU-zのベンチマークリークでRyzen 9 8945HSと比較して最大25%の性能向上を実現
AMDのRyzen AI 9 HX 370 APUは様々なベンチマークでリークされているようだが、BilibiliのQinhuai DreamというコンテンツメーカーがCPU-zベンチマークの中でこのチップのCPU性能をリークした。
このベンチマーク・リークでは、シングルスレッドとマルチスレッドの両方のテストが紹介されており、既存のRyzenモバイルAPUであるPhoenixやHawkファミリーと比較することができる。
AMD Ryzen AI 9 HX 370 APUは、Ryzen AI 300 「Strix Point 」ファミリーの一部で、4つのZen 5と8つのZen 5C構成を採用した12コア24スレッドのチップを搭載している。
このチップは最大5.1GHzのブーストクロックで動作し、36MBのキャッシュ(24MB L3 + 12MB L2)と16個のコンピュートユニット(1024コア)を備えたRadeon 890M iGPUを提供する。
そのため、従来のフラッグシップモデルであるRyzen 9 8945HSと比較すると、コア/スレッド数が50%、コンピュート・ユニット数が33.3%、NPU性能が3.12倍となり、世代を超えた大きな向上を実現しています。
性能面では、OPN ID「100-000000994-37_Y」を持つAMD Ryzen AI 9 HX 370 CPUは、CPU-z 2.09.0内のシングルコアテストで798.6ポイント、マルチスレッドテストで8893.6ポイントを記録した。
私たちはRyzen 9 7940HSにアクセスし、このチップがラップトップでデフォルトの45W TDPを使用した場合、シングルコアで約681点、マルチコアで約7065点を記録したのに対し、Ryzen 9 8945HSはMini PCで65W TDPモードを使用した場合、シングルコアで約700点、マルチスレッドで約7098点を記録したことを確認した。
ここで重要なことは、AMD Ryzen AI 9 HX 370 APUのこれらのベンチマークは、エンジニアリング・サンプルと未知のTDPで行われたということだ。
これらのチップは15Wから最大54Wまで拡張可能で、デフォルトでは28Wで動作する。
これがゲーマー向けのASUS TUF Gaming A14ラップトップであることを考えると、基本構成の28Wよりも高いTDPを使用している可能性が高いが、それでも正確な数値を知ることは重要だ。
とはいえ、Zen 5自体がIPCを16%向上させ、新しいRyzen AI 300シリーズ・プロセッサーではコア数が50%増加しているため、最終的なチップは、Zen 4コアをベースとする既存のRyzen 7040/8040 APUに対し、卓越したパフォーマンスを発揮するはずだ。
AMD Ryzen AI 「HX」 APU:
CPU 名 | アーキテクチャー | コア数/ スレッド数 | クロック (最大) | キャッシュ(合計) | AI性能 | iGPU | TDP |
Ryzen 9 AI HX 370 | Zen 5 / Zen 5C | 12/24 | 2.0 / 5.1 GHz | 36 MB / 24 MB L3 | 77 AI TOPs (45 TOPS NPU) | Radeon 890M (16 CU @ 2.9 GHz) | 28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen 7 AI 365 | Zen 5 / Zen 5C | 10/20 | 2.0 / 5.0 GHz | 30 MB / 20 MB L3 | TBD AI TOPs (45 TOPS NPU) | Radeon 880M (12 CU @ 2.9 GHz) | 28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen 7 AI HX 350? | Zen 5 / Zen 5C | 8/16 | 不明 | 24 MB / 16 MB L3 | TBD AI TOPs (45 TOPS NPU) | 12 RDNA 3+ CU? | 28W (cTDP 15-54W) |
Ryzen 5 AI HX 330? | Zen 5 / Zen 5C | 6/12 | 不明 | 20 MB / 12 MB L3 | TBD AI TOPs (45 TOPS NPU) | 8 RDNA 3+ CU? | 28W (cTDP 15-54W) |
解説:
AMD Ryzen 9 HX370 ESのベンチマークがリークされる。
時期的に言っておそらくはほぼ製品版と同じ性能があると考えてよいと思います。
CPU-Zでマルチスレッド性能が最大25%、シングルスレッド性能が最大17%高速化の看板に偽りなしで、かなりの性能を誇ります。
Ryzen AI HX370のコンペティターはLunar LakeやArrow Lakeであり、さすがにひとつ前のモデルであるMeteorLakeに後れを取るようなことはないようです。
今一つは、デスクトップ版のハイブリッドのようにほぼ電力が無制限で使用できるケースでは効率を上げた状態で電力を無制限に使って性能を極大化できますが、TDPが制限された範囲内では出せる力は限られています。
相対的にデスクトップ(ゲーミングPC)よりモバイルのほうが差が小さくなるといってよいでしょう。
もっと言えば、割合は変わらなくても数字が大きくなれば性能差は広がります。
その性能差はデスクトップだと無視できないレベルになる(提灯記事やアピールによって過剰宣伝される点も含む)ということです。
そういう意味でもハイブリッドというのは自作のデスクトップをピンポイントで狙い撃ちしたようなアーキテクチャーだといえます。
おそらくLunar LakeやArrow Lakeでまた抜き返されると思います。
しかし、トップSKU同士で比較すると12コアに進化したRyzen AI HX370との差は前世代(今の現役世代)より小さくなるでしょう。
最近当サイトでは今まで積極的に扱わなかったモバイル向けSoCを扱うようになりましたが、NPUによるアップスケーラーが公開された今、本当に近い未来で安価なGPU内臓のSoCが今のゲーミングPCにとって代わるのは時間の問題だと思います。
少なくともFullHDではSteamをメインのアプリストアにしたゲーム機のような格安のゲーミングPCが出てもおかしくないです。
それは、ARMも含めてという話になりますが。
ARMなら大量生産と拡張性の放棄によってCopilot+の規格に準拠した格安のセットトップボックスのような機種が出ても全く違和感がありません。
その初期のプロトタイプは携帯型のゲーミングPCという形ですでにわれわれの目の前に現れています。
こちらの液晶とバッテリーを取り除けばもう完成です。
もっともっとコモディティになる必要ありますが、早ければ2-3年でPS5以下の価格でそうした製品が出てくる可能性は高いでしょう。
例えばXbox SXはOSは組み込み向けのWindowsですし、中身はほとんど自作PCですが、次世代は格安のゲーミングPCが発売され、存在価値がなくなるかもしれません。
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