デルは顧客に対し、AMDの最新グラフィックカードを中国など22カ所に供給しないよう要請したと報じられている。
デルは、AMDの最新のRadeon RX 7900シリーズのゲーミング・グラフィックス・カードやInstinctの人工知能（AI）およびハイパフォーマンス・コンピューティング（HPC）GPUを、最新の米国輸出規則に従って中国やその他22カ国に販売しないよう、販売担当者に注意を促す文書を発行したと報じられている。
しかし、AMDのコンシューマー向けGPUの仕様を確認したところ、米国政府からの輸出許可が必要ない可能性があることが判明した。
この報告は、Nvidiaの最速ゲーミング・グラフィックス・カードであるRTX 4090に対する輸出禁止勧告に続くもので、同社はこれらのモデルを中国に出荷することができない。
WccfTechが公開したデルの文書とされるものの抜粋によると、勧告にはAMDのRadeon RX 7900 XT、Radeon RX 7900 XTX、Radeon Pro W7900グラフィックボード（これらは現在存在する最高のグラフィックカードの1つである）も含まれている。
さらに、デル自身が制限している製品のリストには、Instinct MI210、MI250、MI250X、MI300シリーズのデータセンター向けAIおよびHPC GPUが含まれている。
報道時点では、この抜粋の正当性を確認することはできなかったが、この件に関してAMDとデルの両社にコメントを求めた。
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中国やその他様々な国への高性能CPUやGPUに関する米国の最新の輸出規則では、米国を拠点とする企業（および多国籍企業）は、非データセンター製品の総処理能力（TPP）が4800ポイントを超える場合、米国商務省から輸出許可を取得しなければならない。
米国商務省は、データセンター製品の場合、TPPだけでなく性能密度も考慮し、それらの要素によっては、輸出許可を全く必要としないか、中国への出荷に関する事前通知を要求するか、あるいは企業に輸出許可を求めるよう要求する（拒否の推定に基づいて審査される）。
この指標とその影響については、こちらで詳細を発表している。
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総処理性能（TPP）スコアは、基本的にTFLOPSまたはTOPSに演算長（例えば、TFLOPSまたはTOPS '8/16/32/64）を掛けたもので、スパース性はない。
性能密度は、TPPを平方ミリメートルのダイサイズで割ったものである。
AMDのRadeon RX 7900 XTXまたはRadeon Pro W7900のINT8レートはわからないが、そのFP16レートは122.64であり、これはそのTPPスコアが1962であることを意味し、輸出許可の要件となるスコアをはるかに下回っている。
リストの他のグラフィックスカードは、FP16レートとTPPがさらに低い。Radeon Pro W7900は、性能密度が3.7でデータセンター製品（これはデータセンター製品ではない）とみなされる可能性があるが、最大25日で輸出許可を取得できる。
AMDのデータセンター向け製品に関して、AMDがリストアップした中で最もパワフルなのはInstinct MI250Xである。
INT8の性能は383TOPSで、TPPスコアは3064である。
これはデータセンター向け製品だが、性能密度は2.11である（ダイサイズが2x724mm^2であることから）。
AMDの既存製品はいずれもTPPスコアも性能密度も十分高くないことを考えると、この文書が正当なものなのか、なぜデルは販売担当者が中国や中国と関係のある団体、あるいは米国にとって国家安全保障上の脅威となる可能性のあるその他の国に販売することを拒否することにしたのか、疑問に思うしかない。
この件についてAMDとデルの双方に問い合わせたところ、正式な声明が得られ次第、記事を更新するとのことだ。
解説：
Radeon RX 7900 XTX、RX 7900、Pro W7900が中国輸出の制裁対象になったのではないかと言われています。
ソースになっているのはDellの文書でこれら三種のGPUが中国に輸出できなくなったとされています。
米国商務省の基準値の半分以下しかありませんので何かの間違いではないかと思うのですが・・・・。
本当だったらAMDにとってはショックですね。
RDNA3は今のところPytorch・・・というかStable diffusion WebUIではRTX4080より性能が下ですから、RTX4080がOKならNavi31もOKだと思うのですが・・・。
RTX4090が輸出禁止になれば価格の割にメモリ搭載量の多いRX7900XTXが多少なりとも使われるようになり、中国発のROCm周りのオープンソース環境が多少なりとも改善するのではないかと言う淡い淡い期待を寄せていただけに(苦笑)このニュースはちとショックです。
AMD製品の総処理性能スコアが低いのはどうもAI性能が低いからのようですね。
このあたりはnVIDIAに一日の長があるようです。
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※ SAPPHIREはAMD Radeon専業のメーカーであり、Radeonのリファレンス的なメーカーです。
