2023年7月27日付けでROCmがWindowsに対応したようです。
以下、公式ドキュメントの翻訳です。
GPUとOSのサポート(Windows)
対応SKU
AMD ROCm™プラットフォームは、以下のWindows SKUをサポートしています。
バージョン | プロセッサー・ アーキテクチャ | 検証済みの更新 |
Windows 10 | x86-64 | 22H2 (GA) |
Windows 11 | x86-64 | 22H2 (GA) |
Windows Server 2022 | x86-64 |
Windows 対応 GPU
以下の表は、Radeon Pro™およびRadeon™ GPUの対応GPUを示しています。
GPU製品ラインを切り替えるには、下のタブをクリックしてください。
GPUがこの表に記載されていない場合、そのGPUはAMDによって公式にサポートされていません。
Radeon Proシリーズ
名称 | アーキテクチャー | LLVM ターゲット | ランタイム | HIP SDK |
AMD Radeon Pro™ W7900 | RDNA3 | gfx1100 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon Pro™ W7800 | RDNA3 | gfx1100 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon Pro™ W6800 | RDNA2 | gfx1030 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon Pro™ W6600 | RDNA2 | gfx1032 | ✅ | ❌ |
AMD Radeon Pro™ W5500 | RDNA1 | gfx1012 | ❌ | ❌ |
AMD Radeon Pro™ VII | GCN5.1 | gfx906 | ❌ | ❌ |
Radeonシリーズ
名称 | アーキテクチャー | LLVM ターゲット | ランタイム | HIP SDK |
AMD Radeon™ RX 7900 XTX | RDNA3 | gfx1100 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon™ RX 7900 XT | RDNA3 | gfx1100 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon™ RX 7600 | RDNA3 | gfx1100 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon™ RX 6950 XT | RDNA2 | gfx1030 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon™ RX 6900 XT | RDNA2 | gfx1030 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon™ RX 6800 XT | RDNA2 | gfx1030 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon™ RX 6800 | RDNA2 | gfx1030 | ✅ | ✅ |
AMD Radeon™ RX 6750 | RDNA2 | gfx1032 | ✅ | ❌ |
AMD Radeon™ RX 6700 XT | RDNA2 | gfx1032 | ✅ | ❌ |
AMD Radeon™ RX 6700 | RDNA2 | gfx1032 | ✅ | ❌ |
AMD Radeon™ RX 6650 XT | RDNA2 | gfx1032 | ✅ | ❌ |
AMD Radeon™ RX 6600 XT | RDNA2 | gfx1032 | ✅ | ❌ |
AMD Radeon™ RX 6600 | RDNA2 | gfx1032 | ✅ | ❌ |
コンポーネントサポート
ROCm コンポーネントについてはリファレンスページを参照。
Windowsでのサポートは、2つの有効化レベルで提供される。
ランタイム: Runtime: HIP/OpenCLランタイムのみ使用可能。
HIP SDK: ランタイムと追加コンポーネントは、Math LibrariesとC++ Primitive Librariesにあるライブラリを参照します。
一部のMath LibrariesはLinux専用ですので、ライブラリの詳細をご確認ください。
サポート状況
✅: サポート済み - AMDは、対応するROCm製品のソフトウェア・ディストリビューションでこれらのGPUを有効にしています。
⚠️: 非推奨 - サポートは将来のリリースで削除される予定です。
❌: Unsupported - この設定は、当社のソフトウェア・ディストリビューションでは有効になっていません。
CPUサポート
ROCmはPCIe™ Atomicsに対応したCPUを必要とします。
第1世代AMD Zen CPUおよびIntel™ Haswell以降の最新CPUは、PCIe Atomicsをサポートしています。
Windows版HIP-SDK(ROCm?) ダウンロードページ
ソース:AMD公式 - ROCmドキュメント - リリース情報 - GPU 及びOSサポート(Windows)
解説:
これで一応Windows版のROCmがリリースされたということで良いのだと思います。
ビックリすることにLinuxでは正式にサポートされていないRDNA3もサポートされていることになっています。
「じゃ、Stable Diffusion WebUIは実行できるんですか?」と言う問いには、多分これを入れただけでは実行できないと思います。
理由はLinuxでもROCm用のPytorchのビルドが必要だからです。
Stable Diffusion WebUIを実行するにはPytorch2.0かPytorch2.1のNightly、対応するtorchvisionが必要になります。
今のところNightlyでもWindows版ROCmに対応している気配はなく、しばらくは対応されないと思います。
今のところはROCmだけですが、Pytorchの公式がNightlyでも対応すればRadeonでもWindowsでStable Diffusion WebUIが実行できるだろうというのが今のところの答えです。
なお、対応しているのはRDNA2とRDNA3だけですが、RDNA2もNavi33以下のGPUは非対応になっています。
Linuxのように環境変数を設定すれば動くのかそれとも動かないのかこちらも今のところわかりません。
Pytorch Nightlyビルド済みパッケージ一覧ページ
AMDのGPU Radeonシリーズ
Radeon 7000シリーズ
Radeon RX 6000シリーズ
※ SAPPHIREはAMD Radeon専業のメーカーであり、Radeonのリファレンス的なメーカーです。