AMDの次期APUは、12個のCPUコアとそこそこのGPUを搭載すると言われている。
AMDの次世代Ryzen 8000シリーズ「Strix Point」アクセラレーション・プロセッシング・ユニットは、Golden Pig Upgrade Packからのリーク(via HXL)を信じるならば、12個のZen 5クラス・コアと作り直されたRDNA 3.5ベースの統合GPUを搭載し、かなりのパンチ力を発揮するかもしれない。
Golden Pig Upgrade Packの評判は良いが、情報は非公式なものであり、慎重に判断する必要がある。
このリークによると、AMDのRyzen 8000「Strix Point」APUは、16MB L3キャッシュを備えた4つの本格的なZen 5コア、8MB L3キャッシュを備えた8つのZen 5cコア、そしてRDNA 3.5アーキテクチャに基づく8つのWGP(1024ストリームプロセッサ)を備えた統合GPUを、大きなモノリシックダイに搭載する。
CPUコアは2つのコアコンプレックス(CCX)に分散されるとされている。
Strix Point APUは、「Big」コアと「Little」コアを搭載するAMD初のハイブリッド・プロセッサーとなるため、このプロセッサーがAMDの既存製品、および最大14コアで最大20スレッドを同時に処理するとされるインテルのMeteor Lake製品に対してどのように対抗するのかが注目される。
一方、Zen 5とZen 5cの両コアはスレッディングをサポートするとされているため、Strix Pointは最大24スレッドを同時に処理できることになる。
次期APUに搭載される12個のZen 5コアに関する情報は以前から報じられていたため、今回の新情報をAMDがそのようなAPUに取り組んでいることの新たな兆候と考える人もいるかもしれない。一方、考えられる構成について推測することは控えるが、同社が異なる構成のStrix Point APUを用意する可能性は十分にある。
Strix Pointのリーク情報で最も興味をそそられるのは、このAPUが8基のRDNA 3.5クラスWGPを搭載したグラフィックプロセッサを搭載することであろう。
iGPUのクロックレートや意図される性能については推測するしかないが、同社が内蔵グラフィックプロセッサーのストリームプロセッサーの数を増やすことを決めたという事実は、このユニットでより高い性能を提供する計画があることを示している。
AMDのノートPC向けRyzen 8000シリーズStrix Pointプロセッサーは2024年に市場に投入される予定であるため、AMDのパートナーの一部はすでにテストドライブを行っている可能性が高い。
したがって、APUの仕様がリークされても不思議ではなく、APUが本当に12コアと強力なiGPUを搭載する可能性はかなり高い。
とはいえ、現時点では、非公式ソースからの情報であり、不正確である可能性もあるため、割り引いて考えてほしい。
ソース:Tom's Hardware - AMD's Ryzen 8000 'Strix Point' to Use Zen 5 and Zen 5c Cores: Report
解説:
Strix Pointの続報が入ってきました。
もう来年発売なのでテストも盛んにおこなわれているでしょうし、徐々にその姿が明らかになっています。
暗い話題が多いRadeonとは対照的にAPUは非常に明るい未来が待っているように思います。
惜しむらくは3D V-Caheが搭載されておらず、メモリ帯域の大幅な向上は見込めないということです。
内蔵GPUは「そこそこのGPU」という表現がありますが、RDNA3.5の16CU1,024SPは文句なしに歴代最強です。
今のPhoenixがGTX1650にやや劣る程度の性能であることを考えるとそれ以上になることは期待できるのではないでしょうか。
ただし、大幅に性能アップが期待できるかと言うとそれは難しいです。
CPU部分はともかくGPU部分はメモリ帯域が性能のカギであり、そこを何とかしなければあまり大きな性能向上は期待できないでしょう。
一気にGTX1650SuperやGTX1660Super(≒RTX3050)くらいまで性能が上がってくれればかなり実用レベルなのですが・・・・。
APUの内蔵GPUは搭載メモリ量によってGPUへの割り当てが変更できるため、性能が上がれば下位や中位のGPUをごぼう抜きにして一気に人気が高まる可能性があります。
APUは最近流行の携帯ゲーミングPCへの搭載も期待できますし、完全に流れをつかんだという感じです。
IntelはGPU性能が高いモデルをプレミアモデルと位置づけて高価に設定しているので戦略がバッティングしていないのもいいところですね。
ハイブリッドの12コア24スレッドに強化されたCPUの仕様はこの分野の競争が如何に激しいかを物語っていると思います。
MCM向けAMD版ハイブリッドに関する考察
あまり情報が出てきていませんが、AMD版ハイブリッドに使われるCCDは恐らく、bigコア用のダイとlittleコア用のダイに分けられるのではないかと思います。
12コア1CCDで、Zen5で実現しなかったとしてもZen6では(願望込みで)そうなると思います。
IntelはArrowLakeでまたコア数を増やすようですので、このようにしていかないと製品として対抗できなくなっていくと思うからです。
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