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SK hynix、14.4Gbps対応の16Gb LPDDR6を発表——Samsung、LPDDR6Xサンプルを異例の早期供給

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■LPDDR6開発競争が本格化

SK hynixは2026年2月15日から19日にサンフランシスコで開催される国際固体回路会議(ISSCC 2026)にて、16Gbit(2GB)のLPDDR6 SDRAMを発表する。

同製品は、JEDEC規格で定められたLPDDR6の最高転送速度である14.4Gbps(ピンあたり)に対応する。

SK hynixの発表によれば、このLPDDR6は同社最新の1c(1γ)DRAMプロセス、つまり第6世代10nmクラスノードで製造されている。

ISSCCの事前発表資料では、14.4Gbps動作を実現するための電力削減技術と信号処理技術の改良に焦点を当てているとされる。

回路基板上の最新LPDDR6メモリチップのクローズアップ。

LPDDR6は2025年7月にJEDECによって正式規格化され、転送速度は10.67Gbps~14.4Gbpsと定められている。

14.4Gbpsという数値は単なるスペック上の最高値ではなく、メモリベンダーが信号完全性、電力特性、製造可能性の面で十分なマージンを確保しながら動作可能であることを意味する重要な検証ポイントだ。

SK hynixの1cプロセスは2024年8月に初めてDDR5メモリで発表され、前世代の1bプロセスと比較して動作速度が11%向上し、消費電力が9%以上削減されている。

同社はこの1c技術をHBM、LPDDR6、GDDR7といった次世代DRAM製品全体に適用する計画を明らかにしている。

■SamsungがLPDDR6Xサンプルを前倒し供給

一方、Samsung Electronicsは、LPDDR6が本格的な商用展開を迎えていない段階で、次世代規格であるLPDDR6Xのサンプルを既にQualcommに供給したと韓国メディアThe Bellが報じた。

LPDDR6Xは、LPDDR6の進化版として位置づけられており、詳細仕様はまだ確定していない。

The Bellの報道によれば、LPDDR6Xの商用化は2027年後半と見られている。

Samsung関係者は「現在開発中の次世代チップのサンプルを受け取るのは異例」とコメントし、「Qualcommのチップ開発スケジュールが厳しいようだ」と述べた。

業界では、QualcommがLPDDR6Xサンプルを要請した背景には、サーバーおよび車両向け次世代半導体の開発が関係していると見られている。

QualcommはLPDDR6Xを2027年にリリース予定のAIアクセラレータ「AI250」に採用する計画だ。

14.4Gbps速度でメモリチャネルを流れるデータの抽象的ビジュアライゼーション

The Bellの報道は、QualcommのLPDDR6Xサンプリング要請を同社のAIアクセラレータロードマップと関連付けている。

AI200(2026年予定)とAI250(2027年予定)は、HBMではなくLPDDRを使用する推論向けチップとして説明されている。

記事はさらに、NVIDIA、Meta、その他のAIシリコンベンダーも、HBMを多用するアプローチと比較してコストと消費電力を削減するため、推論重視の設計でLPDDRの使用を拡大していると指摘している。

QualcommのAI200は1カードあたり最大768GBのLPDDRメモリをサポートする。

業界の噂では、AI250はLPDDR6Xを使用して1TBを超える容量を実現する可能性があるとされている。

■LPDDR6の技術仕様と性能向上

LPDDR6の規格策定は2025年7月に完了し、最高転送速度14.4Gbpsに対応する。

実効帯域幅は約28.5~38.4GB/sで、LPDDR5Xと比較して約2倍の性能向上を実現している。

LPDDR6の最も重要な技術的進化は、アーキテクチャの再設計だ。

LPDDR5が採用していた16ビットサブチャネルから、LPDDR6は24ビットアーキテクチャに移行した。

これによりI/O転送速度が9.6Gbpsから14.4Gbpsに引き上げられている。

さらにI/Oビット幅が8ビットから12ビットに拡大され、単一チャネル24ビット構成で2倍の帯域幅増加を実現している。

サブチャネル数を増やし、それぞれのサイズを小さくすることで、レイテンシの低減と並行処理性能の向上を達成した。

DDR5が64ビットチャネルを2つの独立した32ビットサブチャネルに分割したのに対し、LPDDR6は4つの24ビットサブチャネルを使用する構成になっている。

JEDECの規格ではLPDDR6の電圧要件が引き下げられ、低周波動作時の電力需要を下げる動的電圧周波数スケーリング(DVFSL)など、追加の省電力機能が導入されている。

■主要メーカーの開発状況

Samsungは2025年のCESでLPDDR6をモバイルデバイス、アクセサリー、アプリ部門のイノベーションアワード受賞製品として発表した。

12nmプロセスで製造されるSamsungのLPDDR6は、10.7Gbpsのデータレートを実現し、LPDDR5Xと同等の帯域幅と速度を維持しながら約21%の消費電力削減を達成している。

Samsungは将来的な改良版で14Gbps以上に到達する可能性があると示唆している。

同社のチューニングされたLPDDR5Xが既に10.7Gbpsに達しているため、これがLPDDR6のスタートラインとなる形だ。

Samsungによれば、LPDDR6は強化されたセキュリティ機能も搭載し、データ整合性を保護する。

これによりモバイル用途だけでなく、産業用途やミッションクリティカルなAIアプリケーションへの展開が可能になるとしている。

Micronは、2025年6月の決算説明会で、1γベースのLPDDR5 DRAMの初回認定サンプル出荷という重要なマイルストーンを達成したと報告した。

LPDDR6の詳細なタイミングについては公表していないが、業界第3位のDRAMメーカーとして開発を進めている。

■エコシステム整備の進展

メモリモジュールが見える最新AIデータセンターのサーバーラック

中国のInnosiliconは2026年1月、LPDDR6/5X PHY+コントローラーIPを主要顧客に供給したことを発表した。

この製品は最大14.4Gbpsのピン速度をサポートし、複数のFinFETプロセスノードに対応している。

InnosiliconはLPDDR4からLPDDR5XまでのコンボメモリサブシステムIPで実績のある顧客と協力しており、この新しいブロックは帯域幅、レイテンシ、電力効率に焦点を当て、LPDDR6とLPDDR5Xの両方をサポートする。

Cadenceは2025年10月、業界初のLPDDR6/5X 14.4GbpsメモリIPシステムソリューションのテープアウトを発表した。

同社のソリューションは、前世代LPDDR DRAMと比較して最大50%高速な14.4Gbps動作に最適化されている。

完全なPHYとコントローラーメモリシステムは、Cadenceの実績あるDDR5 12.8Gbps、LPDDR5X 10.7Gbps、GDDR7-36G製品ラインをベースとした、高性能でスケーラブルかつ適応性の高いアーキテクチャを採用している。

AI、モバイル、コンシューマー、エンタープライズHPC、クラウドデータセンター市場に適したこのソリューションは、性能、容量、コスト目標の範囲で最大限の柔軟性を提供する。

Rambusも業界初のHBM4コントローラーIPと並行して、LPDDR6対応ソリューションの開発を進めている。

これらのIPベンダーの動きは、LPDDR6が紙上の仕様を超えて実際のシリコン設計段階に移行していることを示している。

マーチャントIPの利用可能性は、新しいメモリ規格が広く採用される前の最終的な前提条件の1つだ。

Apple、AMD、Intel、NVIDIA、Qualcommといった主要ベンダーは通常、自社設計のメモリコントローラーとPHYを使用するが、中国のZhaoxin、Hygon、Loongsonなどのベンダーにとっては、ライセンス可能なJEDEC準拠のLPDDR6コントローラーが2027~2028年の競争力ある設計を可能にする重要な要素となる。

■AI推論市場におけるLPDDRの戦略的意義

QualcommのLPDDR採用戦略は、AI推論市場における興味深い差別化アプローチだ。

NVIDIAのB200クラス構成はGPUあたり約180GBのHBM3eを搭載し、AMDのInstinct MI350Xは288GBのHBM3eと8TB/sの帯域幅を提供する。

後継のMI400は最大432GBになる見込みだ。

IntelのGaudi 3は128GBのHBM2eを搭載している。

これらの数値と比較すると、Qualcommのアプローチは、HBMのサイズではなく、カード上の総メモリ容量によって定義されるカテゴリーに位置する。

AI200の768GB、AI250の1TB超という容量は、大規模言語モデルや大規模マルチモーダルモデルを少数のパーツで実行でき、カード外への頻繁な転送を回避できることを意味する。

AI250は「ニアメモリコンピューティング」に基づく革新的なメモリアーキテクチャを導入し、AI推論ワークロードにおいて実効メモリ帯域幅を10倍以上向上させながら、消費電力を大幅に削減するとされている。

推論ワークロードでは、キーバリューキャッシュへの繰り返しアクセスでボトルネックが発生することが多い。

Qualcommのアーキテクチャはこの課題に対処することを目的としている。

QualcommはさらにAI250で「分散推論」機能をサポートし、コンピュートリソースとメモリリソースをカード間で動的に共有できるようにする計画だ。

両製品はアクセラレータカードと完全な液冷ラックとして提供され、ラックあたりの消費電力は160kWとなる。

これは他のベンダーのGPU推論ラックと同等のクラスだ。

AI200は2026年、AI250は2027年に商用化される予定で、Qualcomは年次更新サイクルを約束している。

AI新興企業のHumainが初期顧客として確認されており、最大200メガワットのAIインフラをサウジアラビアに展開する計画だ。

The Bellの報道では、NVIDIA、Meta、その他のAIシリコンベンダーも、HBMを多用するアプローチと比較してコストと消費電力を削減するため、推論重視の設計でLPDDRの使用を拡大していると指摘されている。

HBMは間違いなく高速だが、LPDDRはコスト効率の面で意味を持つ。

HBMは製造、検証、テスト要件が厳しく、現在進行中のDRAM不足の影響を受けやすい。

■市場展開のタイムライン

LPDDR6XについてはJEDECによる正式な仕様がまだ公開されていないが、2027年後半から2028年初頭にかけて市場投入される見通しだ。

SK hynixのLPDDR6は2026年後半の量産開始、Samsungも同時期の商用展開を計画している。

LPDDR6搭載のスマートフォンやノートPCは2026年第3四半期から第4四半期に登場すると予想され、2027年にかけて広く採用される見込みだ。

解説

今回の報道で注目すべきは、Samsungが通常の開発タイムラインを大きく前倒しして、LPDDR6Xのサンプルを供給している点ですね。

LPDDR6がまだ本格的に市場投入されていない段階で、次世代のLPDDR6Xサンプルを出すというのは、業界関係者も「異例」と評している通り、かなり攻めた動きです。

これはQualcommのAI250アクセラレータ開発が極めてタイトなスケジュールで進行していることを示唆しています。

AI推論チップ市場では、NVIDIAやAMDがHBMを搭載した高性能アクセラレータで圧倒的なシェアを握っている状況ですが、QualcommはLPDDRという異なるアプローチを選択しました。

HBMは帯域幅で圧倒的に有利ですが、製造コストが高く、消費電力も大きいという課題があります。

LPDDRは帯域幅では劣りますが、コスト効率と消費電力の面で大きな優位性を持つ。

QualcommのAI200が1カードあたり768GBという大容量メモリをサポートし、AI250では1TB超を狙っているという点も興味深いです。

推論ワークロードでは、計算速度よりもモデルパラメータを保持するメモリ容量が重要なケースが多い。

その意味で、QualcommのLPDDR戦略は理にかなっています。

SK hynixの1cプロセスによるLPDDR6も、技術的には非常に意欲的な取り組みです。

14.4Gbpsという規格上限に到達しているということは、製造プロセスと信号処理技術の両面で高いレベルに達していることを意味します。

1cプロセスは第6世代10nmクラスで、従来の1bプロセスから性能と効率を大幅に向上させている。

SK hynixはこの1c技術をDDR5、HBM、GDDR7など全てのDRAM製品ラインに展開する計画を示しており、DRAMメーカーとしての技術的優位性を強調しています。

2026年後半から2027年にかけて、スマートフォンやノートPC、そしてAIアクセラレータといった多様なデバイスでLPDDR6が採用され始めるでしょう。

その次の段階として、LPDDR6Xが2027年後半以降に登場する。

メモリ技術の進化スピードが加速している背景には、オンデバイスAI、モバイルゲーミング、エッジコンピューティングといった新たな用途が急速に拡大していることがあります。

ただし、一般消費者にとって重要なのは、これらの技術進化が実際の製品価格や性能にどう反映されるかという点です。

LPDDR6搭載デバイスが登場する2026年後半の段階では、初期の製品は高価格帯に限定される可能性が高い。

本格的な普及は2027年以降になると見ておいた方が良いでしょう。

AI推論市場では、QualcommのLPDDRベースアプローチがコスト効率の面でどこまで競争力を持つかが注目されます。

NVIDIAやAMDのHBM搭載製品と比較して、実際のワークロードでどの程度のパフォーマンスを発揮できるのか。

2026年のAI200、2027年のAI250の実機性能が明らかになった時点で、この戦略の成否が判断できるはずです。

メモリ不足が深刻化している現在の市場環境では、HBMに依存しない選択肢が重要性を増していることも確かです。

Samsung、SK hynix、Micronといった主要DRAMメーカーがLPDDR6の量産を加速させれば、AI推論チップの選択肢が広がり、市場全体の競争が活性化するでしょう。

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