AMD "Little" Phoenix APUの写真を初公開
同じアーキテクチャを採用した小型APU
Phoenix2は、現在最もパワフルなAMDモバイルシステム、ラップトップ、Mini-PC、ハンドヘルド・コンソールで使用されているオリジナルのPhoenixシリコンの小型版である。
AMDがZen4およびRDNA3アーキテクチャに基づく小型ダイを発表するかもしれないという事実は、現時点では秘密ではなかった。
しかし、そのようなプロセッサの正確なスペックは推測の域を出なかった。
先にお伝えしたように、AMDはPhoenix2 APUのダイが137mm²であることを確認したようだ。
小型化されたPhoenixは、CPUコアとGPUコア数が削減され、Ryzen 3/5 7040Uシリーズに採用されると予想されている。
このPhoenix2 APUの最初の画像が、リークで知られるGolden Pig UpgradeによってBilibiliで共有された。
この画像は、オリジナルのPhoenixと同じFP7ソフトウェアを使用していることを示している。
しかし、Phoenixは、5月に同じリーカーによって明らかにされたFP8として知られる少し大きめのパッケージも使用している可能性があることに留意すべきである。
CPUダイが変更されただけでなく、GPUコアも12から4へと大幅に削減されたことは注目に値する。
これらの変更は、ダイサイズの縮小と潜在的な電力要件の削減に寄与している。
これまでのところ、AIコアの変更の可能性に関する報告はない。
AMD Phoenix2アーキテクチャーは、市販のノートパソコンにはまだ採用されていない、近日発売予定のRyzen 5 7540UおよびRyzen 3 7440Uプロセッサーに採用される予定だ。
AMDはすでにOEM向けにこの小型APUの出荷を開始しているようで、トレイに並べられた両プロセッサの画像がそれを物語っている。
AMD Ryzen 7040Uシリーズ
AMD Phoenix | AMD Phoenix2 | |
製品 | Ryzen 7 7840U Ryzen 5 7640U | Ryzen 5 7540U Ryzen 3 7440U |
製造プロセス | TSMC 4nm | TSMC 4nm |
ダイサイズ | 178mm² | 137mm² |
CPU アーキテクチャー | AMD Zen4 | AMD Zen4 (C) + Zen4c (c) |
コア数/ スレッド数 | 8C / 16T (7840U) 6C / 12T (7640U) | 2C+4c / 12T (7540U) 2C+2c / 8T (7440U) |
最大CPU クロック | 5.1 GHz | 4.9 GHz |
GPU | 12CU RDNA3 (Radeon 780M) 8CU RDNA3 (Radeon 760M) | 4CU RDNA3 (Radeon 740M) |
最大GPU クロック | 2.8 GHz | 2.5 GHz |
対応メモリ | DDR5-5600 LPDDR5x-7500 | DDR5-5600 LPDDR5x-7500 |
TDP | 15-30W | 15-30W |
発売年 | 2023 | 2023 |
ソース:Videocardz.com - AMD Phoenix2, a smaller Zen4/RDNA3 APU has been pictured
解説:
Phoenix2の存在をAMDが確認
昨日お伝えしたPhoenix2ですが、AMDが公式にその散財を認めたようです。
既にOEMに出荷されているようで、もうすぐ搭載製品が出るかもしれません。
Phoebix2はローエンド製品にも関わらず、AMD版ハイブリッドが搭載されています。
ハイブリッドの「効率を上げる」と言う特質をコストダウンに使っている例ですね。
Intelのデスクトップ向けハイブリッド効率を上げるという特質を性能を上げる方向に使っています。
実に対照的です。
Phoenix2はコストダウンに振り切っていて、内蔵GPUの性能は期待できないので、普通のノートPCとしてしか使えないかもしれませんね。
早く搭載製品が出てきてほしいところです。
Phoenix2の存在が明らかになったことによって、将来的にはAMDも8C16T(Pコア)+12C24T(Eコア)などの製品が出るのではないかと思います。
Zen5はハイブリッドにならないという話ですから、Zen6でハイブリッドになるならば、Zen6+Zen6CでたとえばPコア8コアとEコア12コアが同じくらいのダイ面積となれば、マルチスレッド性能が上がるかもしれません。
AMDのハイブリッドは基本的にEコアはPコアのキャッシュを削っただけになるとのことなので、残念ながらIntelのCPUほどEコアのダイを増やせないでしょう。
同じCCD上にPコアとEコアを混在させる形にするのか別のCCDに分けるのかはわかりませんが、ローエンド製品の展開を考えると1CCDにPコアとEコアを混在させた方がやりやすいと思います。
逆に言えば、ハイブリッドを搭載するまで、Intelに対して少し苦しい展開が続くかもしれません。
私としては、APUをGPUの性能を向上させる方向に振り切って、1点突破でIntelやnVidiaに差をつけていくのが一番やりやすいのではないかと思います。
内蔵GPUの性能を上げていけば、今のようにCPUの性能やGPUの性能だけで比較される世界とは別の世界に行くことができます。
APUが単体GPU並みの性能を高いレベルで実現すればその価格はCPU+単体GPUの合計価格より安ければ高く評価されますので、ほぼ競争の無い世界に行くことが可能です。
製造プロセスの進化によって製造コストがあがり、コスパが悪化してユーザーは嫌気がさしていますので、この隙間にうまく入り込めると独自の立ち位置を確保できるのではないでしょうか。
製造プロセスの進化や3D V-Cacheの登場によって、APUの性能が爆発的に上がる環境が整ってきました。
M1やM2も同じ方向性の製品ですが、オンパッケージにメモリを搭載するのはやり過ぎだと思います。
Ryzen 9000シリーズ
Ryzen 7000X3Dシリーズ
Ryzen 8000GシリーズAPU(GPU内蔵)
Ryzen 5000/4000シリーズ