AMDのRyzen AI MAX+「Strix Halo」APUが、中国市場で個別のBGAパッケージで登場しました。
これは少々奇妙な光景ですが、実験には最適かもしれません。
AMDのRyzen AI MAX+「Strix Halo」APUが単体で入手可能になりましたが、「プレミアム」追加料金で販売されています。
Team Redの最新世代モバイルプロセッサは、そのパフォーマンスだけでなく、これらのAPUの採用率の大幅な上昇により、このセグメントを席巻しています。
そして今、AMDのStrix Point APU、特にRyzen AI 9 MAX+ 365が単体パッケージで入手できるようになったようです。
現状ではあまり役に立ちませんが、互換性のあるマザーボードと組み合わせることで、実用的なソリューションとなる可能性があります。
しかし、これらのBGAパッケージが実際に小売市場に流通するに至る経緯は依然として興味深いところです。
なぜなら、流通経路として考えられるのは、生産ラインの誰かがユニットを掌握するか、サードパーティのインテグレーターが自社製品にこれらのAPUを採用することしか考えられないからです。
中国の小売プラットフォームGoofishには、Strix Pointプロセッサを販売する複数の業者が掲載されており、価格は3,998人民元から4,449人民元(約550~650ドル)までとなっています。
AMDのStrix Halo APUは主にハンドヘルドPCやミニPCに搭載されており、他のプラットフォームでは見かけたことがありません。
そのため、これらのプロセッサを、おそらく過酷なオーバークロック環境でテストする機会が開かれるかもしれません。
これらのAPUで何かを作るには、互換性のあるマザーボードプラットフォームとある程度のはんだ付けのスキルが必要になるでしょう。
興味深いことに、これらのBGAパッケージは高額で販売されています。
例えば、32GB/1TB構成のACEMAGIC F3AミニPCは約800ドルですが、ここで紹介するAPU単体は550ドルで販売されています。
つまり、販売業者は別パッケージを提供するだけで割高な価格設定をしているということです。
これらのAPUを搭載したカスタムマザーボードが小売チャネルで販売されることを期待しています。
そうすれば、これらのプロセッサの解析がはるかに容易になるでしょう。
ソース:wccftech - AMD’s “Strix Halo” APUs Are Being Apparently Sold Separately In China; Starting From $550
解説:
Strix Haloが中国で単体で販売されているようです。
とは言っても、もちろんSocketAM5版など存在しませんので当然のごとくBGAです。
Strix Pointは一応SocketFP11とされていますが、実態はBGAです。
これらのAPUで何かを作るには、互換性のあるマザーボードプラットフォームとある程度のはんだ付けのスキルが必要
昔はリボーラーなどという上等なものは存在しませんでしたし、しても個人での購入など不可能でしたので、BGAを個人で扱うのは不可能という認識でしたが、今は頑張ればなんとかなるレベルということになっています。
ただし、それなりに電子工作的な技術は必要とされますので一般人が自力でなんとかするのは無理です。
興味のある方はBGA、リボールなどでYoutubeを検索するとどのような作業が必要なのか見ることができます。
Youtubeで動画を上げるような腕自慢でも成功率100%ではない難作業なので、よほど腕に自信がない限りは挑戦するのはやめた方がいいです。
普通のはんだ付けだけでヒイヒイ言ってる私のような門外漢ではほぼ無理です。
というわけで、BGAの特殊マザーとリボールができる程度の知識と技術がある人向けの製品ということになります。
こういう玄人志向も真っ青のキワモノが売ってるあたり、中国市場はすごいかなと思います。
昔の秋葉原みたいなものですね。
今はメイドのお姉さんが跋扈する風俗街になってしまいましたが、昔はそうではありませんでした。
昔の秋葉原は嘘かホントがしりませんが、冷戦の真っただ中、ロシアのスパイがとある電子部品を苦心惨憺、死ぬような目に遭って入手して持ち帰ったのですが、帰りに寄った日本の秋葉原で路上のワゴンで普通に300円くらいで売っていて号泣したというエピソードを聞いたことがあります。
今は中国がそういう感じなのでしょう。
とにかく、ミニPCのマザーボードのようなSocketFP11のBGAソケットのマザーが単体で入手可能でリボールができる程度の技術・知識がある人向けのキワモノAPUということになります。
自分でやれば工賃は0ですが、加工にかかる手間賃を換算すると絶対にベイしない程度の金額にはなるでしょうから、まさにキワモノ中のキワモノということになります。
もちろんですが、加工に失敗すると550ドル、日本円にすると7-8万円程度がパーになるということになります。
あまり手間をかけてリトライすると熱で半導体が死んだり、マザーのパターンがはがれたり浮き上がったりしますので、ほぼ一発で成功させるような精度が必要とされます。
なんに使うんですかね。個人だと(ほとんどの人が理解不能な)自慢か、自己満足くらいしか使い道がないように思います。
電気的な互換性があるのかどうかは知りませんが、SocketAM5用のゲタと専用のクーラーをつけて売ったら面白いのになとは思います。
昔のオーバードライブプロセッサを彷彿とさせてなかなかノスタルジックな気分になります。
BIOSは・・・うーんちょっと思いつきません。
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