RTX 5070が値下がりを始めており、今回は英国の大手小売店からで、希望小売価格より安い価格でカスタム版を販売している。
GeForce RTX 5070がOverclockers UKで20ポンド値下げ: RTX 5080も値下がり
NVIDIA RTX 5000シリーズGPUは値下がりを始めており、すでに2つの事例を報告した。
1つはWalmartがRTX 5000 GPUを希望小売価格より安く販売していたもので、もう1つは日本の小売店がRTX 5070を希望小売価格より安く販売していたものだ。
価格下落は頻繁でも一般的でもないとはいえ、少なくともいくらかの安心感はある。
別の例では、RTX 5000シリーズGPUが英国でも値下がりしている。
英国の人気小売店であるOverclockers UKは、Gainward RTX 5070 Python IIIを希望小売価格よりも低い価格で掲載した。
このGPUは519ポンドで、NVIDIAが英国市場向けに設定した公式希望小売価格より20ポンド安い。
これはおよそ4%の割引であり、現時点では世界のほとんどの地域で入手するのは困難である。
RTX 5000 GPUは発売以来、かなり高値で取引されており、RTX 5070はNA市場では700ドル前後、EU地域でも同様の値札で一般的に見受けられる。
ゲインワードRTX 5070 Python IIIは、トリプルファン冷却ソリューションを採用しており、GPUはリファレンス版と同じ2512 MHzのブーストクロックを特徴としていますが、箱から出してすぐに熱性能が向上します。
£519はUS$668に換算され、価格には20%のVATが含まれています。
したがって、価格は556米ドルとなり、NA市場におけるRTX 5070の公式希望小売価格にほぼ近い。
同様に、Overclockers UKもPalit RTX 5080 Gaming Proの価格を1,100ポンド以上からわずか999ポンドに引き下げた。
これは、NVIDIAが発表した公式希望小売価格よりもやや高いが、1,500ポンド近くで販売されているカスタムエディションよりもはるかにお買い得である。
とはいえ、ASUSやMSIのようなトップベンダーからこのような低価格が出るのは珍しいだろうが、GPUが潤沢に出回り始めている以上、値下がりは避けられないようだ。
最近、NVIDIAはGDDR7をSamsungとは別にSK Hynixに委託し始めたとも報じられており、入手性はさらに高まるはずだ。
ソース:wccftech - NVIDIA GeForce RTX 5070 Drops Below MSRP At UK Retailer: Lists For Roughly 4% Cheaper
解説:
ついにイギリス市場でRTX5070が値下がりへ。
様々な不具合が報告されているRTX5000シリーズですが、中でもVRAM12GBで価格も高めで余り気味と言われていたRTX5070がイギリス市場で値下がり始めました。
NVIDIA製品ではかつてなかった現象です。
市場は見えざる手によって均衡が保たれる
価格というのはメーカーがいくらで売りたいと思っても需要と供給のバランスで成り立っているものです。
買う側が「高い」と思えば売れません。
ライバルであるRX9070./XTはメモリ16GBとスペックで明確に勝っており、不具合も少ないです。
直接競合にさらされるRTX5070/Tiのうち、RTX5070は市場への供給力がガツンと増えるモデルでしょうから、ここから価格が崩壊してもおかしくはないでしょう。
以前は価格が安く不人気なRadeon、人気で価格が下がらないGeforceという構図でしたが、今世代からその構図が崩れています。
NVIDIAはGPUの人気が上がるにつれてどんどん仕様を切り下げてきましたが、RTX5000シリーズで限界点を超え、ユーザーから「そこまでの金は出せない」と判断されるに至ったということになります。
DLSSもレイトレーシングもNVIDIAのだけの専売特許ではありませんので、Geforceのコスパが悪すぎるならば、Radeonでも構わないという判断を多くのユーザーが行ったということになります。
これは自作PCパーツの歴史に残る出来事でしょう。
強くなりすぎてしまったNVIDIAは方針を転換できるのか?
さて、RTX5000シリーズから明らかにユーザーからノーを突き付けられているわけですが、AIサーバー市場で圧倒的な優位を保ち、ゲーミングGPU製品の売り上げ割合が数%まで小さくなってしまったNVIDIAがこの方針を転換できるのでしょうか?
私はなかなか難しいのかなと思います。
利益率900%ともいわれる圧倒的な利益率とシェアを誇るAIサーバー市場で覇権をとっているNVIDIAにとって吹けば飛ぶようなゲーミングGPU市場がそれほど重要な位置を占めているようには見えないからです。
「嫌なら買うな」といっても通ってしまうのが今のNVIDIAです。
AMDとNVIDIAのシェアが逆転したとしても売り上げとしては全く困らないでしょう。
それほどまでにAIサーバーの売り上げが圧倒的ということです。
トランプ関税で混乱する世界経済と合わせて、このGPU市場の混乱もしばらく続きそうです。
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