現在 「更迭 」されたIntelのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は、当初から事業分割に反対していたようだ。
Intel前CEO、古いインタビューで事業分割のために 「PEガイ 」を雇うと発言、自身の戦略に反すると主張
ゲルシンガー氏が最も楽観的であったポジションから突然「引退」するというのは、私たちにはピンとこない。
それゆえ、退任の背後にある潜在的な理由を探る必要が出てきた。
興味深いことに、2022年に行われたStratecheryとのインタビューでのゲルシンガー氏の発言から、事業分割がCEO職を退く引き金になった可能性があることがわかった。
以下は、ビジネス戦略について質問された際のゲルシンガーのコメントである:
最初のものは、私が取締役会向けに書いた戦略文書で、会社を2つに分けたいのなら、私ではなくPE的な人を雇ってそれをさせるべきだと言ったんだ。私の戦略はIDM2.0となり、私はそれを説明した。
- Intelの前CEO が Stratecheryを経由して
ゲルシンガー氏がIDM2.0で描いた戦略に反し、Intelは悲惨な財務状況を目の当たりにし、難しい決断を迫られている。
ゲルシンガー氏は自社生産・製造の強力な支持者であり、だからこそIntelファウンドリーは彼の4年間の在任中に重要な役割を果たしたのだが、彼の努力は期待通りにはいかなかった。
つまり、2022年当時のゲルシンガーの発言は、取締役会が事業分割の決定を推し進めた可能性があるということだ。
この動きは前CEOの「IDM 2.0」戦略と合致しないため、彼はその地位から退くのが最善だと判断した。
これだけでなく、Intelの18Aプロセスを擁護するゲルシンガー氏の最近のコメントは、彼がIFSに対して大規模な楽観主義を持っていたことを示しているが、絶望的な経済状況は、最終的に彼の会社が一歩後退することを余儀なくさせた。
これはゲルシンガー氏辞任の数少ない説の一つであるが、IFSの勢いが低迷していたことは、まさにその過程を助長する決定的な要因であった。
この部門はビジネスから国益の問題へと発展し始めたのであり、だからこそIntelとその取締役会はその業績不振を軽視しなかったのである。
解説:
ゲルシンガー前CEOが更迭された理由
やはり、ゲルシンガー氏はIntelの垂直統合生産システムを残すために努力してきたようですね。
残念ながら、Fab部門だけで赤字1.5兆円も出してしまったので責任を取らざるを得なくなったのでしょう。
前にも書きましたが、また書きます。
Intel黄金期の勝ちパターンは世界一優れた自社Fabで他社より優れた製品を生産し、競合製品を圧倒するというものです。
半導体製品にとってFabの技術がいかに大きいかはZen3でのAMDの全面勝利とその後のAlderlakeでの鮮やかな逆転でIntel、AMD派どちらの方も痛感していると思います。
私の体感では半導体製品の性能は8:2で設計よりFabの技術の方が影響力が大きいと思います。
しかし、EUV時代に入ってFabへの投資額が大きくなり、自社製品のみを生産していては半導体製造装置への投資を回収できなくなってしまいました。
そのため、IntelはEUV化を遅らせてしまいました。
これがIntel Fabのトラブルの始まりになります。
この時点で「自社技術を独占的に使用して他社を圧倒する製品を生産する」という勝ちパターンはなくなってしまっています。
つまり、Fabの会社を分けて別の会社にすることにデメリットはなくなったということです。
ゲルシンガーCEOはIntel生え抜きの人材ですから、垂直統合システムを生かしたいと思う気持ちが強いのは理解できます。
しかし、ここまでFabの投資額が大きくなると、分社化してIntelのカラーをできるだけ消して他社からの投資や委託生産をしやすくした方が私は良い方向に働くと思います。
残念ながら企業としてのintelの判断はやはりゲルシンガーCEOを更迭するというものでした。
これも時代の流れということなのでしょう。
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