AMDの超低消費電力ノートPC向けRyzen APUのVan Goghラインに関する新しい情報がリークされました。
それによると、この新しいチップには何個のCPUとGPUコアが搭載されるのか、また、電力に制約のあるノートPCやPCデバイスにどのような機能をもたらすのかがわかってきました。
AMDのVan Gogh搭載RyzenノートPCにRDNA 2 GPUとZen 2 CPUコアを搭載へ
AMDのVan GoghシリーズのRyzen APUには、2つのキーテクノロジーが搭載されます。
それは、CPUの「Zen 2」とGPUの「RDNA 2」というアーキテクチャです。このデザインは、AMDがPCプラットフォームで行ってきたものとは異なりますが、同じ2つのアーキテクチャは、マイクロソフトとソニーの次世代ゲーム機にも取り入れられています。
既存のRyzen 5000 Cezanne APUは、CPUにZen3、GPUにVega Enhancedを採用しています。
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「Moore's Law is Dead」に掲載された情報によると、Van Gogh Ryzen APUはクアッドコア仕様になるとのことです。
AMD Zen 2搭載チップは、TSMC社の7nmプロセスノードを採用し、CPU、GPU、I/O IPで構成されるモノリシックデザインを採用しています。
チップ自体のダイエリアは非常に小さく、またキャッシュが少ないため、AMDがこのチップを大量生産する際のコスト削減が可能になります。
Van Gogh Ryzen APUの中核となるのは、AMD RDNA 2グラフィックス・アーキテクチャーでしょう。
MLIDによると、このAPUはRDNA 2 GPUアーキテクチャーをベースにした合計8つのCompute Unitを搭載すると予想されています。
性能面では、Van Gogh APUはCezanne APUに比べてグラフィックス性能が向上すると思われますが、CezanneチップはGPUコアに大きな電力予算を割いているのに対し、Van Gogh APUのTDPは7.5~15W程度となるため、大幅な高速化は期待できません。
Infinity Cacheについては、AMDがVan Gogh APUに搭載しないことが、最新のLinuxカーネルパッチで確認されています。
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また、AMD Van Gogh Ryzen APUは、LPDDR5メモリを採用していますが、今回もゲーミング帯域幅の向上よりも、マーケティング的に優れた最新のIPを提供することが目的となっています。
このAPUは、Tiger Lake-Uプロセッサに対抗するため、コンパクトな低電力ソケットであるFF3ソケット用に設計されます。
インテルのTiger Lake-Uは、実際にはVan Goghの直接のライバルであり、AMDは将来、Dragon Crestという名前ですでにリークされている真の後継機が登場するまで、このチップを低価格製品に使用することも可能です。
解説:
Navi+Zen2コア=Van Gogh
あまり情報が表に出てなかったVan Gogh(ヴァン・ゴッホ)の情報が遂に出てくるようになりました。
7.5W-15WのAPUなので、あまり性能は高くないですが、搭載製品はWindows小型ゲームPCとしてかなり面白い製品になることが予想されます。
現状でもそのような仕様のPCは出ていますが、Van Goghはまさにそのような用途のために作られたAPUと言ってもよいでしょう。
誤解しないようにお断りしておきますが、PS5やXobxXのように決して高性能ではないです。
ダイサイスが小さく、コストが安く、発熱が小さく、低解像度でゲームがそれなりに出来る仕様と考えた方がしっくりくると思います。
ただ、需要が無ければこんなAPUは作らないと思いますので、どこかが大量に発注したのかもしれませんね。
そのため、搭載製品はそれなりに出回るのではないかと思います。
(法人向けの可能性もありますが)
メモリもDDR5のようですが、低発熱版だと思いますので速度もそれほど期待はできないでしょう。
もちろん同じ程度の発熱のDDR4よりは高性能だとは思います。
Cezanneよりも新しいGPUが奢られているあたりに(発注元やAMDの)Van Goghに対する期待値が伺えます。
Ryzen 9000シリーズ
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