GPU市場は前四半期にプラス成長、2024年第4四半期には7,690万出荷に達する。
デスクトップ向けGPU出荷が減少する一方で、データセンター向けGPUのおかげでGPU出荷全体は堅調な成長
Jon Peddie ResearchがGPUとCPUの出荷に関する最新データを発表した。
このデータでは、現在のGPUおよびCPU市場、成長率、総出荷数、ベンダーシェアが明らかにされている。
レポートによると、2024年第4四半期のGPU出荷全体は、2024年第3四半期と比較して4.4%増加した。
2024年上半期と比較すると、成長率はまずまずのように見えるが、デスクトップ市場に関しては、GPU総出荷量は前年同期比で約5.4%減少している。
出荷が4.4%増加したのは、データセンター部門がプラス成長した結果である。
また、ノートブック用GPUの出荷台数も前年比1%増加しており、GPU市場に若干の影響を与えている。
前年同期比のGPU出荷台数は全体で0.9%減少したが、これはいくつかの国に対する関税を含む様々な要因によるものである。
とはいえ、データセンター向けGPU市場は前四半期比で約13.8%増加した。
過去10年間の統計から考えると、第4四半期と第3四半期の出荷を比較した場合、GPU市場全体のシェアは平均5.4%から4.4%に低下している。
米国に輸出するさまざまな国に対する関税の脅威によって生じている世界的な政治的混乱は、株式市場を含む市場を動揺させ、消費者が価格上昇を避けるために急いで購入するか、まったく購入しないかのどちらかを引き起こしている、
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NVIDIAも市場規模を大幅に縮小し、PCグラフィックス分野のGPU総出荷数の15%にとどまっている。
これは3.3%のシェア減少であり、IntelやAMDといった他の主要プレーヤーはそれぞれ1.9%、1.3%とわずかに改善している。
それでもNVIDIAは、クライアントとデータセンターの両市場を含むGPU市場全体では依然として最大手だが、需要を満たすのに苦戦している。
最大の市場シェアを持つNVIDIAは、需要に応えることが難しく、その規模と影響力の結果、GPU市場の成長を抑えた。その結果、NvidiaとAMDは第1四半期に強力なバックログを持つことになったが、関税は2025年のすべてではないにせよ、ほとんどのGPU市場のさらなる成長を相殺するだろう。AI PCはエキサイティングではあるが、消費者の購買意欲をかき立てるには十分ではないだろう。
- JPR
GPUの2024年から2028年までの年間平均成長率は1.4%で、期間終了時のインストールベースは30億800万ユニットに達すると予測されている。
CPU 市場に目を向けると、ノートブック用 CPU のシェアは 1%低下し、70%から 69%に移行した。
デスクトップ用CPU市場のシェアは31%に達し、クライアント市場向けCPU出荷数を合計すると、2024年第4四半期には約7,170万個となった。
GPU市場とは異なり、PC向けCPU市場は前年同期比4.6%増、前四半期比7.8%増となった。
解説:
2024Q4のGPU出荷はデスクトップは減少、サーバー向けは好調
2024Q4はクリスマスシーズンにも関わらず、デスクトップGPUは減少だったようです。
理由はやはり、Blackwell発売直前だったからでしょう。
その後のグダグダを見ると12月に発売してもあまり芳しくなったのではないかと思わないでもないです。
反面、正常にBlackwellを出荷したサーバー向けは好調だったようですね。
AMDもそうですが、NVIDIAもやはり単価も導入価格も数量も利益率も多いAIアクセラレーター重視でデスクトップGPUは二の次といった姿勢です。
次のグラフはもっと面白いです。
iGPUを含むGPUの出荷数ですが、NVIDIAのシェアが3%も落ちています。
面白いのはNVIDIAが減少した分をAMDとIntelで分け合っているところです。
24Q4は3社分を足すと101%になるので、どこかで四捨五入による誤差が出ているのでしょう。
最後の表も参考になります。
デスクトップとノートPCの割合ですが、おおむねノート70%、デスクトップ30%になっています。
多少前後はしますが、これがグローバル市場でのノートPCとデスクトップの割合です。
ちなみに国内はデスクトップの割合はもっと低くて、2024Q4だとノートPC85.75%、デスクトップ14.25%です。
ゲーミングPCが売れているといっても市場の圧倒的大多数はノートPCが占めていることはPCゲーマーでも覚えておいた方がよいでしょう。
Steamがメジャーになり、SteamDeckを皮切りにした携帯ゲーミングPCも市民権を得ていると「ゲーマーは」錯覚していますが、国内市場ではゲーミングPCはわずか15%未満の少数派ということです。