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AMDの内蔵GPUロードマップが判明、メインストリームAPUは2029年までRDNA 3.5を継続

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AMDのデュアルトラックGPU戦略を示す未来的な分割画面イラスト

■AMDの内蔵GPU戦略が明らかに

AMDのAPU向け内蔵GPUアーキテクチャは、2029年までRDNA 3.5が中心となることが判明した。

業界インサイダーのKepler_L2氏が、AMDの内蔵GPUロードマップに関する情報を公開した(https://x.com/Kepler_L2/status/2015170972471488689)。

これによると、AMDはメインストリーム向けAPUでRDNA 3.5を長期的に採用し続ける一方、プレミアム製品には新世代のRDNA 5を投入する二極化戦略を取る。

現在のRyzen AI 400シリーズ「Gorgon Point」もRDNA 3.5を採用しており、クロック向上による性能改善にとどまっている。

ハイエンドのStrix HaloやGorgon Halo「Ryzen AI MAX」シリーズも同じRDNA 3.5アーキテクチャだが、最大40 CU(2,560 SP)という大規模構成により、メインストリームの最大16 CU(1,024 SP)を大きく上回る性能を実現している。

AMDはすでにディスクリートGPU向けにRDNA 4アーキテクチャをリリースしており、改良されたAIコアやレイトレーシングコア、FSR Redstone対応など、APUに導入できる新機能を持っている。

しかし、APU向けにはRDNA 4を完全にスキップし、次世代アーキテクチャへと移行する計画だ。

■RDNA 3.5は2029年まで、その後はセグメント分割

Kepler_L2氏の情報によれば、RDNA 3.5は2029年まで継続採用される見込みだ。

この情報は、Golden Pig Upgrade氏など他の業界インサイダーが共有していた情報とも一致している。

次世代のMedusa Point「Ryzen AI 500」シリーズが、RDNA 3.5を採用する最後の主要ファミリーになると予想されている。

その後、AMDはRDNA 4を飛ばしてRDNA 5へと移行する計画だ。

ただし、RDNA 5はすべてのAPUに導入されるわけではない。

Kepler氏によれば、RDNA 5内蔵GPUは「プレミアム」カテゴリー向けに投入される。

具体的には、Medusa PremiumやMedusa Haloといったハイエンド製品がRDNA 5を採用し、強化された性能と機能セットを提供する見込みだ。

一方、エントリーレベルとメインストリーム向けAPUは引き続きRDNA 3.5を搭載する。

これにより、AMDのAPUラインナップは明確に二極化されることになる。

■過去から未来へのAPU内蔵GPU進化

APUファミリーコードネームGPUコードネーム最大SP数TFLOPS
Ryzen 2000Raven RidgeVega704 SP1.76
Ryzen 3000PicassoVega704 SP1.97
Ryzen 4000RenoirVega+512 SP2.15
Ryzen 5000CezanneVega+512 SP2.04
Ryzen 6000RembrandtRDNA 2768 SP3.40
Ryzen 7000Phoenix PointRDNA 3768 SP8.30
Ryzen AI 300Strix PointRDNA 3.51,024 SP5.93
Ryzen AI MAX 300Strix HaloRDNA 3.52,560 SP14.85
Ryzen AI 400Gorgon PointRDNA 3.51,024 SP~8.50
Ryzen AI MAX 400Gorgon HaloRDNA 3.52,560 SP~15.00
Ryzen AI 500Medusa PointRDNA 3.5+未定未定
Ryzen AI 500Medusa PremiumRDNA 5未定未定
Ryzen AI MAX 500Medusa HaloRDNA 5未定未定
Ryzen AI 600未定RDNA 5未定未定
Ryzen AI MAX 600未定RDNA 5未定未定

RDNA 3の登場時には大幅な性能向上が見られたが、RDNA 3.5は最適化版にとどまっている。

Medusa世代では、AMDがコア数を増やし、特定クラスのAPUで最適化を加えることで、内蔵GPU部分の競争力を高める計画だ。

これは、IntelがXe3へのアップグレードで大幅な性能向上を実現し、AMDのメインストリームAPUファミリーの能力を大きく超える性能を約束しているためだ。

さらに今年、IntelはCelestialデザインを活用した全く新しいアーキテクチャXe3Pを、新しいArcファミリーとして投入する予定だ(https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/intel-arc-celestial-graphics-card-leak-claims-xe3p-gpu-will-launch-in-q2-2025-with-448-cores-and-a-256-bit-memory-bus)。

解説

正直、この戦略には賛否両論ありそうです。

RDNA 3.5を2029年まで引っ張るというのは、かなり保守的な選択ですね。

すでにRDNA 4がディスクリートGPU向けにリリースされているのに、APUには導入しないという判断は、コスト削減を最優先した結果でしょう。

AMDとしては、メインストリーム市場では内蔵GPUの性能向上よりも、価格競争力を重視しているということです。

一方で、プレミアム製品にRDNA 5を投入するという二極化戦略は理にかなっています。

ハイエンドユーザーは最新アーキテクチャを求めますし、そこでIntelのXe3やXe3Pと競争する必要がありますから。

Intelは今年Xe3Pという新世代アーキテクチャを投入予定で、AMDがRDNA 3.5に固執し続ければ、メインストリーム市場でもかなり厳しい戦いになるでしょう。

個人的には、RDNA 4をスキップするという選択が気になります。

RDNA 4の改良されたレイトレーシングコアやAIコア、FSR Redstone対応は、APUユーザーにとっても魅力的な機能のはずです。

これらを飛ばしてしまうのは、かなり大胆な判断ですね。

実は、AMDはRyzen世代になってから、APUをミドルレンジ以下と割り切ってきた経緯があります。

ダイサイズを200mm²以下に抑えることで、コストを管理し、価格競争力を維持してきたわけです。

ところがStrix Pointはダイが大きめになってしまい、価格が上がった結果、売り上げは芳しくありませんでした。

AMDもこの点は理解していたようで、Krackan Pointという小型版が準備されていました。

もともとAPUというのは、こういう「そこそこの性能を手頃な価格で」という存在だったわけです。

しかし、Intelが高性能内蔵GPUでAMDを猛烈に追撃している今、このラインナップでしのぎ切れるのかどうか、注目ですね。

ここで重要なのは、AMDの内蔵GPUアーキテクチャ更新とメモリ世代の関係です。

過去を振り返ると、内蔵Vegaアーキテクチャは改良を受けながら長期間採用されてきましたが、基本的にDDR4世代とオーバーラップしています。

Ryzen 2000(2018年)からRyzen 5000(2021年)まで、VegaないしVega+がDDR4と組み合わされてきました。

そして、Ryzen 6000(2022年)でRDNA 2に移行したタイミングは、まさにDDR5への移行期と重なっています。

つまり、AMDの戦略は明確です。

DDR4時代はVega、DDR5時代はRDNA 2/3/3.5という対応関係があるわけです。

これは偶然ではなく、メモリ帯域幅がGPU性能のボトルネックになるという、AMD内部での共通認識を反映しているのでしょう。

DDR4のメモリ帯域幅では、より高度なGPUアーキテクチャを採用しても、性能が頭打ちになってしまう。

だからこそ、DDR4世代ではVegaを改良しながら使い続け、DDR5が普及し始めてから初めてRDNAアーキテクチャに移行したわけです。

そして今回、RDNA 3.5を2029年まで採用するという判断は、DDR5世代が続く限り、RDNA 3.5で十分という読みなのでしょう。

次のメモリ世代(DDR6?)が本格普及するタイミングで、ようやくRDNA 5に移行する。

これがAMDの基本戦略だと考えられます。

ただし、プレミアムセグメントではこの法則から外れます。

おそらく、DDR6に移行しなくても、高価なセグメントではRDNA 5が採用されるはずです。

なぜなら、高価格帯では大容量キャッシュなどの手段でメモリ帯域幅問題を緩和できるからです。

実際、この法則はStrix Haloの登場によって、だんだんと崩れてきていると感じます。

今までにはなかった「高価なAPU」という矛盾した存在が、徐々に市民権を得ているわけですから。

PlayStation 4やPlayStation 5で採用されているようなSoCタイプのチップは、Strix HaloでようやくPC市場に出現しました。

今までこういう製品がなかったのは、AMDが「そこに市場はない」と判断していたからです。

しかし、AI処理需要の高まりや、ゲーミングノートの高性能化要求により、状況は変わりつつあります。

結局のところ、AMDは「メインストリームはメモリ世代に合わせた控えめなアップデート」「プレミアムは最新技術投入」という二極化戦略を取るわけです。

メインストリーム市場では、メモリ帯域幅というボトルネックがある以上、GPUアーキテクチャを頻繁に更新しても意味がない。

だからこそ、コストを抑えて価格競争力を維持する方が合理的だという判断でしょう。

ユーザーとしては、本当に最新技術が必要なら高価なプレミアム製品を買ってくださいね、ということです。

2029年まであと4年ありますが、その間にIntelやQualcommがどこまで追い上げてくるか、そしてDDR6世代への移行がいつ始まるか、注目ですね。

 

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