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AMDとintelのCPUマーケットシェアについて

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現在のところAMDがRyzenを発売してからintelとは宿命のライバルと言ってよい戦いを繰り広げています。

では実際の市場シェアはどうなのでしょうか?

ドイツ最大の小売業者の一つであるMindfactoryの興味深い調査結果があります。

ドイツの1小売業者の調査であることに注意してください。

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2017/07-2018/07のCPUの売り上げ個数

2017年の最初の4か月間はKabylakeと第一世代Ryzenの売り上げ個数を示していますが、AMDが売り上げを伸ばしています。

第8世代Core iシリーズが発売されてからはintelが売り上げを伸ばしています。

そのほとんどがCore i7 8700Kであり、これがintelの高い利益率の理由となっています。

第二世代Ryzenが発売されてからはAMDが売り上げを伸ばし、2018年7月にはほぼ互角のシェアとなっています。

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しかし、これは個数ベースの話で、収益ベースでみるとintelの方が上回っています。

その理由は先ほど説明したintelの売り上げの多くをCore i7 8700Kが占めていること、AMDは発売してからその価格を維持出来ていないことです。

Ryzenの多くは割引された価格で販売されています。

2018年7月は個数ベースでるみとAMDとintelは互角ですが、金額ベースでみるとAMD42%、intel58%となっています。

また、平均価格で見るとAMDよりintelの方が高い水準を維持しているのが見て取れます。

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2018年7月の内訳を詳しく見てみると、AMDはRavenRidge(GPU内蔵モデル)が22%、SummitRidge(第一世代Ryzen)が31%、PinacleRidgeが44%を占めています。

ハイエンドデスクトップはRyzen Threadripperが強い

AMD、intelともにハイエンドデスクトップの売り上げ個数は2%しかないが、intelは金額ベースで5%に対してAMDは6%となっている。

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intelとAMDの主要モデルと平均単価の推移

 

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元になった売り上げ表

 

ドイツの小売り業者とは言え、なかなか興味深いデータなのではないでしょうか。

intel購入者のほとんどがCore i7 8700Kを求めているというのは面白い話です。

ソース元の記事では今後発売が予定されている第9世代Core iシリーズとintelの新HEDTプラットフォーム(Core-Xシリーズ)の投入でマーケットのシェアはまた揺れ動くだろうと結んでいます。

また、私が様々な記事中で説明している通り、クリスマスシーズンには売上個数/額ともに極端に上がっているのも面白いです。

キリスト教圏の国のほとんどで見られる傾向です。

日本でもそうですが、キリスト教圏ではない国でもその価値観を持ち込んで、この時期に合わせて様々な企画を立て、工場の生産能力を振り向けます。

その方が経済合理性が高いからです。

ぬいぐるみなど業種によっては一年間の生産能力の大半をクリスマス向けの出荷に振り向けているところもあります。

日本はキリスト教圏じゃないのになぜクリスマスを祝うのかというとその方が物を売るのに都合がよいからです。

PCのような嗜好性の極めて高い商品はoemなどの関係もありますので、一社の都合でクリスマスシーズンを外すという行動はなかなかとれないのが普通です。

一社単独で販売しているのではなく、当然、取引先もありますからね。

今回は面白いデータを見つけたのでちょっと切り口を変えて、経済から見たPC/CPUというものを考えてみました。

PCの記事というと殆どが性能を切り口としており、マーケットシェアや販売金額などを切り口としている物はなかなかないでしょうね。

eSportsがもう少し組織化されてきたら、ゲーミングPCに関するこのようなマーケットデータを積極的に公開するようにしてもらえると有難いです。

競技である以上、公益に資するという考え方は必須だと思いますので、単に利益を追及するだけではなく、スポーツとして世の中から受け入れられたいと思うならば、情報公開は積極的に進めるべきだと思います。

私がeSportsに肯定的なのはスポーツマンシップや競技の持つフェア精神というものに強く共感を覚えるからです。

Steamはこのようなデータを公開しており、すでに公器としての体裁が出来つつあります。

ソース:Steam ハードウェア & ソフトウェア 調査: July 2018

 

今まで見てきたデータを分析するとintelとAMDが何故に新製品発売の応酬をするのかよくわかるのではないでしょうか。

また、Ryzenが市場から好意的に受け入れられていること、intelの利益率が非常に高いことがよくわかるデータです。

intelが異常に強い会社であることがよくわかるんじゃないでしょうか。

日本は特に一強とその他という構図になる傾向が強いです。

1小売り業者の売り上げの内訳ですが、こうしたデータが表に出るのは珍しいのではないかと思います。

intelもAMDの猛攻に合わせる形で高性能な製品を次々と投入しているのかよくわかるデータです。

別の記事でも何度も何度も繰り返していますが、Ryzenの特性を冷静に分析して自分の用途に合った選択ができる中級レベル以上の方は出来るだけRyzenを購入するのが全体的に見てより良い商品を手に入れる近道となります。

もちろんPCは嗜好性の高い商品なので、無理やりそうする必要はありません。

intelが好きな方も当然いるでしょうからね。

こだわりのない方で、どちらでもよいと思っているならばAMDモデルを検討してもよいではないか?という程度です。

ただし、マーケットはintelが支配していますので、プログラムが最適化されている/いないを含めて、Ryzenはゲーム用途ではかなりハンデがあると考えるのが妥当です。

この辺が理解できない初心者の方は人はintelモデルを購入するようにしてください。

ほとんどのソフトウェアはintel製CPUで動かすことを前提としていますので、intel製品は鉄板です。

よくわからない方は安全性を重視するのも一つの考え方です。

ソース:wccftech - AMD Ryzen and Intel Coffee Lake CPU Market Share at 50% Each in July – Strong Ryzen Sales, Intel CPUs Still Report Higher Revenue

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