※ この問題を整理した記事を書きましたのでそちらもご覧ください。
AMDは最近、4.3 GHzのシングルコアブーストクロックを備えた128スレッドCPUである強力なThreadripper 3990Xをリリースしました。
以前に報告したように、AMD Ryzen Threadripper 3990Xは「7nm Zen 2アーキテクチャをフル活用」しており、64コアと128スレッドを誇ります。
私たちのハードウェアはコアと呼ばれ、スレッド数は「驚くべき」ものであり、「HEDTプラットフォームには未だかつてなかったものです」。
しかし、これまで見たことのない驚きは、それを処理するために同等の機能を備えたソフトウェアが必要であることも意味します。
どうやら、Windows 10 ProはCPUの128コアを処理できないようです。
Windows 10 Homeエディションは公式には64スレッド以上を処理できませんが、Proは技術的に最新のCPUを処理できるはずです。
しかし、Windows 10 Proは128のスレッドをそれぞれ64の2つのグループに分割することになるため、パフォーマンスに影響を与えるとAnandtechは3990Xのレビューで述べています。
この問題はSMT(同時マルチスレッド)を無効にすることでいくらか解決できますが、これはまた、プロセッサグループが1つしかないことを意味し、パフォーマンスが低下します。 SMTを有効にする場合は、より強力なOSを選択する必要があります。
強力なAMD Ryzen Threadripper 3990xを使用する最良の環境は何ですか
Windows 10 HomeとProの世界には、より強力なオペレーティングシステムがあります。ワークステーション用のWindows 10 Proとエンタープライズ用のWindows 10です。
これらは、最大256個のCPUコアを処理できます。 これは大したことではないはずです。
AMD Threadripper 3990Xの価格は3,990ドルと考えると、購入できる人は3990Xから最大限のパフォーマンスを引き出すことができるオペレーティングシステムの少しの追加コストによっておそらく抑制されることはないでしょう。
明らかに、これらの問題はLinuxユーザーには影響しません。
また、Microsoftが更新によりこのWindows 10 Proの制限を「修正」できる可能性があるという報告もあります。 それまでは、Windows 10 Pro for WorkstationsおよびEnterpriseがその答えです。
ソース:wccftech - Windows 10 Pro Can’t Handle the 128-Thread AMD Ryzen Threadripper 3990X
解説:
あまりよく知られていないと思いますが、老舗PCパーツレビュー・情報サイトであるAnandtechによると、Ryzen Threadripper 3990X使うにあたって、Windows10 Homeでは64スレッドまでしか対応しておらず、Winodws10 Proは128スレッドプロセッサを使う場合、64スレッドプロセッサを2つのグループに分けてしまい、その性能を十分に発揮できないとのことです。
この問題がエラーではなく、ソフト上の仕様であるという事実がより事態を深刻にしていると思います。
※ コメント欄で指摘をいただきました。
Windows10 Homeは1ソケット256論理プロセッサまでのサポートとなります。
Windows10 Pro for Workstationと通常のProは同一のカーネルを使っているとのことですが、ご指摘いただいた記事の該当部分がなぜかこちらの環境では閲覧できず、この件に関しては保留とさせていただきます。
確認が取れ次第訂正いたします。
結局、原因は不明だが、カーネル以外の要因によるものだということのようです。
3990Xを検討されている方は情報収集は綿密に行って慎重にOSを選定されることをお勧めします。
Windows10 Pro for WorkstationとWindows10 Pro Enterpriseにはこの問題は発生しないとのこと。
Windows10 Pro for Workstationはこの記事を書いてる現在、amazonには存在せずMicrosoft Storeに税込43,052円で販売されています。
Enterpriseに関しては個別に見積もりを出してもらう必要があるようで、Microsoft Storeに直接問い合わせるしかありません。
Windows10 Pro for Workstationはダウンロード販売ですぐに購入することができますが、普通の人にとってはあまり現実的とはいいがたい価格となっています。
64コア128スレッドCPUがもたらした新たな問題
技術の進歩は素晴らしいことですが、64コア128スレッドという一般向けとしては前人未到の仕様を誇るRyzen Threadripper 3990Xはその性能をフルに発揮するにはソフトウェア(OS)も高くつくことになりそうです。
Ryzen Threadripper 3990Xを求める人というのはやはりそれなりに所有する満足感を重視する人だと思います。
それがRyzen Threadripper 3990Xの性能を十分に発揮できない(それも仕様上)OSを使っているとなるととても恥ずかしいので、やはりここは多少高くてもWindows10 Pro for Workstationを購入すべきだと思います。
Microsoftには来るべきマルチコア時代に向けてこの事実を周知の上可能であるならば、Windows10 Pro for Workstationの値下げをお願いしたいところです。(笑
また、この問題を認識して、Ryzen Threadripper 3990X搭載PCのOSに何を使っているかをチェックすることで各PCビルダーのレベルを推し量る物差しとしても使えそうです。
※ この問題を整理した記事を書きましたのでそちらもご覧ください。
AMD Ryzen Threadripper 3000シリーズ