IntelのデスクトップCPU事業は、Raptor Lakeが新しいCPUラインナップよりも多くの関心を集めることに成功していることを考えると、うまくいっていないようだ。
IntelのArrow LakeとLunar Lake CPUがRaptor Lakeのために顧客によって廃棄されつつある。
IntelとデスクトップCPUセグメントに関して言えば、チーム・ブルーは特にRaptor Lakeラインアップの後、パフォーマンスのアップグレードに追いついていない。
Arrow Lake「Core Ultra 200S」のような新しいアーキテクチャは、性能面で失望させられるだけでなく、AMDなどとの競争が激化しているため、IntelはCPU市場を維持することが難しくなっている。
先日の決算説明会では、Intelの製品担当CEOであるミッシェル・ジョンストン・ホルタウス氏が、Raptor Lake製品(N-1、N-2)はLunar LakeやArrow Lakeに比べてはるかに注目されていると明かし、市場への取り組みに疑問を投げかけている。
私たちが実際に目にしているのは、消費者が本当に求めているシステム価格帯を提供し続けることができるよう、n-1およびn-2製品に対する顧客からのより大きな需要です。
私たち全員が話しているように、マクロ経済的な懸念や関税の問題で、在庫の観点から何が必要なのか、誰もがある種のヘッジをしています。Raptor Lakeはその一部です。Meteor LakeとLunar Lakeも素晴らしい製品ですが、当社だけでなく、OEMメーカーにとってもシステムASP価格帯において、はるかに高いコスト構造を伴います。
- Intel製品CEO
ここで注目すべき重要な点は、現行世代のIntel CPUに対する需要があまりにひどいため、消費者が不安定性の問題に悩まされたラインナップを参照するようになったということだ。
覚えていない人のために説明すると、Intelの第14世代と第13世代のプロセッサーは一貫性のないパフォーマンス問題に直面し、広範囲にクラッシュや劣化を引き起こし、現在に至っても解決されていない全く新しい騒ぎだった。
興味深いことに、Raptor Lakeの需要は、CPUに搭載されていた「Intel 7」ノードの不足をIntelが報告するまでになった。
Raptor Lakeの需要もまた、トランプ大統領の最新関税措置後の消費者が、古いながらも高性能なプロセッサーを旧価格で手に入れようとCPUに頼っているためだ。
サプライチェーンが近々部品価格を引き上げると予想されることから、消費者はIntelの古いプロセッサーを入手することで状況を先取りしているようだ。
解説:
Core Ultra 200シリーズの不調により、Raptor Lakeの人気が爆上がり。
Arrow Lakeはまだわかりますが、Lunar Lakeも売れてないのはびっくりですね。
Lunar LakeはCopilot+の勝ち組といわれているので、Copilot+自体が不調なのかもしれません。
AI PCはPC市場にブームを巻き起こさなかったということなのでしょう。
現在重宝されているChat GPTのようなクラウドLLMはローカルで動かすにはちょっと(というかかなり)無理なので、その辺も関係しているのかもしれません。
画像や動画においても画像ならばかなり自由度が高い画像生成ができますし、クレジットなども関係なく思う存分使えますのでメリットがありますが、動画生成AIに関しては今のPCで生成するのはちょっと厳しいです。
こちらもやはりクラウド動画生成にはかないません。
ローカルLLMがクラウドLLMに比べてどのくらい頭が悪いかというと、7Bで高性能といわれている日本語モデルを頑張ってファインチューニングしてChat GPT3.5Turboと同じくらいかって程度らしいです。
モデルサイズ | FP16 | FP8 | INT4 |
---|---|---|---|
8B | 16GB | 8GB | 4GB |
70B | 140GB | 70GB | 35GB |
405B | 810GB | 405GB | 203GB |
8Bは80億です。
現実問題、8Bの上の70BになるとINT4でも35GBになるので、途端に現実的ではないというレベルになります。
405Bになると、AirLLMというデータを分割して無理やりローカルPCで実行できる仕組みを使っても10Tokenで20分応答に時間がかかるらしいです。
とても現実的ではないと言わざるを得ません。
よってやはり一番の人気は画像生成AIになり、こちらも本気度の低い方はクラウドのサービスを使うでしょうから、ごく限られた一部の方がローカルPCにこだわるということになります。
その中でもライト仕様のCopilot+はあまり現実的な魅力がなかったのだと思います。
ローカルLLMの魅力は自由度ですから、この辺りを工夫するとまた違った結果になるのではないでしょうか。
現在LLMに関しては実用一点張りで音声で話に相手になるようなエンタメ方向には触れてないのでこの辺りにも可能性があるんじゃないかと思っています。
いずれにせよ、AIはまだデータセンターの向こう側で演算される巨大なデータの集合体ということですね。
個人向けAI PCが実用的になるには、NPUやASICで1W当たりの処理効率が今の何十倍にも高くなる必要があると思います。
こうしたことを背景にIntel 7の供給がひっ迫するほどRaptor Lakeが売れているそうです。
Raptorも次々と熱で死んでかなり評判悪かったですが、それでも売れるほど最新のモデルの人気はないようです。
もはや末期的ですね。
Core Ultra 200Sシリーズ
ソケットLGA1851
※ 末尾にFがついているモデルはGPUがありませんのでご注意ください。